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DXの本質とは何か

マイナビニュース / 2024年9月27日 10時0分

ただ「DXは経営のど真ん中の変革だ」と捉えると、会社の各層の足並みがそろわないことには前進することはできません。社内でDXの旗揚げをしているものの違和感を覚えたら、そのまま放置せず各層の理解を確かめることです。

野原: 会社全体での共通理解ですね。私たちも全社戦略としてDXに取り組んでいますが、この辺りは難しく感じるので、実に参考になります。そういう意味ではDXに限らず通常の戦略や次の手をタイムリーに打てている会社・組織はDXも取り組みやすく、そうでない状態だとDXもなかなか進まないのかもしれません。

●建設産業のDXは遅れているのか
野原: 教育や農業など、ビジネスモデルの根幹や諸条件が変わりにくい業界や産業があり、建設もその一つです。これらの分野でのDXの事例を教えていただけますか?

長谷部: 教育産業は昔から変わらないアナログ的な印象を受けますが、私が最初にDXに携わったのは教育の分野で10年前のことでした。当時はDXではなく、「EdTech(エドテック)」(下図参照)と呼ばれ、塾や予備校など民間教育機関と一緒に、教育分野でデジタルを活用したイノベ
ーションを起こす取り組みを始めていました。

今ほどでなくとも子どもたちはスマートフォンやタブレット、パソコンに慣れ親しむなどデジタルリテラシーが高く、民間の教育事業者の方々の抵抗もそれほどありませんでした。コンテンツの制作から入稿、学習計画の策定、学習者に合わせた最適なコンテンツの提供など、一気通貫で実行できるデジタルプラットフォーム(※4)と新しいビジネスモデルを作ることができました。

最近は国も本腰を入れ始め、公的教育機関にもDXの波が訪れています。
いずれにしても教育の領域でDXが比較的スムーズに進んだのは、学習者にデジタルリ
テラシーがあり、顧客も価値がわかりやすかったからだと思います。サービスを届けるまでのバリューチェーン(※5)が短かったことも、プラスに影響しました。

※4 デジタルプラットフォーム:オンライン上でさまざまなサービスやコンテンツを提供する基盤

※5 バリューチェーン:製品やサービスを生産する過程全体を示す概念のこと。価値連鎖

野原: EdTechは10年前からすでにあり、先行事例も多いのですね。直近ではどうなのでしょうか? 踊り場を迎えているのか、さらに進化しているのでしょうか。

長谷部: 不可逆的だと思います。顧客が利用形態に慣れ、さまざまなデバイスで学習する浸透度合いも深まっています。

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