2025年、宇宙開発の未来図 - 新型ロケットや民間月探査、注目ミッション総まとめ 第1回 ロケット編 - 完成に向かうH3、引退を迎えるH-IIA、次々飛び立つ巨大ロケット
マイナビニュース / 2025年1月10日 14時20分
2025年最初のスターシップの飛行試験は日本時間1月14日以降に予定されている。さらに、この飛行は「スターシップV2」という改良型の機体のデビュー戦となる。V2では、機体の全長が伸び、推進薬タンクが25%大きくなることで打ち上げ能力が向上するほか、前部フラップが改良され、耐熱タイルも新たに設計された。コンピューターや通信機器も新しくなったという。
この飛行試験は、前回までの試験と同様に、完全な地球周回軌道には乗らないサブオービタル飛行をする。宇宙空間を飛行中には、衛星の放出試験を行うほか、再突入時には、水冷式の金属タイル試験も予定されている。前々回で成功し、前回は失敗した、1段目「スーパー・ヘヴィ」ブースターの、発射台でのキャッチも試みるという。
スペースXはまた、フロリダ州にもスターシップの発射施設を建設しており、早ければ6月にも使用が始まるとされる。2025年はテキサスとフロリダの両方から、スターシップが次々と飛び立つ光景が見られるかもしれない。
○ミニ・スターシップな「ニュートロン」
6月には、小型衛星の打ち上げで高い実績をもつ「ロケット・ラボ(Rocket Lab)」の新型ロケット「ニュートロン(Neutron)」もデビューする。
同社が運用する「エレクトロン」は小型ロケットで、地球低軌道に約0.3tの打ち上げ能力をもっているが、ニュートロンは約13tと大幅に向上する。
さらに、再使用を念頭に置いた設計で、まるでミニ・スターシップとでもいうべきユニークな外見をしているなど、話題の多いロケットである。
○復活の「アンタレス」
8月には、ノースロップ・グラマンの新型ロケット「アンタレス330」がデビューする。かつてのアンタレスはロシア製のロケットエンジンとウクライナ製の推進薬タンクを使っており、ロシアのウクライナ侵攻の影響で、2023年の打ち上げをもって引退した。
アンタレス330は、米ベンチャーのファイアフライ・エアロスペースと共同開発し、名前こそ同じなものの、エンジンもタンクも米国製になっている。
この初飛行では、「シグナス」補給船運用23号機(NG-23)を搭載して、国際宇宙ステーション(ISS)へ向けて打ち上げる。
○スペースプレーン「スペース・ライダー」
垂直離着陸するロケットばかりで食傷気味の宇宙ファンにとっての大注目が、欧州宇宙機関(ESA)のスペースプレーン「スペース・ライダー」である。
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