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家族が認知症になりまして 第2回 九州男児の父の自信も回復? “認知症の解像度”が高い福岡市が推進するコミュニケーション・ケア技法と「オレンジ人材バンク」とは

マイナビニュース / 2025年1月27日 9時5分

画像提供:マイナビニュース

家族が認知症になったらどうしよう……そんな漠然とした不安が現実に。認知症初期の人に対する情報が乏しい中、少しずつ調べていくうちに、私が持っていた認知症のイメージは古いことを知りました。“認知症の解像度”を上げてくれる場所や人を訪ねて、認知症の現実に向き合います。

「認知症になると、家のあちこちで用を足すようになってしまう」「認知症は治ることなく進行し、家族の記憶もその人らしさもあっという間になくなってしまう」――父が認知症になる前、認知症に対する恐怖は大きいものでした。その印象をガラリと変えてくれたのが「福岡市認知症フレンドリーセンター」です。認知症を前向きに捉えられるようになったのです。

例えば、トイレ以外の場所で用を足してしまうのにはトイレの場所がわからないなどの理由があって、認知症の人にもやさしいデザインを取り入れれば回避できる場合があるという話は目からウロコでした。漠然と人間らしさを失ってしまった象徴のように恐れていた行為に、理由と解決策があるというのは画期的な発見。そして、「認知症の先輩」から知恵を借りるという姿勢の「オレンジ人材バンク」があり、仕事を通して輝きを取り戻す方たちがいる

そんな希望を聞かせ、見せてくれたのが、長年介護の現場で働いた知見をもって現在はセンター長を務めている党一浩さんです。このような取り組みを市が主導して行っているというのも頼もしい。今回は「福岡市認知症フレンドリーセンター」の取り組みから見える、認知症との向き合い方を紐解きます。
○■2023年9月にオープンした「福岡市認知症フレンドリーセンター」

福岡市は2018年に認知症の人やその家族が安心して暮らせるまちづくりを目的とした「認知症フレンドリーシティ・プロジェクト」を開始。行政や医療機関、地域住民、企業が協力しながら、認知症コミュニケーション・ケア技法である「ユマニチュード®」「認知症の人にも優しいデザイン」「福岡オレンジパートナーズとオレンジ人材バンク」など、特徴的な施策を推進している。「福岡市認知症フレンドリーセンター」はそれらをさらに発展させるための拠点施設として2023年9月にオープン。

○■認知症であることを受け入れること。認知症の先輩から学ぶこと

「福岡市認知症フレンドリーセンター」は、福岡市の中心地である天神近くにあります。福岡市が地元の私たち家族が最初にここを訪れたのは、近所の人には認知症を知られたくないけれど、認知症からくる不安を自分たちだけでは抱えきれなくなった両親の相談場所になってくれないかという期待があったからです。知らない人ばかりだからこそ本音が話せるのではないかという予想は当たりました。さらに、自信をなくしていた父に社会人としての希望も与えてくれたのです。

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