実話に基づいて映像化した知られざる真実 『チェルノブイリ1986』 公開
NeoL / 2022年5月9日 12時0分
チェルノブイリ原子力発電所で起きた爆発事故。全世界を未曾有の危機から救うため命を懸けた消防士の物語『チェルノブイリ1986』が公開中。
1986年4月26日、ウクライナ・ソビエト社会主義共和国プリピャチのチェルノブイリ原子力発電所で起きた爆発事故。この未曾有の大惨事は、のちに超大国のソ連が崩壊した一因になったとも言われ、数多くのドキュメンタリーが作られた。そしてこの度、他とは全く違った視点で描いた映画『チェルノブイリ1986』を完成させた。
人々の日常生活や生命をどれほど脅かし、彼らの人生に壊滅的な影響を与えたのか。事故発生当時、現地で撮影した経験を持つプロデューサーが、爆発直後に現場に急行した消防士たちの苦闘や避難民たちの混乱ぶりなど、一般市民の視点からリアルに映し出した。
チェルノブイリ原子力発電所で爆発事故が発生したことを知ったアレクセイは、明け方、急いで現場に到着すると、通常の防火服を着たまま消火作業にあたる大勢の消防士たちが、放射性の火傷を負い、あちこちで嘔吐しているという惨状を目の当たりにする。
同僚のユーリィが倒れているのを見つけたアレクセイは駆け寄り「大丈夫か?」と声をかけるが、ユーリィの顔は真っ黒に焼け焦げていた。あまりの驚きに一瞬声を失ったが「立ち上がるんだ。頑張れ。」と再度声をかけ、抱えて歩き出す。
凄まじい黒煙と青白い炎が立ちのぼる中、アレクセイはユーリィを建物に移動させると、そこには同じく被ばくした同僚のセルゲイがいた。「俺なら平気だ。お前たちは先に行け。」と咳き込みながら言うセルゲイを横目に、アレクセイは階段を下りると救急隊を呼びユーリィを任せる。そして再びアレクセイは建物に戻り倒れているセルゲイを抱え外に出るが…。
衣装を担当したのは、『ウォンテッド』『リンカーン 秘密の書』などのハリウッド映画にも携わってきたヴァルヴァーラ・アヴジューシコ。画面に映るすべての衣装は本物でなくてはならないと主張したアヴジューシコは、防護服やマスク、ベッドリネンまで、あらゆるものをフリーマーケットやビンテージショップで調達した。エキストラも1980年代のオリジナルの衣装を着用し、500人ものエキストラが参加した。
そして本作では、放射線障害の段階を正確に表現することが重要だったため、特殊メイクにもこだわった。監督のコズロフスキーは「特殊メイクのスペシャリストであるアレクセイ・イヴチェンコとキーメイクアップアーティストのエカテリーナ・シャフヴォロストヴァは、放射線による火傷のさまざまな症状を研究するために、膨大な量のドローイングとスケッチを作成しました。その数は約100枚。撮影現場には、放射線を浴びた初日から死に至るまでの組織の損傷が、段階的に示された写真のフォルダーが置かれていました。それぞれの段階と登場人物に番号が振られ、それを脚本に盛り込んだのです」と語っている。
『チェルノブイリ1986』
上映中
■ストーリー
若き消防士アレクセイは、元恋人オリガと10年ぶりに再会を果たし、彼女とともに新たな人生を歩みたいと願っていた。ところが地元のチェルノブイリ原発で爆発事故が起こり、それまでの穏やかな日常が一変。事故対策本部の会議に出席したアレクセイは、深刻な水蒸気爆発の危機が迫っていることを知らされる。もしも溶け出した核燃料が真下の貯水タンクに達すれば、ヨーロッパ全土が汚染されるほどの大量の放射性物質がまきちらされてしまう。愛する人のためタンクの排水弁を手動でこじ開ける決死隊に志願したアレクセイだったが行く手には、想像を絶する苦難が待ち受けていた…。
製作・監督・主演:ダニーラ・コズロフスキー『ハードコア』
製作:アレクサンドル・ロドニャンスキー『殺人狂騒曲 第9の生贄』
出演:オクサナ・アキンシナ『ミッション・イン・モスクワ』、フィリップ・アヴデエフ『LETO-レト-』
2020年/ロシア/ロシア語/135分/シネスコ/5.1ch
字幕翻訳:平井かおり/字幕監修:市谷恵子/配給:ツイン G
(C)≪Non-stop Production≫ LLC, (C)≪Central Partnership≫ LLC, (C)≪GPM KIT≫ LLC, 2020. All Rights Reserved.
chernobyl1986-movie.com
関連記事のまとめはこちら
https://www.neol.jp/movie-2/
外部リンク
- 実話に基づいて映像化した知られざる真実 『チェルノブイリ1986』 公開
- チケット発売!石原海による『重力の光』、マイカ・ルブテのライヴなど、気鋭のGALSが集結する「SAVAGE GALS curated by NeoL Magazine」
- 【読者プレゼント】音楽、映像、アートなど様々なシーンを賑わせている気鋭のGALSが集結。「SAVAGE GALS curated by NeoL Magazine」
- 「脚本を書き始めたのはアメリカが本当におかしくなり始めた頃。とても私的な世界における親密さを描いて、それをアメリカに放り出したかった」 『カモン カモン』 マイク・ミルズ監督インタビュー/Interview with Mike Mills about “C’mon C’mon”
- 【試写会プレゼント】美しく繊細な描写で忘れ得ない一日と人々の内面を描く。オデッサ・ヤング、ジョシュ・オコナー、コリン・ファース、オリヴィア・コールマンらが共演『帰らない日曜日』トークショー付き試写会
この記事に関連するニュース
-
中国の原発建設ラッシュの背景―独メディア
Record China / 2025年1月7日 18時0分
-
なぜ「ガソリン」って持ち運び厳しいんですか? 発電機で必要なのに販売拒否されました 灯油と同じ石油ですよね?
乗りものニュース / 2025年1月4日 7時42分
-
ブルガリアの〝女ノストラダムス〟2025年予言「欧州で新たな紛争勃発」などはある得る!?識者に聞く
よろず~ニュース / 2025年1月1日 11時0分
-
米国史上最悪の原子力事故「スリーマイル島原発事故」を振り返る。“原発安全神話”を崩壊させたメルトダウンの原因と被害を解説してみた
ニコニコニュース / 2024年12月24日 18時30分
-
コナン細菌、クマムシ...放射線に強い生物の「耐性メカニズム」は「被曝リスク時代」の希望となるか
ニューズウィーク日本版 / 2024年12月23日 22時45分
ランキング
-
1冬にやりがち、だけど太りやすい! 要注意な「NG食習慣」3選【管理栄養士が解説】
オールアバウト / 2025年1月10日 20時45分
-
2“メラミンスポンジでこする”のは絶対NG! 洗面台掃除で「やってはいけない」7つのこと
オールアバウト / 2025年1月10日 21時50分
-
3年末年始に困った「女性の不調」、1位は?
マイナビニュース / 2025年1月10日 19時3分
-
4【防寒】「使い捨てカイロ」体を効果的に温かくする“貼り方” 警視庁警備部災害対策課「風邪予防にもなる」
オトナンサー / 2025年1月10日 22時10分
-
5お金持ち体質がやっている「よくない縁」を断ち切る方法って?
オールアバウト / 2025年1月10日 21時20分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください