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日本にもスタートアップの時代がやって来る

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月27日 7時5分

 もうひとりは、ライフスタイルデザイン代表取締役社長の森雄一郎氏(1986年生まれ)だ。オーダーメイドのスーツやシャツなどを販売するECサイト「LaFabric(ラファブリック)」を2014年から運営し、Made in Japanの高品質とジャストフィットのサイズ感を売りに、手ごろな価格で消費者に届けることを実現している。

 リアルの店舗での計測や試着なしに、ネットでスーツをオーダーしてもらう――ひと昔前ならあり得なかったかもしれないが、いまやネットで服を買う行為は珍しくなくなったし、ライフスタイルデザインでは、快適にオーダーメイドできるようシステム改善に取り組んできたという(同社では商品開発だけでなく、ウェブ開発も自社で行っている)。また各地で期間限定のポップアップ型ショップを立ち上げ、今年1月には、東京・渋谷に初の常設型リアル店舗をオープンした。

「だれもがネット環境に簡単につながる時代になり、価値観が多様化してマス・プロダクトを売りづらくなっている」(加谷珪一氏)

 加谷氏をモデレーターとして実施した座談会「これからの日本の起業家たち」を、前後編の2回に分けて掲載する。

◇ ◇ ◇

加谷 だれもがネット環境に簡単につながる時代になり、その一方で、価値観が多様化してマス・プロダクトを売りづらくなっている環境のなかで、起業家たちはどういうことを考えてビジネスをしているのか。

 私が社会人になった頃はちょうどパソコンブームで、OEMでパソコンを作るベンチャー企業がいっぱい出てきたんです。でも、まだまだマス・プロダクトの延長でした。2000年代に入るとネットビジネスの世界になり、多くの企業がサービスを立ち上げて、その代表が楽天の三木谷さんなんかだと思います。つまり、サービスの時代になった。

 しかし、価値観が多様化していることもあって、いままたモノに対する興味が湧いてきているのではないかと思います。ふたたびモノの時代になるのではないかと。

 そんなわけで、今日はモノづくりで起業したおふたりに来ていただきました。まずは、どういう経緯で、どういう思いでモノづくりをするようになったのかをお聞かせいただけますか?

中澤 私はもともと、カシオ計算機で携帯電話の企画、プロダクトマネジメントをしていたんですが、私が入社した2007年の時点で、すでにモノづくりは飽和していて、どんどんスペックを上げて競争するという負のスパイラルの真っただ中でした。だから、いちばん苦しくて、つまらないと言われる世代だったんです。

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