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日本にもスタートアップの時代がやって来る

ニューズウィーク日本版 / 2016年2月27日 7時5分

長沼 まさにいま、社会が変わってきていて、これまでの市場シェアを奪い合う時代から、人々のマインドのシェアをどう取っていくかを問われる時代になっています。それがつまり、オーダーメイドやワン・プロダクトが求められる社会なんだと思いますが、そこには当然、デザイン性やストーリーが問われてくるわけです。

森 僕が明確に思っているのは、過去5年とか10年で、消費者の意識が圧倒的に変わってきていることです。情報化社会になって、売り手よりも買い手のほうが多く情報をもっています。

 これまではメディアから情報をもらって流行を知って洋服を選んでいたのが、いまは自分がメディアを選ぶ時代だから、自分で情報を集めることができるようになった。その結果として、モノを選ぶハードルが高くなっているんだと思います。本当に納得しないとお金を払ってくれない。

 オーダーメイドもそれにつながってきます。一点一点、生地やデザインから自分で選んで、もちろんサイズも自分だけのものだし、そうやって心から納得できるものにお金を使いたい、と思う人が増えているんじゃないでしょうか。

加谷 中澤さんは、オーダーメイド家電というようなビジョンがあったりするんですか?

中澤 それは考えていないです。数が少ないと言っても、家電はやっぱり大量生産品です。200台だろうが1万台だろうが、型のとおりにまったく同じものを作るわけですから。

 私は、お客さんに製品を面白がってもらうことに頭を使っています。UPQの商品は言ってみれば嗜好品で、なくてもだれも困らない。だけど、これにお金を払ってもいいなって思ってもらうためには、買ったときにだれかに自慢できればいいんじゃないか、って考えているんです。

「人とのつながりに大きな価値を置く人たちが増えている。そういう部分にマッチしたモノづくりが、これからの時代には求められる」(長沼博之氏)

 いま、みんなすぐにツイッターやフェイスブックでシェアしますよね。うちのキーボードはタッチすると光るんですが、それを写真に撮って投稿したら、大体「いいね!」がつくと思います。

 そして、そういう、ひと目で面白さが伝わって、ひとことで説明できるプロダクトって、いまどんどん減っていると思います。

加谷 かつての携帯電話のスペック競争もそうですね。

中澤 はい。それで「1グラム軽い」とかをメーカーは競っていたんです。でも、そのことを自慢できるかっていうと......できませんよね。だから、ひとことで説明できるようなプロダクトのほうが、いまの時代の人は素直に驚いちゃうんです。

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