現代人は最大約2%ネアンデルタール人 人類史を塗り替える古代DNA革命

ニューズウィーク日本版 / 2018年9月25日 16時0分

――古代から現代まで、集団が混じり合う際には常に、権力を持つ集団の男性と権力を持たない集団の女性との交配という「性的バイアス」が見られる。生殖に伴うこのような不平等は男女間には限らない。Y染色体の解析から、モンゴル帝国時代のたった1人の男性が、かつての占領地域に直系の男系子孫を何百万人も残していることがわかった。この人物はチンギスハンかもしれない。

◇ ◇ ◇

本書は、原題の「Who We Are And How We Get Here」が示すように、古代DNA研究分野の将来性を予見したルカ・カヴァッリ=スフォルツァの著書『わたしは誰、どこから来たの』(三田出版会、1995年)へのオマージュと言うべき作品である。

本書の著者も、人類の過去を復元し、いまのありようを考察するなかで、「われわれは何者なのか」という根源的な問いへの答えを模索する。だが、カヴァッリの時代と比べ驚異的なパワーを持つに至った解析技術を駆使して、生き生きとした動きに満ちた、遥かに鮮明な古代の人類地図を描くことに成功している。


『交雑する人類――古代DNAが解き明かす新サピエンス史』
 デイヴィッド・ライク 著
 日向やよい 訳
 NHK出版


トランネット
出版翻訳専門の翻訳会社。2000年設立。年間150~200タイトルの書籍を翻訳する。多くの国内出版社の協力のもと、翻訳者に広く出版翻訳のチャンスを提供するための出版翻訳オーディションを開催。出版社・編集者には、海外出版社・エージェントとのネットワークを活かした翻訳出版企画、および実力ある翻訳者を紹介する。近年は日本の書籍を海外で出版するためのサポートサービスにも力を入れている。
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日向やよい ※編集・企画:トランネット


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