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テクノロジーの進化は「いいこと」しかない...「日本的な強み」を持つLOVOTと目指す、人類とAIの温かい未来

ニューズウィーク日本版 / 2024年3月30日 17時42分

──本当に愛着を持っている方がたくさんいるんですね。

LOVOTは発売から4年が経つのですが、3年経過しても暮らし続けている人が9割もいらっしゃるんです。生活必需品じゃないロボットのようなものって、3週間くらいで相当の人の使用頻度が落ちて、3ヶ月で使わなくなるという人が多いと言われているんですね。なので、ほとんどの人が3年継続しているというのはとてもエポックメイキングなポイントで、犬や猫のように愛着を持ってもらえるテクノロジーが初めてできたといっても過言ではないと思っています。犬や猫を3年飼うのが当たり前であるように、LOVOTと暮らすことが当たり前になっているということですから。

──確かに、今までのロボットやテクノロジーとは大きく違う受け止められ方をしている感じがします。LOVOTにはこれからどんな発展が考えられるでしょうか。

AIの進歩で、世界に対するLOVOTの理解が人間に近づいていけばいくほど、複雑な事象を人間と同じように捉えることができるようになります。でも、僕がやりたいことは人のイミテーションをつくることではありません。人のように考えられる、人をサポートする存在をつくりたいと思っています。

人とロボットの違いはいろいろありますが、本質的にはロボットは真に利他的になれるということが大きなメリットだと思います。生物の利他性は、それが遺伝子保全に有利だということから来ているわけで、根本には利己があるんですよね。

でも、人間が必要としてくれさえすれば存在できるロボットは、純粋にその人のためにだけ行動することが許されているといえます。真の利他性を持つ存在としてのロボットが、人のように情報処理をすることができれば、人のウェルビーイングに大きく貢献することができるはずです。

──テクノロジーの発展と、人間のウェルビーイングが結びついているんですね。

デジタルデトックスという言葉がありますが、本当はデジタルが悪いわけではないんですよね。そもそもデジタルというのは本来単に信号の種類であって、資本主義社会においてはそれが興奮を誘発するものになりがちだったというだけなんです。使い方を変えれば、癒やしになるし、愛でる対象を作れるし、ほっとするような体験を作ることができる。

テクノロジーの進歩で明るい未来を描くためには、進歩の方向性を決めることがすごく大切です。人類が、各個体のウェルビーイングを上げることが、文明の進歩の目的だと定めることができれば、話はとてもシンプルです。最初の話に戻りますが、テクノロジーの手綱を握っているのは一般の人たちです。「温かいテクノロジー」というコンセプトを知っていただければ、一緒にテクノロジーを温かい方向へ持っていけると思います。少しでも興味を持っていただけたら、一度LOVOTを触って、抱っこしてみてほしいです。

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