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入院患者が「最後をどこで迎えたいか」~緩和ケアの役割

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年7月30日 11時20分

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東京都医師会広報委員で国立国際医療研究センターの徳原真氏が7月23日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。緩和ケアの役割と患者との関わりについて解説した。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

在宅医療が進む現在では自宅での療養も可能

新行市佳アナウンサー)患者さんの最後の迎え方について、先生はどのようなお考えでいらっしゃいますか?

徳原)基本的には、「患者さんがどこで最後を迎えたいか」ということだと思います。ある人は家かも知れませんし、ある人は病院かも知れませんので、希望が叶えられるところで亡くなるのが、いちばんいい最後の迎え方だと思います。

新行)家に戻った場合でも、先生や看護師さんに来てもらうことはできるのですよね。

徳原)いまは在宅医療が進んでいます。訪問診療専門の先生がいますし、訪問看護専門の看護ステーションもあります。介護福祉も充実しているので、家に帰って療養を続けることができる環境になっています。

新行)お家で最後を迎えたいという方、そのご家族の皆さんはどのようなお気持ちでいらっしゃるのでしょうか?

徳原)やはり、家に勝る環境はないですよね。病院とは違って、自分がいままで住んでいたところで、慣れ親しんだ人たちと過ごすというのは大事だと思います。在宅医療も進んでいるので、ある程度、病院と同じことができる。病院にいても病状が変わらないのでしたら、お家で過ごすことを望まれているのであれば、できるようにした方がいいと思います。ただ、「病院の方が安心」という方は多いのですよ。

新行)そうなのですか。

徳原)「何かあったときに」ということで。ただ、病院にいれば何かあったときに、すぐ対応ができるかも知れませんけれど、結果として変わらないこともあるのです。心配の部分を取り除けば、お家に帰る人はもう少し増えるかも知れませんね。

徳原真氏、新行市佳アナウンサー

最悪に備えて最善を期待する

新行)そういう意味では、事前に、「どこで最後を迎えるか」ということを、しっかり家族と患者さんで話し合っておくことは大切ですね。

徳原)そうですね。それが予測されるのであれば、前もって自宅を整理するなどということも考えることができます。我々は「最悪に備えて最善を期待する」とよく言うのです。病気に関しては、「万が一」ということがあるので、備えておくことは必要ですが、そのことばかり考えるのではなく、「病気で悪くなるだろうけれど、よくなる可能性もある」ということです。最善ということも期待し、悪い状況に対しても備えるということが大事だと思います。

緩和ケアが必要なときには

新行)緩和ケアを行っている病院は、どのように選んだらいいのでしょうか?

徳原)「がん診療連携拠点病院」や大学病院などには、必ず「緩和ケアチーム」がいます。いま、ほとんどの大きな病院には緩和ケアチームがあるので、入院する際に「緩和ケアを受けたい」と言えば、そういうことにつながると思います。また病院によっては、「この人は緩和ケアが必要だな」と思えば、我々が現れます。それとなく現れて、「何か困っていることはありませんか」ということを聞きます。患者さんも緩和ケアが関わることをご存知ないですよね。

新行)そうですよね。

徳原)私たちが行くと「もう末期なのですか」とまだ勘違いする人がいるので、そういう意味ではいつでも何か困っていたら、「こういった問題がある」と病院の看護師さんなりに言ってもらえば、そういったところにはつながると思います。

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