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INORAN、Billboard Live TOKYOでのファンクラブ会員限定ライヴのオフィシャルレポートが到着

OKMusic / 2024年3月25日 18時0分

写真

(okmusic UP's)

3月14日、INORAN(LUNA SEA)が公式ファンクラブNO NAME?発足記念日を祝し、Billboard Live TOKYOにて会員限定ライヴを行なった。“PREMIUM ACOUSTIC LIVE”と題したアニバーサリー公演で、ヴォーカルとギターを担うINORAN、葉山拓亮(ピアノ)、Yui(ヴァイオリン)、島津由美(チェロ)の4人編成で、新旧の名曲群をスペシャル・アレンジで届けた。二部制で開催されたうち、レポートするのは2nd公演である。

テーブルで食事やドリンクを楽しみながらファンが開演を待っていると、バーテンダーがシェイカーを振って色鮮やかなカクテルをつくり、ピアノの譜面台横に置いた。ラグジュアリーなライブレストランならではの非日常な光景に、早くも胸の高鳴りを覚える。20時を迎え、SEに乗せてメンバーが登場。最後にINORANが姿を現すと音楽が止んで暗転。椅子に腰掛けると、寄せては返す波のようなピアノから始まるバラード「Long Time Comin」をしっとりと歌い始めた。やがてリズムトラックが加わると、アンサンブルは躍動感を増幅。INORANの歌声は熱を帯びていき、心のまま自在に節回しを変化させながら、エモーショナルに歌い遂げた。立ち上がってアコースティック・ギターを構えると、葉山とのアイコンタクトから「Fading Memory」をプレイ。ピックを使わず、弦を手で柔らかくはらうかのようにコードを鳴らし、ジェスチャーを交えながら歌い奏でた。この会場はステージと客席との間隔が狭く、最後段の座席からも距離は近い。PAを通したサウンドだけでなく、すぐそこで放たれる生の歌声、楽器の生音も同時に肌身で感じられるのが心地良かった。

「こんばんは、INORANです。3月14日は我がNO NAME?の誕生日。23年経ちまして、今日から24年目ですね。めでたい!」と開口一番に挨拶すると、ファンは大きな拍手を送った。INORANがBillboard Liveでアコースティック・ライヴ・シリーズを始動したのは2019年。そのレパートリーを初正式音源化、新曲を加えてソロ25周年の2022年にリリースした『IN MY OASIS Billboard Session』からの選曲を中心にしながら、アルバム未収録曲も織り込んで、この日のセットリストは構成されていた。お馴染みの「Daylight」に続いて、前述のアルバムには未収録の「Walk along」アコースティック・ヴァージョンを披露すると、INORANは大きく両手を広げて高らかに熱唱。どこかゴッホの「月星夜」を思わせる照明演出も幻想的で美しく、<立ち止まらずに歩いていきたい>と誓う内省的な歌詞の心象風景をイメージさせた。

チェロのクラシカルな前奏で幕開ける「raize」では、ハンドマイクでステージを動き回り、リラックスした様子のINORAN。ピアノにもたれ掛かり、カクテルグラスに指を浸して味見すると客席の笑いを誘い、自身も笑顔を弾けさせる。喉だけでなく身体全体を使って発せられている大きく朗らかな歌声からは、喜びの感情が伝わって来た。終盤はマイクスタンドに体重を乗せ、昂った歌声を響かせたINORAN。呼吸を揃えてメンバー全員で最後に音を鳴らすと、会場には大きな拍手が鳴り響いた。直後に「歌は難しいんですよ」と苦笑し、本人は思うところがあったようだが、魂のこもった熱唱は間違いなく心を揺さぶるものだった。「Billboard は、自分の声と向き合ったり、身体と、感情と向き合えたりするので、素晴らしい場所」ともコメント。より“伝わる”歌を追求する上で悩みつつも、「でも、皆にはさらけ出してもいいかな?と思って」と語り、ファンへの信頼を覗かせる。「まだ桜は咲いてないけど、いろんな想いが交錯して……久々に歌ってみたい」との言葉から、やはり前述のアルバムには未収録の「Sakura」を披露。頬をなでる風のように柔らかなタッチでギターのコードを鳴らし、INORANは叙情的なメロディーラインを優しく歌唱した。上から下へと降り注ぐような照明の動きからは、舞い散る桜の花弁を想起。MCで多くを語らなかったが、今、この曲に託してINORANが届けたかったメッセージについて、ファンは各自想いを巡らせたことだろう。

「この歌も久しぶりに」という前振りから「I‘ll be there」(前述のアルバム未収録)を放つと、間奏に乗せ「この曲をつくった時のこと、思い出しました」と語り始めたINORAN。力みのないナチュラルな歌い方が印象的だった一方で、シンガロングをファンに熱く求め、繰り返し煽っていく。合唱の声に包まれながら、ギターを弾きつつ「この歌は……今思い出しました。お母さんに書いたんです。大切な人とすれ違うこともあると思う。でも、繋がってるものがある。感謝する気持ちを、この“lalalala”“ありがとう I’ll be there”に込めた」と打ち明けた。「一生言えないかもしれない。でも、こういう歌の中で気持ちを解き放つのは大事だと思う。そういう気持ちを込めて、皆でシンガロングしましょう」「皆の大切な人を想って! もっと届けよう、大きな声で!」と熱く語り掛けたINORAN。大合唱の果てロングトーンで歌を締め括り、メンバーもそれに応えるように情熱的に演奏すると、掻き回しの末に音が止んだ。会場は割れんばかりの拍手と歓声に包まれた。続く「Rise Again」は、INORANとファンが掛け合いをする合唱が自然発生し、アットホームなムードに。心地良い温もりに溢れた一夜は、早くも終わりを迎えようとしていた。

発足24年目に突入する記念日を迎えたことに、改めて「ありがとうございます。これが当たり前じゃないってことは、重々分かってます」とファンに感謝。「僕はいろんなことをやってみたくて、それでも応援してくれた皆がいたからこそ、出来たと思います」とINORANは語り、「自分の感情を素直に出せる、受け止められる場所」だと表現。「そのためには、自分を開くこと」という一言も忘れ難い。「そういう美しい場所をつくっていくので、ついて来てね!」と呼び掛け、「Beautiful Now」を伸びやかに歌い届けた。

最後のMCで、「2024年、INORANとしてはツアーがあるし、LUNA SEAは周年でツアーがあるし、そしてBillboardはこの4人でまた12月頃に……まだ決まってないけど(笑)。やりたいな~……どうですか、Billboardさん(笑)?」とINORANがお伺いを立てると、ファンは大きな拍手で援護。「ソロを観てLUNA SEAを観て…皆と素敵なたくさんの時間を重ねられるように、願いを込めて」と、ラストナンバー「Thank You」をタイトルコール。低く構えたギターを掻き鳴らした後すっと背筋を伸ばし、歌い始めたINORANの声は清々しく凛としていた。ステージ背後の幕が左右に開き、ビルの灯りが煌めく都心の夜景が広がっていく。「今日はどうもありがとう」と挨拶し曲を終えるかと思いきや、メンバー紹介へ。島津、Yui、葉山の順でINORANはコールし、それぞれに渾身かつ圧巻のソロ演奏を披露、拍手喝采の嵐を巻き起こしていく。たしかな技術と情熱を兼ね備えたメンバー揃いの布陣であることを改めて認識する瞬間でもあった。「そしてヴォーカル&ギター、INORANでした!」と自己紹介して歌に戻り、多幸感溢れる中で終演。「今日は最高の時間をありがとうございました」と挨拶し、4人は一列に並びファンに礼をした。最後に一人残ったINORANは、「こんなINORANもいいでしょ? また会おうね!」と手を振り、晴れやかな笑顔を見せた。

35周年のアニバーサリーを迎えLUNE SEAの動きが加速する中、減速するどころかソロ活動も全速力で並走していく姿勢を示したINORAN。ファンが見つめる中、2024年に踏み出したその第一歩となるステージは、エネルギーに溢れたものだった。9~10月には、バンドセットでのツアーも決まっているという。そちらも楽しみに待ちたい。

photo by Yoshifumi Shimizu
text by 大前多恵

【ライブ情報】

『INORAN BIRTHDAY CIRCUIT ’24』
9月28日(土) 東京
9月29日(日) 東京
10月13日(日) 京都
10月14日(月・祝) 大阪

詳細はINORANオフィシャルサイトにて随時発表



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