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4年で売り上げ10倍 サントリー「ジャスミン焼酎<茉莉花>」 人気の理由を担当者に聞く

オトナンサー / 2024年4月7日 14時10分

今年9月で発売20周年を迎える「ジャスミン焼酎<茉莉花(まつりか)>」

 焼酎市場が縮小傾向にあるといわれる中、サントリー(東京都港区)が2004年に発売した「ジャスミン焼酎<茉莉花(まつりか)>」の売り上げが、2019年以降、右肩上がりとなっています。

 同社によると、茉莉花は、ジャスミン茶葉を使用した焼酎とすっきりとした味わいの焼酎を組み合わせて作った商品で、2023年の販売数量は、2019年比10倍の約14万ケース(1ケース:660ミリリットル×12本換算)だったということです。

 なぜ近年、茉莉花の売り上げが伸長しているのでしょうか。商品開発の経緯や販売数量が急増した要因について、同社スピリッツ本部 リキュール・スピリッツ1部の永尾真紀さんに聞きました。

■ジャスミン焼酎をジャスミン茶で割る飲み方が飲食店でブームに

Q.「ジャスミン焼酎<茉莉花>」の開発経緯について、教えてください。なぜジャスミン茶葉と焼酎を組み合わせたのでしょうか。

永尾さん「そもそも、焼酎には、麦や芋、米などを原料とし、単式蒸留機による1~2度の蒸留により、深い味わいに仕上がる『乙類焼酎』のほか、連続式蒸留機を使って蒸留を繰り返すことにより、すっきりした味わいに仕上がる『甲類焼酎』があります。茉莉花はこの『乙類焼酎』と『甲類焼酎』をブレンドして作っています。

当社のお客さま調査によると、甲類焼酎のプレーンな味わいやドリンカビリティ(飲み飽きない味わい)を好んで飲用されているお客さまの中には、物足りなさを感じる方が一定数いることが分かりました。そこで、こうしたお客さまに新たな味わいの焼酎を提案したいと考える中で、爽やかな香りの『ジャスミン茶』に着目しました。

その後、焼酎の本場である鹿児島県の大隅半島の酒造で、上質なジャスミン茶葉『銀毫(ぎんこう)』を使って製造した乙類焼酎とすっきりした後口の甲類焼酎をブレンドし、『ジャスミン焼酎<茉莉花>』として2004年9月に発売しました。

茉莉花は心地よい香りと清涼感が特徴で、さまざまな料理とよく合います。また、アルコール度数は20%と、ロックやソーダ割りはもちろん、ストレートでも比較的飲みやすいのが特徴です。焼酎の飲用者は年齢層が高めの方が多い傾向にありますが、茉莉花は比較的若い世代のお客さまから支持を集めています」

Q.「ジャスミン焼酎<茉莉花>」が20年も販売を続けることができたのは、なぜなのでしょうか。

永尾さん「やはり、飲みやすさが要因ではないかと考えております。実は、茉莉花は、ご家庭向けに積極的にマーケティングを行ってきたわけではなく、どちらかというと飲食店さまに細く長く愛されてきた商品でした。そのため、茉莉花の存在を知らない当社社員もいたほどでした。

ただ、ギョーザやシューマイなどのお店の料理との相性も良く、茉莉花を取り扱う飲食店さまが年々増えていき、そうしたお店で飲んだお客さまから『ジャスミン焼酎が珍しいので飲んでみたが、おいしい』『すっきりとした味わいが好き』などの意見をいただきました。一般のお客さまにも茉莉花の良さが伝わっているようです」

Q.「ジャスミン焼酎<茉莉花>」の2023年の販売数量は、2019年の10倍だったということですが、どのような要因が考えられるのでしょうか。

永尾さん「当社でも、当初はなぜ茉莉花の売り上げが大きく伸びたのか分からない状況でした。その後の調査で、諸説あるのですが、沖縄県や関西地方の飲食店が考案した、茉莉花をジャスミン茶で割った『JJ(ジェージェー)』という飲み方が人気となり、その後、全国の飲食店さまに自然発生的に広がっていった可能性があることが分かりました。

JJとは、『ジャスミン(Jasmine)焼酎<茉莉花>』と『ジャスミン茶(Jasmine tea)』の英文字の頭文字を取った用語で、この語呂の良さにより、口コミやSNSを通じて全国に広まっていったのではないかと考えられます。

また、茉莉花をジャスミン茶で割ることで、ほどよいアルコール感であり非炭酸で、飲みやすい味わいに仕上がることも、JJが広がった要因だと考えております。飲食店さまでJJを飲んでいる方の世代を調べたところ、20代と30代で約8割を占めていました。飲食店でJJを飲んだお客さまが、自宅でも飲みたいという理由で茉莉花を購入するケースも増えています。

当社がマーケティングを行って『JJ』がヒットしたわけではなく、お客さまが飲み方を考案、自然にブームが拡大したという、過去に経験したことがないこの現象は新鮮な感覚で、“JJ”という飲み方を教えていただいたお客さまに対し、感謝の思いがあります」

 永尾さんによると、茉莉花はギョーザやシューマイなどの中華料理のほか、香辛料が効いた料理と特に相性が良いということです。「これまでとは違った味わいのお酒を楽しんでみたい」という場合は、一度購入してみてはいかがでしょうか。

オトナンサー編集部

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