52歳、ストレスで突然症状が悪化。薬以外で乗り切るには【100人の更年期#29】
OTONA SALONE / 2020年1月19日 20時0分
一般に、閉経の前後5年を更年期と呼びます。日本人の閉経の平均年齢は50歳なので、45-55歳の世代は更年期に当たる人が多いもの。身体の不調に苦しみ「更年期障害」の状態に至る人もいます。
私ってもう更年期なの?みんなはどうなの?
オトナサローネは同世代の女性100人がいまどのような更年期を迎えているのか、そのあり方を取材しています。(ご本人の年齢や各種の数値は取材時点のものです)
【100人の更年期 #29】
川瀬あす子さん(仮名)/専門店勤務 52歳。手芸インストラクターとして専門店に9年間勤務した後、ハーブ・アロマ専門店に転職。 一男一女の母。子供たちが成人してから、夫との人生も満喫する予定。
仕事と家庭で不安に悩まされた40代前半
40代前半まで、健康に悩みを抱えたことはありませんでした。割とマイペースに人生を進めていましたし、大好きな手芸を扱う専門店に勤務し、新しい素材を扱うお店主催のワークショップを任されたり、公私ともにストレスがなく、順調だったんです。
ところが、43歳のとき、当時中学生だった息子がちょっと調子を崩しました。
悪いことは続くもので、それまでごくごく平穏だった勤務先でも、経営陣の交代が原因で社員同士の揉め事が急増。
この頃、私の身体にも不調が出始めました。
例えば、体調を崩しやすくなりました。急に便秘や乾燥肌が悪化し、疲れやすさにも悩まされ、冷えやすくなり、いっぽうでは頭や顔がぼっと熱くなって考えが飛ぶんです。それまでなかったむくみ、目まいも出るようになりました。
これらは全部、急にかかるようになったストレスが原因だと思いこんでいましたが、あとから考えたら全部更年期のせいでもあったんです。顔が熱くなるのってホットフラッシュですものね。
45歳で転職。新しく挑んだ分野での知識が、生活を見直すきっかけに
家族の問題や自分の不調を考え、思い切って手芸専門店から転職することにしました。無理をしないため、また、長く働くための転職です。
このとき採用されたのがハーブ・アロマ専門店でした。
販売員としてのキャリアを継続したいと思っていましたが、手芸店とハーブ・アロマではまったくの畑違い。ゼロからハーブ・アロマについて勉強し、資格も取って、心機一転の気持ちで挑みました。
ハーブ・アロマは実践的な生活に根ざしていますから、知識だけでなく自分の生活経験も生きてきます。
当時の私はまだ自分の症状を更年期障害と気づいておらず、頭痛、言いしれない不安などを緩和するために必死に対策を調べていました。
そうこうするうち、やがて自分の症状はストレスだけではなく、更年期障害か!と気付き始めたのです。
ハーブ・アロマは、薬ではないので服用は自由。私は更年期障害を持っていますから、自分の体でハーブ・アロマを試しています。なので、どういう症状をどう緩和できるかの説明がしやすく、何より自分も当事者ですから、お客様の状態の理解もしやすかったなと思います。
変化する体を調整するためのハーブとアロマは?
そもそも更年期症状と向かい合うときに必要なのは、根治ではなく、対症療法。誰しも女性ホルモン分泌は激減しますので、どんな手段でも「減った状態」に身体がうまく慣れてくれる手助けができればいいのです。
私は、自分の状態に応じて、ハーブを調合したお茶と、月見草のサプリやオイルを使って少しずつ調整しました。
また、肌が乾燥して過敏になりやすいので、季節に合わせ、好みの香りで肌触りのいいクリームを使い切る分だけ作っています。専門店にはこうしたクリームやオイルの素材を売っていて、自分で必要に応じて調合できるので、ぜひ相談してみてください。
体重は20年変化していませんが、更年期は体型というか肉の付き方が変わります。私もうっかりするとお腹が出てきます。そのままだと体重が増えすぎるかも。
だから今は無理しない程度の筋トレも始めようかと思っています。お店に立つためにひざと腰を守りたいですから。
もうひとつ、メンタルを支えるためには秘訣
私は年上の友人に更年期でのあれこれを愚痴ったりもします。彼女たちは前向きに過ごしていて「大丈夫!」って答えてくれるんです。
あとは単純に本当にきつい症状なら病院に行きなさいって言われるし、行きつけのおすすめ病院の情報をくれるんです。不安な気持ちを経験者が共有してくれるので、誰にも頼れないと落ち込んだり、不安になったりせずに済んでいます。これはラッキーなこと。更年期世代が持つべきものは年上の友人だと思います。
それでもつらいときは無理をしない! 家事を手抜きし、ゴロゴロして、娘と暇を見つけて遊びに行ったりしています。
100%で頑張らない勇気を持つ
更年期のときは不安を抱えると思います。だから真正面から向かうこともいいのでしょうけど、真面目に向かい合うこともないんじゃないか、と思ってるんです。
悩み事が大きいときって、そればっかり考えると嫌になるほど落ち込んじゃいますよね。だから視点を変えることも必要でしょう? 自分のいる場所を変えてみることもいいと思うんです。
仕事を変えたり、物理的に家の中で座る位置を変えてみたり、友人関係をちょっとこれまでと変えてみたり。
すると今の悩みやつらさ全部を100%で頑張らなくてもいいことがわかります。更年期に関わらずなんですけど、本当は7割か8割で今のところはいいっていうものが多いんです。
勇気がいるかもしれませんが、無理をしてつらくなったり、落ち込んだりしないこともとても大事だと思います。
体がじっくりと変わる時期の悩みだからこそ、100%でやらない、必死に向かい合わない、頑張って立ち向かわない。7割か8割で柔らかく対処するんです。
これも症状をひどくさせないコツだと思います。
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