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若手のお作法を注意したいが「ハラスメント」と言われるのが心配。そんなときに知っておきたい「ちょうどいい叱り方」とは

OTONA SALONE / 2024年2月29日 12時10分

40〜50代ともなると、職場の部下や年下社員にマナーや言動について目につくことが増えてくるでしょう。良かれと思って何気なく、感情的に注意してしまうと「でた、お局様」「ちょーうざい」などと煙たがられてしまいがちです。

 

とりわけ「褒めて伸ばす」で育ってきたZ世代に対して、どのような言葉を使えばいいのか……いくら正しいことを伝えても、相手が聞く耳を持たなければ、ただの「年寄りの嫌な説教」としてスルーされてしまいます。

 

そこで今回は、角が立たずにうまく効果的にマナーを伝えるコツを、ビジネスマナーに詳しいマナーコンサルタントの西出ひろ子さんに教わります。

 

「挨拶をしない若手」にうまい具合に注意をするには、どういう言葉が適切なのか?

職場で日々、次のような部下や若手社員の目に余る言動を目の当たりにして、いてもたってもいられなくなっていませんか?

 

・挨拶をしない
・寝坊遅刻をする
・仕事の期限を守らない
・間違った敬語を使っている
・態度や言葉遣いがよくない
・報告・連絡・相談をしない
・身だしなみがよくない
・お茶出しやお菓子配りの仕方、給湯室の使い方が雑

 

これらのことを直接、注意したいとき、どんな風に伝えていますか?

 

まずは若手が「恐怖にかられる」ベテランの行動を考えてみます

40〜50代ともなれば、職場で何か目立った言動をしてしまうと、若手社員から「お局さまこわい」と思われてしまったり、煙たがられてしまったりすることも。ボタンの掛け違えが起きたまま接すると、場合によってはハラスメントと捉えられ、訴え出られてしまうこともあるかもしれません。

 

特に次のような注意の仕方は、批判されがちです。なぜよくないのでしょうか。西出さんに理由を解説していただきました。

 

1.男性社員よりも女性社員ばかり注意する

「男女という性別で明らかに差がついていること自体が問題と感じます。注意のポイントが偶然にも結果的に女性社員ばかりだったのか、それとも『女性だから』という理由でそうなっているのかで、NG判定は変わってくるでしょう。明らかに『女性だから』という理由がわかるようであれば、女性には厳しい、男性にいい顔をしたいという思いがあるのではないかと思われ、批判の対象になりやすくなるでしょう」

 

2.愚痴や陰口を言う

「マナーの本質は『相手の立場に立つ』です。自分が愚痴や陰口として伝えられたらどう思うかを考えてみましょう。自分がされて嫌なことは、人にはしない、人には言わないということもマナーです。伝えたいことがあれば、正々堂々と本人に伝えて、愚痴や陰口ではない手段で良好なコミュニケーションへ改善させましょう」

 

3.自分のことを棚に上げて注意する

「これは『自分も同じことをやっている』ことに気付けていないことが問題ですね。できていないのにできていると思い込んでいるのかもしれません。マナーはできている人ほど謙虚ですし、学び続けます。『私はできているわ』と言う人ほど、できていないことが多いのです」

 

4.そのときの気分によって感情的に注意する

「仕事をしていれば、注意をすることもされることもあるでしょう。しかし、その注意は会社やお客様、最終的にはその相手にとってビジネスとしてプラスになるから注意をするわけです。気分や感情的に注意をすることは、明らかに自己中心であり、マナーの欠如と言っても過言ではないでしょう」

 

5.「そんなこともできないの?」と見下しながら言う

「前述の通り、マナーとは『相手の立場に立てるかどうか』が大きなポイントです。自分では一所懸命行っていることなどに対して、見下しながら言われたらどうでしょうか。良い気分にはなりませんよね。これでは注意された相手も改善したい気持ちが起きてきにくいでしょう」

 

次ページ>>>マナーを指摘するときに「批判されない」伝え方とは?

指摘しにくい若手のマナーを「角を立てずに注意する」5つのポイントは?

そこで西出さんに、マナーを指摘するときの、あとから批判されないうまい伝え方を教えていただきました。

 

1. まずはお詫びの一言から

「『ごめんなさいね。本当はこんなこと伝えたくないんだけど』と本来はこのような細かいことまで言いたくないといった気持ちを伝えるために、まずはお詫びの一言から伝えると良いでしょう。お局様であっても、注意をすることで嫌われたくはないはずです。注意をする目的はそれを改善してもらうためのことですから、伝えたことを素直に受け入れ、改善してもらうという目的を達成するための一言として伝えてみましょう」

 

2. 共感の一言から

「『私も同じことよくやってしまうんだけど』『私もできていないかもしれないけど』『完璧な人はいないんだけど、これはね……』など、注意を伝える前に自分も完璧ではないという内容を添えることで共感の要素が入るため、相手のネガティブな気持ちは好転するでしょう。注意をされたことに対してネガティブな感情を引きずっていると注意をしたことに対する根本からの改善に至らないことがあります」

 

3. 謙虚な一言から

「私自身も『アラ還』でお局的立場にありますが、自分が以前も注意をしたことがあるのを失念していることがあります。ですので、『以前にも伝えていたら申し訳ないんだけど』などの一言を伝えると、相手も素直に注意を聞き入れる気持ちになれることでしょう」

 

4. 感謝の一言から

「注意をする前に、相手に感謝することからスタートしてみるのも一案です。具体的に感謝することがない場合でも、『〇〇さん、いつもありがとう』だけでも構いません。『ありがとう』と言われてマイナスな気持ちになる人はほぼいないでしょう。相手の心の扉が開いている状態で注意事項を伝えると受け入れてもらえやすくなります」

 

5. 締めはフォローの一言を

「注意をされた人の立場に立ってみましょう。多かれ少なかれ、誰でも落ち込みますよね。しかし注意をするという行為は、相手を落ち込ませるために行うことではありませんから、伝え方としては最後にプラスの言葉で相手を励ましたりすると良いでしょう。伝え方の手順は『プラス+マイナス+プラス』です。

例えば『1.褒める、2.注意をする、3.励ます』という順番です。これを私は『ハンバーガー話法』と名づけ、主に注意をするときのコミュニケーション話法として伝えています。

例を挙げると、『いつも率先してお茶出しをしてくれてありがとう。一つ、気になることがあるんだけどいいかしら?給湯室の流しはできるだけ綺麗にしてから終わりにすれば、次に使う人が困らないと思うのよ。昨日ね、お茶の出がらしの入った急須がそのまま流しに置かれていたから、ちょっと気になったの。○○さんなら後片付けまできちんと気づいて行ってくれると思うからお願いね』など。褒める・励ます内容は臨機応変に考えて伝えてみてください」

 

前編記事では若手の行動を注意する際の言葉選びについて教えていただきました。つづく後編記事では注意する際の心得について伺います。

 

つづき>>>では、「怒りをぶつけるのではなく、冷静に注意する」とき、上手に部下を指導するために知っておきたい「心得」って?

 

≪ライター 野村 昌美さんの他の記事をチェック!≫

 

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