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安室奈美恵、永遠の歌姫がいまあのチェックのスカートをはいたワケ

OTONA SALONE / 2018年9月21日 21時0分

平成のディーヴァ、安室奈美恵が9月16日に引退しました。

 

女性芸能人が無名のまま終わるか、それともスターとして大成するかどうかは、才能はもちろんのこと、時代性や応援してくれる力の強さ(事務所など)があるでしょうが、もう一つのポイントは家族、もっと言うと母親との関係だと思うのです。

 

女性スターの背後にいる母親像とは・・・

家庭は少し貧しいくらいがいい。ステージママでなくてもいいけれど、母親が芸能活動に理解があること。一族からスターが生まれても、スターもその家族もお互いに批判的な意見を持たない家庭から、スターが生まれると私は思っています。

 

たとえば、松田聖子。「ミスセブンティーンコンテスト」で優勝を果たした聖子ですが、両親が反対することは目に見えていたので、オーディションを受けたことも話せなかったと「オーラの泉」(テレビ朝日系)で話していました。母親は最初こそ反対していたものの、しだいに応援してくれるようになり、父親も説得してくれます。

 

聖子の母親は現在、聖子の個人事務所の社長を務めていますが、「女性自身」(光文社)によると、介護が必要な母と同居するために聖子は家をリフォームしているそうで、家族仲が良いことをうかがわせます。

 

それに対し、「スター誕生」史上、最高得点を叩きだした中森明菜は、芸能界入りが叶わなかった母親の無念をはらすため、七回目の挑戦でやっと合格したそうです。

 

娘が悲願のスターになってめでたしめでたしかというとそうでもなく、親兄弟が明菜の財布をアテにして、勝手に事務所に借金をしてしまうなど、金銭トラブルに見舞われます。「女性自身」によると、明菜は中森家から戸籍を抜いてしまったそうで、家族への不信感は相当根深いと見ることができるでしょう。

 

売れれば取り巻きは格段に増えるでしょうが、その人たちが信頼できるかというと首を傾げざるを得ない。そう考えたとき、血縁を信頼したいと思うのが人情です。母親との関係がいい女性芸能人は、いざという時のふんばりがきくのではないでしょうか。

 

タブーと化した母親の事件とは・・・

そう考えた時、どうにも不思議なのが、アムロちゃんなのです。

友達のつきそいで行ったアクターズスクールで校長にスカウトされたことがアムロちゃんのデビューのきっかけとなっていますが、母親は月謝が払えないということで辞退しています。結局、特待生として授業料は免除してもらったそうですが、アムロちゃんは学校までの道のりを片道1時間以上かけて歩いて通ったそうです。

 

アムロちゃんのお母さんは「約束―わが娘・安室奈美恵へ」(扶桑社)を出版していますが、デビューが決まって東京に行こうとする娘を必死で止めたという描写からは、芸能界に入れたくないという気持ちが感じられます。売れるわけがないとお母さんは思っていたそうですが、社会現象と言われるまでにアムロちゃんはブレイクします。

 

いいことがあると、悪いことがあるのはスターの宿命。バツイチのお母さんは再婚をしていましたが、著書を出版して半年後に再婚相手の弟に車でひかれ、ナタで殴られ殺害されてしまうのです。犯人は服毒自殺したので、なぜこんな事件を起こしたのか、真相は藪の中です。アムロちゃんの精神的打撃は大きく、「AERA」(朝日新聞出版)によると、この時は本気で引退を考えたそうです。

 

母親を亡くしたアムロちゃんに、不運は重なります。離婚をしてシングルマザーとなり、恩人である小室哲哉プロデュースから離れ、セルフプロデュースを開始します。小室サウンドに慣れたファン層は、この変化が受け入れられず、セールスは一時的に低迷します。安室奈美恵は終わったと書き立てる週刊誌もありました。

 

しかし、ここで終わらないのがアムロちゃんのすごいところ。R&Bやhip hopよりの曲を発表することで新境地を開拓し、新にファンをつかんでいき、トップに返り咲きます。スターに引退はないと私たちは思いがちですが、昨年、アムロちゃんは引退を発表します。

 

NHKドキュメンタリー「安室奈美恵 告白」によると、10代のころから、いつかは引退すると考えていて、本当は20周年を迎えたころに引退をしたかったけれど、調整がつかなかったと、引退が思いつきではないことを明かしました。

 

こういう番組では苦悩を語ったほうが盛り上がるのでしょうが、アムロちゃんはそれをしません。引退後の新しい生活が楽しみとほほ笑む姿からは、芸能界にまるで未練がないように感じられました。

 

ほとんどテレビに出ないアムロちゃんですが、引退直前のインタビューが9月12日の「あさイチ」で放送されます。面白いことを言って目立とうという意味のサービス精神がないアムロちゃんですが、私が注目したのはアムロちゃんの衣装でした。白いブラウスとチェックのスカートです。

 

それはまさに「あの時代」だった。次ページ

20年前の結婚会見でも、アムロちゃんはチェックを着ていた

今から20年前、アムロちゃんは結婚を発表した際、バーバリーのチェックのスカートを着ており、アムロ効果でこのスカートがバカ売れしたと言うのは、アラフォーのみなさん、ご記憶ではないでしょうか。「あさイチ」の衣装はどこのブランドのものかは不明ですが、深読み職人の私には、このスカートが息子さんへの愛情表現に感じられるのでした。引退は、20年前の結婚と出産と同じように、おめでたいことだというメッセージに感じたのです。

 

20年前出産したお子さんは、今はハタチ。仕事をしながら、ひとりでお子さんを育て上げるのは並大抵の苦労ではなかったはずですが、無事成人させたということで、ある種の責任を果たし、節目を迎えたということになります。

 

NHKの「ニュース・ウォッチ9」のインタビューに答えたアムロちゃんは、「ママの息子でよかったと思ってもらえるように」仕事にむきあってきたと言います。早くに思いがけない不幸で母親を亡くしたアムロちゃんは、他の芸能人のように守ってくれる母親はいなかったかもしれない。けれど、彼女をここまで支えてきたのは、自分が母親という事実だったのかもしれないと思うのでした。

 

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