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「集中が続かなくてつらい」状態から抜け出す5つの方法

PHPオンライン衆知 / 2024年4月2日 0時0分

集中力を高める方法

テレワークが始まったころは、これまでと違う環境での仕事で捗った人もいたのではないでしょうか。しかし、慣れてしまえばテレワークのほうが出勤するより誘惑が多く、集中できない......なんてことも。

さらには、進捗確認のためのチャットや電話がひっきりなしになって、まとまった時間が取れない! とお困りの方こそ必見。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ワトソンワイアットなどの外資系コンサルティング会社を経て独立した大嶋祥誉氏は、集中の概念を変えることで、劇的に効率が上がると話します。

※本記事は大嶋祥誉著『マッキンゼーで学んだ 時間の使い方がうまい人の一瞬で集中する方法』(PHP研究所)の内容を一部抜粋・再編集したものです。

 

細切れの「集中」を体得するべし

私が提唱するのは、「一カ所に閉じこもって一心不乱に何かに打ち込む」というタイプの集中ではありません。むしろ真逆です。それは「ちょっと集中してちょっと休む、集中しない集中」です。

大事なのは、その集中できる10分あるいは15分をフルに使って集中すること。そして、集中できなくなったら休むこと。いわば「細切れの集中」です。

集中できる時間には個人差がありますが、私の周りにいる多くの大学教授やビジネス界で活躍する人たちは、この「細切れの集中」を非常にうまく活用しています。

ミドルマネージャークラスの人からよく聞く悩みとして、「集中して仕事をしたいのに、部下からしょっちゅう連絡が入って集中できない」というものがあります。
子育て中の人から、「子供の世話に忙しく、集中するためのまとまった時間が取れない」という話もしばしば聞きます。

でも、それでいいのです。「集中するためにまとまった時間を取る」、そして「頑張って長時間、集中状態を保つ」という発想を捨ててしまいましょう。それがむしろ、あなたの集中力を奪ってしまっているのです。

集中力を高めようと努力すればするほど、長時間にわたって集中しようとすればするほど、質の高い集中はできなくなるからです。

なぜなら、それは「疲れてしまうから」。疲れた状態で「集中しなければ......」と焦ってしまうと、本来はやる必要もないこともやらなければならないと勘違いしてしまい、あれもこれもと手をつけてしまう。

結果、やることばかりが増えて、まったく前に進まない。「どうしよう、どうしよう......」となって、時計を見ると、もう夜の12時を回ろうとしている――。そんな「悪魔のサイクル」といった状態に追い込まれてしまいます。

あなたは眠る直前に急に不安が押し寄せてきて、「あれ、あの件はどうなっていたかな」「あっ、あれもやっておかないと!」「これもやっておかないと!」と、次から次へと懸念事項やTODOが思い浮かぶという経験をしたことがありませんか。

それを「冴えている」と表現する人もいますが、私に言わせればそれは「冴えている」というより「疲れている」から起こる現象です。そして、少しきつい言い方になりますが、そうやって思い浮かんだことの8割は余計なことだったり、取り越し苦労だったりするのではないでしょうか。

だからこそ、「集中しよう!」と意気込まないこと。そして、集中できないときはまず、「あ、自分は疲れている。休まなければ」と割り切ることです。集中できない状態で集中しようとしたり、不安にさいなまれながら何かをやろうとすると、かえって疲れが増していつまで経っても集中できません。

「集中が途切れたときこそ、集中しようとしない」それこそが大嶋流集中術の「大原則」です。

 

マッキンゼーと一流企業で習得したナレッジ

ここで、私が日ごろ行っている習慣を、5つ紹介したいと思います。

・頭がいっぱいになったら書く

仕事に追われていたり、済ませたはずの仕事の不安が襲ってきたりして、目先のことに集中できないことがあります。そんなときにおすすめしたいのが「ジャーナリング」という手法です。

感情や雑念というのは、頭の中にしまってしまうからこそ滞留してしまうもの。そこで、頭に浮かんだことをすべて、紙に書き出してしまうのです。それだけで、驚くほど頭が整理され、集中力が回復します。

TODOだけでなく、プライベートの悩みも含め、すべて書き出しておきます。書き出してみると意外と「悩むほどのことでもないな」ということに気づくこともあるでしょう。

書き出すだけでも十分効果がありますが、私の場合、書いた紙を破り捨ててしまいます。悩みがふと浮かんできたら書きなぐり、すぐに破る。それを何度も繰り返すのです。そうすることで、体内から負のエネルギーが外に出て行くのを感じます。いわば、トイレに行くのと同じことですね。

ちなみに同じような効果は、人に話すことでも得られます。友達でもメンターでも、信頼できる人に話すとよいでしょう。

 

・モノを徹底的に排除する

心のノイズを取り払うためには、「視界のノイズ」も取り払う必要があります。
私は机の上に置いてあるのは、パソコンと時計だけです。あとは、視界には基本、何も入ってきません。モノがあると、意識はせずともそれがノイズとなり、集中を妨げてしまうからです。

いわゆる「ミニマリスト」になる必要はありませんが、少なくとも何かをする際に視界に入るものは極力少なくするようにしましょう。それが、心のノイズを取り払うことにもつながります。

「机が汚くても仕事ができる人は多い」という反論がありますが、私は「そういう人は、机を整理すればもっと仕事ができるようになる」と思っています。

とはいえ、実は私も昔はかなりの片づけ下手でした。10年ほど前に一念発起して片づけを開始し、今ではかなり片付いた状態をキープすることができています。

部屋に空間(余白)ができると、「今、自分に必要なものは何か」が見えてきます。そして、必要なものだけを揃えようとするので、自然とモノも少なくなり、部屋の余白がキープされるのです。

 

・一日一度、一人の静かな時間を持つ

職場では多くの人に囲まれ、家でも家族の世話に追われ......という人は、なかなか一人になる時間がないかもしれません。しかし、集中力を高めるためには「一人になる」時間を一日一度、必ず作ってほしいと思います。

一番おすすめの方法は、都会から離れて、森や海といった自然豊かな場所に行くことです。でも、そんな時間がないという人は、近くの公園に行って、10分でいいので自然の中に身を置いてみてください。当然ですが、スマホを眺めたりはNG。できれば電源も切ってしまいましょう。

なぜ、一人の時間を作ると集中力が高まるのか。私はその理由を「ノイズをシャットアウト」できるからだと考えています。

たとえるなら、いまの私たちは嵐のときの海面のような状態で、上へ下へと揺られて、どこに向かっているのかすらよくわからない混乱の中にいるようなものです。

そんなときでも、海面下は比較的穏やかで、深く潜れば潜るほど、地上の嵐がウソのように思えてきます。その「深く潜る」時間こそが、一人の時間だと思うのです。

公園に行く時間さえない、という人は、会議室にこもったり、屋上やベランダなどに出てみるということでもいいでしょう。そうして一人になってからまた戻ってくると、世界が少しだけ違って見えることに気づくはずです。

 

・不要なものを見極める――判断する量を減らす

「判断の量」は集中力に大きな影響を与えます。人間が一日にできる判断の量は限られている。だから、なるべく判断の量を減らすことが、集中力を保つコツになります。

そこでおすすめしたいのが、「仕事以外の判断をなるべく減らす」ということ。
たとえば私は、朝ごはんに何を食べようかと判断しなくて済むよう、毎朝「ご飯とお味噌汁と納豆」と、同じものを食べています。

着る服もなるべく決めており、「プレゼンの日は、ワンピースにジャケット。普段の仕事着はこれで、あとは毎日色を変えていくだけ」と決めています。

ちなみにこれを徹底していたのが、かのスティーブ・ジョブズ氏で、黒のタートルネックとリーバイスのジーンズを毎日着ていました。着るものに悩むのは無駄だと考えていたからだというのは有名な話です。

小さなことにも思われるかもしれませんが、小さな判断が積み重なると、夕方頃には疲れ切ってしまいます。当然、集中もできません。集中力が続かない、という人は、「自分は余計なことまで判断しようとしていないか」と、一度振り返ってみてください。

 

・見るべきメールはタイトルで判断

我々の判断量のキャパシティを著しく消費してしまっているものがあります。それは、「メールやチャットの処理」です。私もそうですが、一日に100件を超えるメールを処理しなくてはならない、という人も多いことでしょう。

ただ、実際にはそのうち、本当に重要な判断が迫られるメールはそれほど多くないはずです。しかし、来たメールを片っ端から読んで処理しようとすると、「このメールは返信しなくていいな」「この処理は後でもいいな」という判断をしなくてはならず、これも「1判断」とカウントされてしまいます。

特に問題なのは、朝一番でメールを処理しようとすることです。朝一番という一番頭が冴えている時間帯、しかも、これから重要な仕事を始めようというタイミングで、「メール処理」に判断力を使ってしまうのは、極めてもったいないのです。

そこで、朝イチで来たメールを片っ端から開くのは、やめてしまいましょう。まず、タイトルだけを見て「どのメールだけ読むべきかを判断する」。これなら、「1判断」で済みます。そして、その結果として「このメールは読んだほうがいいな」と思うものだけ処理するのです。

もちろん、タイトルだけでは判断できないこともあるはずで、「放置していたら実は緊急の要件だった」ということもあるでしょう。それによって相手に迷惑がかかることもあると思います。でも、即レスにこだわって自分のアウトプットが低いものになってしまったら、結局は相手にも迷惑をかけることになってしまいます。

そして、朝には朝にしかできないことに注力する。私も朝一番冴えている時間帯にはメール処理をせずに、コンテンツを作成したり、重大な決断をすることにしています。

「朝、とりあえずすべてのメールを開く」という習慣を持っている人は、それをやめるだけで朝イチの集中力が違ってくると思いますよ。

 

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