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株価上昇時に高値づかみする人の共通点

プレジデントオンライン / 2019年3月23日 11時15分

※写真はイメージです(写真=iStock.com/Gearstd)

■日経平均乱高下で、最近ブルーになっている人へ

日経平均株価は2018年10月をピークに下落を続けており、クリスマスと年明けには2万円を割る場面も見られ、ブルーな気持ちで新年を迎えた方も多いのではないでしょうか。

この下落は米中関係の緊張に端を発した、世界経済の先行き不安から起こったものであり、国内のファンダメンタルズ(企業業績)は堅調に推移していたと見られています。

ただ、ここしばらく続いた「バスに乗り遅れてはいけない」というムードが強かった上昇相場からの反転は、経済的・精神的なダメージも大きかったことでしょう。

こういった際にアドバイスしたいのは「まずとにかく落ち着いて」ということ。

私はFPとして独立して20年以上になりますが、その間、株価は上がったり、下がったり。そのたびに個人投資家の大多数は、上昇局面で「買わなきゃ損」と高値づかみをし、下落局面で「早く手放さなきゃ」とあわてて損切りに走ります。基本的に、人間のやること、考えることは変わらないのだと痛感します。

株価が下落するときは急激に下がるのが常であり、冷静さを欠いて取引するのは機関投資家のいいカモです。

投資額も情報量も少ない個人投資家がプロである機関投資家に勝つのは難しいです。

しかし、個人投資家だけが持っている最大の強みがあります。それは「短期で結果を求められないこと」です。

そのため、多くのFPは資産形成として長期投資を勧めています。その目的は、じわじわと自分の資産を右肩上がりに増やしていくこと。相場が悪くても売買をしなければ評価額こそ減るものの、懐が痛むことはありません。相場が反転し、プラスになるのをじっと待つこともできます。

そして、積立投資をしているのであれば、とにかく愚直に積み立てを続けること。ドルコスト平均法の効果が最大限に発揮されるのは株価が下落したときなのですから。これは投資の基本ともいえる初歩的なことですが、パニック状態ではそのことも忘れてしまいがちです。基本を忘れた者が戦場に立てばどうなるか、言わずともわかるでしょう。

株価が急落した際は、自分のリスク許容度をチェックするいい機会です。上昇相場の際は気が大きくなり、追加投資するパターンがよく見受けられます。しかし子どもの教育費や住宅購入資金など、使用目的が決まっているお金にまで手をつけてしまうと、下落した際に取り返しのつかない事態を招いてしまいます。上がっても慢心は禁物です。

ポートフォリオをこまめにチェックし、金融資産をリバランスするとともに、どのくらいまでなら投資に回して大丈夫なのかを再確認し、絶対になくなってはいけないお金は預貯金や個人向け国債などの安全性の高い資産に分けて持っておくようにしましょう。

一方で、下落相場はファンダメンタルズの良い銘柄を割安で買うチャンスでもあります。ただし、下落局面ではそれが底値とは限りません。どれだけお値打ちに見えても1度に買うことは控え、時期を分散して投資することを心がけましょう。

また、値動きが気になって仕事に支障が出るほど株価をチェックする、下落相場で眠れないくらい不安を感じてしまう人は、思い切って投資をやめるorいったん休むのも一手。「休むも相場」の投資格言通り、相場全体が見えなくなったら休むことも大事な投資の要素なのです。

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黒田尚子
ファイナンシャルプランナー
CFP1級FP技能士。日本総合研究所に勤務後、1998年にFPとして独立。著書は『50代からのお金のはなし』など多数。

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(ファイナンシャルプランナー 黒田 尚子 構成=プレジデント編集部 写真=iStock.com)

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