「田舎の親が認知症に」帰省できない人の対処法

プレジデントオンライン / 2019年9月8日 6時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/CasarsaGuru

2025年には700万人に達するといわれる認知症患者。家族はどんな準備をしておけばいいのか。今回、7つのテーマに分けて専門家に聞いた。第2回は「支援ネットワーク」について――。(全7回)
▼支援ネットワーク
認知症カフェ、家族会……まずどこに頼ればいいか

■ホームページで専門医の検索も

認知症と診断された人や家族への支援ネットワークや相談窓口で、代表的なのは地域包括支援センターです。介護についての総合相談窓口の役割を担っていて、社会福祉士、保健師、主任ケアマネジャーなどの資格を持つ職員が、専門性を生かして高齢者本人やその家族への相談対応をしています。

認知症と診断された時点で、まだ介護保険の認定を受けていなかったら、介護保険の申請を行います。介護保険の認定を受けるには、親が住んでいる自治体の役所に本人や家族が申請します。子供が遠方に住んでいてすぐに親元に行けない場合は、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所が親を訪問して手続きを代行してくれることもあります。

すでに介護保険の認定を受けている場合は、「要支援」の方は地域包括支援センター、「要介護」の方は担当のケアマネジャーに相談しましょう。担当のケアマネジャーがいても、地域包括支援センターに相談することができます。

■家族が遠方で暮らしている場合

気軽に利用できるのが、患者とその家族が集う「認知症カフェ」です。全国で数百カ所がボランティアなどの手で運営されています。認知症の本人と家族が訪れて、家族同士、専門職や地域の人とも交流、情報交換しながら支え合う場所として活用されています。コーヒーやお茶代程度の負担で参加できます。どこで開催しているかは、地域包括支援センターや役所で聞くことができます。

Getty Images=写真

認知症カフェよりもう少し深い関わりが期待できるのが、全国組織の「公益社団法人認知症の人と家族の会」です。地域のサロンのような形で定期的に集まり、そこで困りごとを相談し合い、悩みを分かち合うことができます。全国から通話無料でかけられるフリーダイヤルで電話相談も受け付けています。また、この会のホームページでは、認知症の専門医を検索できるようになっています。介護者はとにかく孤立してしまうことが多いので、こういう形で介護者同士がつながり、支え合うことは重要だと思います。

民生委員が機能している地域なら、民生委員が本人や家族の相談相手になってくれることがありますし、高齢者の見守りをしてくれる場合もあります。

全国社会福祉協議会にも、判断能力が十分でない人が地域で安心して生活を送れるようにする「日常生活自立支援事業」というサービスがあります。福祉サービスの利用やお金の管理を手伝ってくれたり、通帳・権利書などの保管、入出金の代行など、判断能力に不安のある人が使うサービスです。1時間当たり1000円程度かかりますが、家族が遠方で暮らしている場合は、知っておいたほうがいいでしょう。

一方、理想論として「高齢者は地域で見守るべきだ」といわれることがありますが、ご近所といっても善意の人ばかりではないことに注意すべきです。認知症の人に、そうとわかっていながらたくさん買い物をさせたり、悪徳工務店が勝手に家に上がりこんでリフォームをしたり、という悪い例もあります。「地域に委ねる」だけではいけないのです。

▼孤立しがちな家族こそ支え合いを

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太田 差惠子(おおた・さえこ)
介護・暮らしジャーナリスト/NPO法人パオッコ理事長
遠距離介護、仕事と介護の両立、介護とお金などの視点で情報を発信。『親が倒れた! 親の入院・介護ですぐやること・考えること・お金のこと 第2版』など著書多数。

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(介護・暮らしジャーナリスト/NPO法人パオッコ理事長 太田 差惠子 構成=生島典子)

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