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セカンドライフを謳歌しすぎて「貯蓄がみるみる減る地獄」に陥った老夫婦の末路

プレジデントオンライン / 2020年2月22日 11時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/PredragImages

お悩み:夫71歳、妻63歳。年金暮らし。2人の子どもは社会人。結婚費用や趣味の旅行代などで、貯金は年々減っている。住宅ローン(月の返済6万円、残債500万円)の繰り上げ返済をするべきか、1200万円の貯金で投資をするべきか。

相談者の年金は夫が月18万円、妻が6万円と平均以上の年金を得ていても、理想のセカンドライフを謳歌すれば、思わぬ早さで貯蓄が目減りしていく。貯蓄を増やそうと投資を始める人も多いが?

■スポーツジム、車、読まない新聞は解約

「投資は不確実なもの。生活費を投資に委ねるのは危険です」と経済コラムニストの大江英樹氏はシニアの投資に警鐘を鳴らす。

「投資をするな、とは言いません。しかし、まず投資の目的を考えるべきです。投資には『稼ぐ』と『購買力を維持する』の2つの目的があります。前者はリスクをとって大きく儲けようとする投資のこと。これは大きく損をすることもあり、高齢者には勧められません。一方、高齢者にとって一番大事なのは購買力を維持することです。年金はある程度物価と連動する仕組みになっていますが、預貯金をそのまま放置しておくと、減る一方で購買力が落ちてしまいます」

購買力の維持を考える場合、最も適しているのは、物価連動型国債だが、現在、個人が購入するには投資信託を通じてでしかない。

「あるいは『個人向け国債変動10年』です。最低1万円から投資でき、物価上昇による購買力の低下を防ぐことができます。発行後1年経てば解約も可能で、途中解約しても元本割れしません。リスクをとる投資は、こうして十分な蓄えを確保できたときだけ。たとえば、世界中の株式に分散投資できる楽天証券の『全世界株式インデックスファンド』などに資産の一部を回すのもいいと思います」

■「稼ぎ続ける」という選択肢が浮上

そのうえで、いまだ続いている住宅ローンの返済をどうするか。「繰り上げ返済はしなくていいでしょう。やはり、もしものために現金は確保しておいたほうがいい」。すると必然的に、「稼ぎ続ける」という選択肢が浮上してくる。

「私の家に投函されていたポスティングスタッフ募集のチラシを見ると、週3日・自宅周辺・24時間フリーシフトで報酬は月3万円から、週4日以上・5時間以上・自転車利用でエリアを広げると月10万円とありました。探せば住宅ローンを返済するくらいの仕事は見つかるはずです」

時間だけはたっぷりある70代。のんびり稼ぐことで、無理しない働き方ができるだろう。

「現役世代は忙しくて時間がないから、『時間をお金で買う』んです。図書館にいく時間がないから、値段が高くてもネット書店で注文してしまう。でも年をとったら『お金を時間で買う』生活に逆転させましょう。地方は難しいですが、都心に住んでいれば車もいりません。車の維持費だけで年間40万円はかかります。普通は電車を使えばいいし、タクシーに乗っても、年間40万円も使うことはまずないでしょう」

あわせて支出の見直しを進めよう。スマホ契約時についてきた不要な有料オプションや通わないジムを解約し、読まない新聞代もカットしよう。

「老後の理想は、公的年金の範囲内で生活費をまかない、働いて稼いだお金は旅行など人生の楽しみのために回すことです。退職金やそれまで貯めたお金には手をつけず、医療や介護、そして将来、高齢者向け施設への入居資金にとっておく。少しでもこの三段構えに近づけてください」

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大江英樹
経済コラムニスト
専門分野はシニア層のライフプランニング、資産運用および確定拠出年金、行動経済学など。大手証券会社で定年まで勤務した後に独立。著書多数。

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(エディター/ライター 東 雄介)

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