総務部の社員がゼロから副業を始めて本業より稼げたワケ

プレジデントオンライン / 2020年7月10日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/takasuu

サラリーマンが副業で稼ぐにはどうすればいいか。ビジネスオーナーの俣野成敏氏は「ある総務部の社員が社労士の資格を取って副業を始めると、サラリーマンの収入を超えるようになった。自分の技術はそのままに、“顧客を再定義”したのだ」という——。

※本稿は、俣野成敏『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)の一部を再編集したものです。

■ネット上の「稼げます!」で、本当に稼いでいるのは誰か

「仕事が忙しいし、時間もないから、手っ取り早くお金が稼げる方法はないかな?」……多くのサラリーマンは、このように考えているかもしれません。

実のところ、世間によくある副業の実態とは、どのようなものなのでしょうか。私が『サラリーマンを「副業」にしよう』を執筆するにあたって、方々に取材を行った際、実際に聞いた生の声をピックアップしてみたいと思います。まずはJさんの事例です。

Jさんは、インターネットで見つけたアフィリエイトの副業で、お金を稼ごうと思い立ちます。自分のブログを開設して、転職の経験をもとに転職サイトのアフィリエイトをしたり、自己啓発系の文章を書き、そこに学習教材の広告を添付したりしました。

アフィリエイト収入は、クリック課金制で、1クリック300円。しかし、書くネタがなくなると、架空の話をでっち上げるようになります。当然、反応は悪くなり、「労力に見合った収入を得られない」と感じたことから、Jさんはアフィリエイトをやめました。

続いて今、流行りのポイントゲットはどうでしょうか? Yさんの事例です。Yさんは、「無料で始めて月に10万円稼げる」という自己アフィリエイトを始めました。自己アフィリエイトとは、自分でサービスに申し込んだり、商品を購入したりすることでポイントを貯め、それを換金するサービスのこと。

Yさんは最初、「報酬が高額だ」という噂のFX口座を開設し、条件の取引を行ったところ、なんと1万円分のポイントをゲットします。これに気をよくしたYさんは、次々に口座を開設しますが、どれも所定の取引を行う必要があり、結構な損失を出してしまいました。

そこで、今度は「有線の資料を請求するだけで、980円がもらえる」というサービスに申し込みます。ところが、先方から確認の電話が入り、申し込むつもりはないと返答したところ、アフィリエイトを完結できず、ポイントゲットとはなりませんでした。結局、自分の時間と手間を考えると、Yさんも、ほとんど稼ぐことができませんでした。

これらの副業は、どれも今、ネット上で「稼げます!」「大金を手にしました!」と宣伝されているものです。しかし私は取材中、「実際に稼いでいます」という人に会うことはできませんでした。こうした商材のすべてがウソではないにしても、稼いでいるのは、他ならぬ情報を流している人たち自身なのです。

■オススメは「個人事業主になること」

ところで、副業を始める際に、ぜひ知っておいていただきたい考え方があります。キャッシュフロー・クワドラントといいます。これは、『金持ち父さん貧乏父さん』(筑摩書房)のベストセラーで名高いロバート・キヨサキ氏が提唱した新しい概念です。キヨサキ氏によると、「世の中のすべての職業は、究極的には4つに分けられる」といいます。

それが、

・従業員、サラリーマン=Employee(Eクワドラント)
・個人事業主、自営業者=Self Employed(Sクワドラント)
・ビジネスオーナー=Business Owner(Bクワドラント)
・投資家=Investor(Iクワドラント)

この4つです。

実は、キャッシュフロー・クワドラントは「何をお金に換えているのか?」ということを表しています。サラリーマンと個人事業主は、自分の労働をお金に換える職業であり、ビジネスオーナーと投資家は、お金を投じることで、お金を増やそうとする職業、ということになります。

サラリーマンとは通常、会社に所属し、会社の名前と商材を使ってビジネスを行い、売上の一部を分け前(給料)としてもらっています。対する個人事業主とは、自分の名前でビジネスを行います。裸一貫で始め、諸経費や税金以外は全部自分のものにすることだってできます。 副業を始める際、私のオススメは、この個人事業主になることです。

サラリーマンと個人事業主は、労働をお金に換える際に、必ず消費するものがあります。“自分の時間”です。自分の時間を使うということは、「時間が収入のアッパーになる」ことを意味します。ですから、クワドラントの知識がないまま副業を始め、収入を増やそうとすれば、必然的に働き過ぎてしまうことになります。実際、副業調査を行うと、多くの人が「睡眠時間が少なくなった」「体調を崩した」などと回答しています。

■副業を成功させるには、“顧客の再定義”が必要

前回もお話しした通り、サラリーマンが副業で稼ごうと思ったら、高単価を目指すことがポイントです。高単価が取れる仕事としては、技術をウリにするか、オリジナリティのあるものなどが基本になります。社労士のFさんの事例を挙げてみましょう。

もともと、ある会社の総務部で働いていたFさんは、仕事の役に立つと考え、自主的に社労士の資格を取りました。するとある時、自己啓発セミナーで知り合った税理士から「顧客で社労士を探している人がいるけど、どう?」と声をかけられます。

こうしてFさんは、副業として社労士を始めますが、せっかくなので、税理士とビジネスパートナー契約を結びました。税理士から顧客を紹介してもらい、契約が成立した時点で税理士に紹介料を支払う、というものです。やがて、副業収入がサラリーマンの収入を超え、Fさんは独立しました。

もう1例は、WebライターをしているTさんです。Tさんは、もともと靴屋の販売員をしていましたが、もっと販売力をつけようと、人生初の営業系セミナーに参加します。すると、講座の中でメキメキ頭角を現し、セミナー講師を手伝うまでになりました。

Tさんは、講座の資料づくりから始まり、ついにはセミナー講師のメルマガも書き始めます。実は、通信制の大学に通って3年間以上も論文を書いていた筆力を、師匠によって認められたのです。Tさんは、昼間は靴の販売員をこなしながら、夜はメルマガを書き続けました。やがて師匠から正式に仕事の発注を受けたTさんは、副業を本業に変えたのです。

副業を検討する際のポイントは、「自分の中の何がビジネスになるのか?」ということと、「誰が自分の顧客なのか?」「その人はどこにいるのか?」ということです。

先ほどお話ししたように、サラリーマンとは会社の業務を請け負う代わりに、売上の一部を分け前としてもらっている職業です。独立したFさんやTさんは、仕事の請負先を会社から自営業者に変えました。このようにして、自分の技術はそのままに、“顧客を再定義する”ことが、個人事業を始める際のキモなのです。

■「誰でもできる仕事」で自分の時間を埋めてはダメ

俣野成敏『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)
俣野成敏『サラリーマンを「副業」にしよう』(プレジデント社)

お伝えしたいのは、「ご自分の貴重な時間という資源を、簡単に誰でもできる仕事で埋めてはいけない」ということです。サラリーマンが年々、厳しくなっているのは事実です。それは企業に余裕がなくなってきているからです。今後、人が移動しない活動自粛が常態化すれば、ますます利益を出すのが難しくなっていくでしょう。

これをお読みのあなたには、考える時間的余裕がある今のうちに、将来に向けての準備を進めていただきたいと考えています。もし、「何を副業にすればいいのかわからない」「自分の顧客の見つけ方を知りたい」「ビジネスパートナーと知り合う方法は?」などをお知りになりたい方がいらっしゃいましたら、ぜひ1度、拙著『サラリーマンを「副業」にしよう』を手に取ってみていただければと思います。

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俣野 成敏(またの・なるとし)
ビジネス書著者/投資家/ビジネスオーナー
30歳の時にリストラに遭遇。同時に公募された社内ベンチャー制度で一念発起。年商14億円の企業に育てる。33歳で東証一部上場グループ約130社の中で現役最年少の役員に抜擢、さらには40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。独立後は、フランチャイズ2業態6店舗のビジネスオーナーや投資家としても活動。投資にはマネーリテラシーの向上が不可欠と感じ、その啓蒙活動にも尽力している。自著著書に『プロフェッショナルサラリーマン』が12万部シリーズ、共著に『一流の人はなぜそこまで、◯◯にこだわるのか?』などがある。

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(ビジネス書著者/投資家/ビジネスオーナー 俣野 成敏)

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