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「すべての仕事が3倍速になる」仕事の生産性が簡単に上がる3つのテクニック

プレジデントオンライン / 2021年11月10日 9時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/lkunl

仕事を3倍速で済ませるには、どうすればいいのか。世界的コンサルティング企業・マッキンゼーに14年間勤めたコンサルタントの赤羽雄二さんは「まずは『すべての仕事は3倍速くできる』という目標を立てることだ。そのうえで必要なテクニックを洗い出す。具体的な方法に落とし込んで実現を目指せば、必ず成し遂げられる」という――。

※本稿は、赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)の一部を再編集したものです。

■「ああいうふうになりたい」と思える上司がやっていること

以前は、圧倒的に仕事の速い上司・先輩が身の回りにいて、衝撃を受けるとともに、「ああいうふうになりたい」と思ったものでした。

赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)
赤羽雄二『最強の「独学」仕事術』(宝島社)

最近は上司・先輩が全体的に「小粒」になったようですし、もしスピードが速い場合でもZoomミーティングだとそのすごい迫力が伝わることはほとんどなくなりました。

一方、本当に仕事ができ、ITもフルに活用できている一部の人は、以前よりさらに仕事のスピードが加速しています。自分だけではなく、グローバルのチームを不思議なほどうまく率いて結果を出しています。

それに負けてはいられません。高い基準を自ら設定して、チャレンジしていただければと思います。

 

■すべての仕事は3倍速くできる

結果を出すには自分の仕事のスピードだけ速くしてもうまく回りません。部下やメンバーのスピードを上げ、チーム全体の生産性を上げなければならないからです。

そのためには、自分の仕事のスピードを本気で速めることが必要です。ありとあらゆる工夫をし続け、圧倒的なスピードを自ら体現します。口ではなく、背中で見せることが、部下・メンバーを駆り立てます。

部下が驚くほどのスピード。しかも雑な仕事ではなく、部下が感動するような全体観、知見、洞察力、緻密さ。これは部下のためでもありますが、上司としての自分のためになります。

上司の仕事が遅いのに、部下にだけスピードを要求しても説得力がありませんし、あきれられるだけだからです。

背中で見せて感動させたうえで、「すべての仕事は3倍速くできる」と言い続け、それが実現するまで個別に、具体的に助言し、加速してもらいます。「自分はそういうアドバイスをされたことがない」と思っても、それとこれとは別です。

■あらゆる仕事は着手から最後まで改善の余地あり

これまで大小とりまぜ、国内外の多くの企業の経営改革支援をしてきました。

1万人を超える方々とのやりとりや支援を通じて、スピード感の欠如、過剰な品質追求、意思決定の遅さ、資料作成の膨大な作業、上司からの度重なる差し戻し、延々と続く長時間の会議などの結果、いかに仕事が遅くなり、いかに過剰に時間をとられているかを目の当たりにしてきました。

本人の意識としても、会社の仕組みとしても、仕事のスピードの問題に本気で取り組んでいるところはほとんどないと思います。仕事の着手から最後まで、ありとあらゆるレベルで改善余地が大きくあります。

いっぽう、私はマッキンゼーでの14年間、またその後の20年間を通じて、何度も劇的にスピードアップせざるをえない状況に追い込まれ、工夫して切り抜けてきました。

そこでは元の自分に比べて何倍ものスピードアップを経験しました。クライアントへの支援時には、圧倒的なスピードで経営改革をリードしていきます。

これらを考えると、部下・メンバー全員を駆り立てていく仕組みがどうしても必要ですし、またそれは可能だと考えています。「すべての仕事は3倍速くできる」という目標で全員をリードしていくのです。

これを言い続け、創意工夫をし続けることで、実際にスピードアップの楽しさ、重要さを体感してもらいます。

部下に要求することで、自分へのプレッシャーにもなり、さらに自分自身も加速することができるようになります。

■3つのスキルで格段にスピードアップ

部下やメンバーのほとんどは、仕事のスピードについて上司よりずっともやもやを抱えているものです。問題把握・解決力も十分ではないので、スピードアップをしようとしても思うようにはいきません。

この問題への解決策があります。3つの重要スキルである、「A4メモ書き」「単語登録」「資料再利用」をチームメンバー全体に最初にトレーニングし、成長するためのベースを作るとともに、スピードアップを習慣化することです。

これは、新たなメンバーが増えたら再度実施します。

「A4メモ書き」は、毎朝のチームミーティングで10分、10ページを目安に実施すると効果的です。Zoomでも十分できます。5ページはチームの共通課題、たとえば顧客獲得、費用削減、品質不具合改善などに関して同じテーマを設定して書きます。

黒の背景にクリップボード付きのホワイトペーパー
写真=iStock.com/voyata
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/voyata

あとの5ページは、各自が自由に悩みを書いたり、多面的に書いたりするパートとします。前半は書いたA4メモを見ながらチームの課題解決についてディスカッションします。

後半については個別の内容というより、「書いてみた発見や感想」を共有する程度にとどめます。A4メモは本来、自分のために書くものだからです。間違っても上司が取り上げて見たりしてはいけません。

■MTGで一緒に200以上の単語を登録する

PCのユーザー辞書に「単語登録」は仕事のスピードアップに不可欠ですが、上司が言うだけだとなかなか登録しません。ですから、チームミーティングで一緒に200以上登録するとよいと思います。

社名、部署名、会社住所、主要顧客、関連技術、主要商品、販売店など、チームメンバー全員が登録すべきものは一覧にしてチームに参加した時点で登録します。

それ以外は必要に応じて登録し、チームミーティングでは、どういう単語登録をすると効果的だったかなどを発表して、さらにノウハウを蓄積します。

みな最初は面倒くさくて単語登録を嫌がりますが、いったん数十以上登録すると実際便利で気持ちいいので、チーム全体の底上げにつながります。

そして「資料再利用」ですが、全員が「再利用フォルダ」をデスクトップに用意し、自分が再度利用できそうな資料のファイルを保管するようにします。上司が自身の「再利用フォルダ」を見せて、その便利さをぜひ伝えてください。

わかりやすく生産性が高まることであっても、自主的にはなかなかやらない部下・メンバーが大半ですね。みんな、いろいろな理由をつけて放置しがちです。

Google Docsで共有フォルダと共有ファイルを活用できますが、私のおすすめは、その中で利用頻度の高いものは自分のPCのデスクトップに置いてすぐに使えるようにすることです。結局はそのほうが探す手間もかからず早いです。

みなで一つのファイルを修正するのにが便利ということになっていますが、一部の仕事以外、本当に生産性を上げているのか、それとも逆に管理が煩雑になっているのかという点については吟味したほうがいいでしょう。

■月1回のベストプラクティス共有会を継続する

さらに、部下・メンバーのスピードを3倍に加速するには、どういう工夫をしたか、どうすればうまくいったのかの「ベストプラクティス共有会」を月1回開催するのがおすすめです。

ベストプラクティス共有会では、とくに工夫している部下のよい事例を発表してもらいます。それにより、発表者のやる気はとても高まり、他のメンバーへの助言、コーチングも勝手にしてくれるようになります。

上司として手を煩わせることなく好循環が生まれますので、一度試されるとよいと思います。

何点か工夫したほうがよいのは、

【1】発表してもらう事例はパワーポイント2、3ページにまとめてもらい、ノウハウの表現などにフィードバックをしてわかりやすい資料にしておく(これにより、わかりやすさがぐんと上がる)

【2】月1回のベストプラクティス共有会は1時間弱で、毎回2~3人に発表してもらう。1人の発表は5~7分程度とし、その後5~10分を質疑応答とする。最後に総括として全員でオープンなディスカッションをする

【3】続けているとネタ切れになることもあるが、その場合でも、毎回2人をなんとか確保して、ベストプラクティス共有会の開催自体はできるだけ継続することが望ましい(習慣化するため)

【4】上司が普段から働きかけて、スピードアップ上の工夫を奨励しておく

というような点です。

【従来の落し穴】
●上司自身の仕事が遅く、部下に尊敬されていない
●部下・メンバーのスピードアップに具体的な助言ができず、改善が進まない
●部下・メンバーの改善意欲が低く、リーダーのビジョンに共感してくれない
●「A4メモ書き」をチームで始めたが、忙しさにかまけていつのまにかストップした
●「単語登録」を一度はやってみたが、継続した新しい単語の登録にまでは手が回らない
●「資料再利用」をいつも強調するが、結局またゼロから作ってしまう
●「ベストプラクティス共有会」は最初のうちはよかったが、ネタ切れしてしまった
【独学チェックポイント】
□「すべての仕事は3倍速くできる」と言い続けているか
□「A4メモ書き」「単語登録」「資料再利用」を徹底し、実行させているか
□「ベストプラクティス共有会」を定期的に開いて、チーム全体の底上げを図っているか

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赤羽 雄二(あかば・ゆうじ)
ブレークスルーパートナーズ マネージングディレクター
東京大学工学部を1978年に卒業後、小松製作所で建設現場用ダンプトラックの設計・開発に携わる。1983年よりスタンフォード大学大学院に留学し、機械工学修士、修士上級課程を修了。1986年、マッキンゼーに入社。2002年、「日本発の世界的ベンチャー」を1社でも多く生み出すことを使命としてブレークスルーパートナーズを共同創業。著書に『ゼロ秒思考』『速さは全てを解決する』(ダイヤモンド社)、『マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング』(宝島社)、『成長思考』(日本経済新聞出版社)、『アクションリーディング』(SBクリエイティブ)などがある。

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(ブレークスルーパートナーズ マネージングディレクター 赤羽 雄二)

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