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「クソッ、クソッ、クソォ!」メンタルの強さが一瞬で4割増しになる"ちょっと下品な方法" 

プレジデントオンライン / 2023年8月24日 13時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/kuppa_rock

心がくじけそうなとき、もうひとふんばりするにはどうすればいいのか。心理学者の内藤誼人さんは「『クソォ!』と声に出すのが効果的だ。ある実験では、汚い言葉を口にしていると、性別を問わず我慢強くなるという結果が出ている」という――。

※本稿は、内藤誼人『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)の一部を再編集したものです。

■ハッピーに過ごすには「畏敬体験」をする

人生を楽しく過ごしたいのなら、ぜひ「畏敬体験」をしてください。

畏敬体験という言葉は聞き慣れないと思いますが、鳥肌が立つような、ちょっぴり恐れを抱くような、心が震えるような体験のことです。

たとえば、信じられないくらい大きな滝を見に行ったり、満天の星空を見上げたりしたときに感じるのが畏敬体験です。

スタンフォード大学のメラニー・ルッドは、「エッフェル塔にのぼってパリを見下ろす」という畏敬体験をイメージさせてから、あるいは「普通の塔にのぼって平凡な風景を見る」という体験をイメージさせてから、各自の人生満足度を聞くと、前者のほうが人生満足度を高く評価するようになった、という報告を行っています。

畏敬体験をすると、私たちは、とてもハッピーな気持ちになれるのです。

「なんだか毎日がつまらない」
「私の人生は味気ない」

もしそんなふうに感じているのだとしたら、ぜひ畏敬体験をしてみましょう。

ものすごく大きな仏像とか、東京スカイツリーのような大きな建物とか、1000年以上の歴史のあるお寺とか、大きな橋とか、そういう場所を探して出かけてみるのです。

■自分がどんな対象に感動するのか知っておく

「おっ、これはすごいな!」と感じられるものであれば、なんでもかまいません。美術館や博物館もおススメです。そういう場所には、素晴らしい絵画や彫刻など、いろいろな作品がいくらでも展示されていますからね。絶対に、畏敬体験をできるはずです。

出かけるのが億劫なのであれば、テレビのドキュメンタリー番組でもいいかもしれません。どこまでも広がる砂漠や、光の届かない深海のような映像を見ていると、やはり心が震えると思います。

人によって、何に畏敬体験を感じるかは違うと思いますが、心を震わせて、感動できるというのは素晴らしいことです。そういう体験を月に1回くらいずつするようにすれば、人生が味気ないなどと感じることもなくなります。「生きているって、素晴らしい」と感謝できるようになります。

ヨーロッパのお城を見るとすごく興奮するとか、巨大な戦艦を見ると感激するとか、自分がどんな対象に畏敬体験をするのかを知っておくといいですよ。そういう写真や画像をスマートフォンに保存しておけば、自分の好きなときにいつでも感動できますからね。そういう楽しみをつくっておくことが、人生を楽しむコツです。

■おびえるより、怒るほうがうまくいく

あなたが自分の実力に見合わないほど重要な仕事をまかされたとしましょう。年齢を無視した大抜擢なのですが、こういうとき、たいていの人は素直に喜ぶことができません。

「自分にうまくできるのだろうか?」
「失敗したら、どうしよう……」

そんなふうに考えて、おびえや恐怖のほうを強く感じてしまうのです。

こうしたケースにおいては、恐怖よりも「怒り」を出すようにするとうまくいくかもしれません。「チクショウ、こんな仕事に負けねえぞ!」「実力不相応でも、やっつけてやる!」と勇ましいことを考えるようにするのです。

怒りの感情は、リスクを感じにくくしてくれます。

恐怖に負けそうになったときには、できるだけ怒るようにしたほうがいいのです。

刃物を持って暴れている人がいたら、たいていの人は恐怖を感じると思うのですが、「ふざけたことをしやがって」と怒りを感じた人は、刃物をものともせずに勇敢に立ち向かっていくだろうと心理学的には予想できます。恐怖よりも怒りがまされば、リスクも感じなくなるのです。

■アメリカ同時多発テロ事件の直後に行われた実験

カーネギーメロン大学のジェニファー・ラーナーは、アメリカ同時多発テロ事件(2001年9月11日)が起きた直後の9月20日に、全米からランダムに選んだ973名(13歳から88歳)にお願いして、ある実験をしてみました。ある人には怒りを、またある人には恐怖について聞いてみたのです。

カーネギーメロン大学
カーネギーメロン大学(写真=Cbaile19/CC-Zero/Wikimedia Commons)

「テロリストは私たちにさまざまな感情を抱かせました。私たちは、特に、あなたを『怒らせた』ことに興味があります。できるだけ詳しくあなたの感じた『怒り』の感情を教えてください」

別の条件では、「怒らせたこと」の箇所が「恐怖を感じたこと」に、「怒り」の箇所が「恐怖」に置き換えられていました。

この操作がすんだところで、旅行で事故に巻き込まれるリスクや、自分が乗っている飛行機が墜落するリスクなどを見積もってもらうと、怒りの感情を思い出してもらったグループでは、あらゆるリスクを低く見積もりました。怒りを感じると、リスクを感じにくくなったわけです。

怖いと感じたときには、それを怒りの感情に置き換えるようにするといいかもしれません。そうすると恐怖を感じにくくなるからです。スポーツでも、ビジネスでも、怖いと感じたときには、「チクショウ、負けねえぞ」を口に出してみてください。意外に効果的だと思いますよ。

■もうひとふんばりするコツは「ののしり言葉」

人間の心はとても弱いものですが、それでも歯を食いしばって頑張らなければならない状況はいくらでもあります。だれにでも、「今日中にどうしてもこれだけは終わらせておきたい」と思うことがあるのではないでしょうか。

心がくじけそうなとき、もうひとふんばりするコツを知っておくと、とても便利ですよね。

「そんなに都合のいい方法があるのか」と思われるかもしれませんが、実はあるのですよ。ちょっと品のない方法なのでご紹介するのもはばかられるのですが、いざというときのお守り代わりに覚えておくとよいかもしれません。

その方法とは、汚い言葉を口にするのです。人をののしるときに使う言葉なので、「ののしり言葉」とも呼ばれています。アメリカの映画を見ていると、登場人物が口にする「ファック!」とか「シット!」という言葉がそれにあたります。日本語で言えば、「クソッ!」でしょうか。

先ほど怒りの言葉を口にすると恐怖に打ち勝つことができるとアドバイスをしましたが、怒りの言葉は、人を我慢強くさせ、もうひとふんばりさせるときにも効果的な言葉なのです。

■汚い言葉を口にしていると男女問わず我慢強くなる

英国キール大学のリチャード・ステファンズは、しびれるような冷たさの水の入ったバケツにできるだけ手を突っ込んで我慢してもらうという過酷な実験をしてもらったことがあります(最大5分間)。限界だと思ったら手をバケツから出すのです。

【図表1】過酷な実験に我慢できた時間
出典=『すごく使える心理学テクニック』

ただし、その際、半分のグループには、ののしり言葉を口にしてもらいました。「クソッ、クソッ、クソォ~!」という感じでしょうか。残りの半分のグループは、黙ったままで我慢できるまで耐えてもらいました。我慢できた時間を計測すると、図表1のようになりました。

汚い言葉を口にしていると、男性でも女性でも、我慢強くなることがわかりますね。

つらいことをするときには、どうも汚い言葉が効果的らしいです。重いものを運ばなければならないとか、つらい仕事をするときには、「クソォ~!」と声に出すのがいいようですね。

ちょっと下品な方法ですが、“こんな方法もある”ことを知ってもらうためにご紹介しました。

■暑い日には外に出ないほうがいい

太陽がジリジリと照りつける日には、だれでも、イライラ、ムシャクシャするものです。したがって、真夏の暑い日には、なるべく外に出ないのが賢明です。「君子、危うきに近寄らず」という古人の教えもありますよね。

暑い日にフラフラと外を歩いていると、おかしな人にからまれて、暴力事件に巻き込まれるかもしれません。車のドライバーもイライラし、乱暴な運転をするので、交通事故に巻き込まれる可能性も高くなります。

暑い日には、とにかく外に出ないこと。

フロリダ国際大学のエレン・コーンは、ミネアポリス警察の2年間の犯罪データ(銃やナイフを使った強盗や誘拐など)を3万6617件調べる一方、気象情報サービスで気温も調べました。その結果、気温が高くなるほど犯罪が増えることがわかったのです。

また、デューク大学のリチャード・ラリックは、メジャーリーグの5万2293試合で、ピッチャーがデッドボールを当てる回数と気温の関係を調べてみましたが、気温が高くなるほどピッチャーはデッドボールを当てる確率が高くなることがわかりました。

メジャーリーグのピッチャーは、プロですよ。プロなのですから、当然、メンタルコントロールも訓練しているはずなのですが、そういうプロのピッチャーでさえ、気温が高いときにはイライラして、バッターにボールをぶつけやすくなるのです。

■気温が高い年には戦争や内戦が起きやすい

暑い日には、外に出ないほうがいいという私のアドバイスも理解していただけたでしょうか。

そうそう、気温が高い年には、戦争や内戦なども起きやすいというデータもあります。

内藤誼人『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)
内藤誼人『すごく使える心理学テクニック』(日本実業出版社)

コロンビア大学のソロモン・シャンは、1950年から2004年までの気象データを用い、エルニーニョ現象(海面水温が高い)と、ラニーニャ現象(海面水温が低い)の発生と、政治的な混乱(内戦・内乱)の関係を調べてみました。

その結果、エルニーニョ現象が発生している年には、ラニーニャ現象が起きた年に比べて政治的な混乱が2倍も起きることがわかったそうです。

暑い年には、人の心は暴力的、攻撃的になりやすいので、それが政治的混乱の引き金になることもあるのですね。こういうときには、よほど注意していないと、おかしなことに巻き込まれてしまいますので要注意です。

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内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者
立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表。慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、心理学の応用に力を注ぎ、ビジネスを中心とした実践的なアドバイスに定評がある。『心理学BEST100』(総合法令出版)、『人も自分も操れる! 暗示大全』(すばる舎)、『気にしない習慣』(明日香出版社)、『人に好かれる最強の心理学』(青春出版社)など著書多数。

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(心理学者 内藤 誼人)

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