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メジャーリーガーが愛用するにはワケがある…口に入れるとストレス解消に直結する魔法のアイテム

プレジデントオンライン / 2024年3月20日 17時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/peepo

仕事でストレスを感じたら何をすればいいか。心理学者の内藤誼人さんは「ガムを噛みながら作業をすると、ネガティブな気分になりにくく、ストレスが減り、注意力も減らず、作業のパフォーマンスが向上することがわかっている。だからメジャーリーガーは心を落ち着かせるために、打席に立つとくちゃくちゃとガムを噛む。職場の雰囲気として問題なければ、ガムを噛みながら仕事をするといい。ストレスも吹き飛ぶだろう」という――。(第3回/全8回)

※本稿は、内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■ネガティブ思考を「モノ」と同じように扱い処分

ネガティブ思考を頭の中から消そう、消そうとしても、そんなに都合よくはいきません。「もう考えるのをやめよう」と思っても、なかなかそういうわけにはいかないものです。

では、どうすればいいのかというと、ネガティブ思考を「モノ」と同じように扱い、ゴミを捨てるように行動的に処理するのです。

スペインにあるマドリード自治大学のパブロ・ブリノールは、83名の高校生に、3分間で、自分の体についてイヤだと思っているところを紙に書いてもらいました。

「目が一重なのでイヤ」
「足が短いところがコンプレックス」
「お尻が大きすぎる」

などのようにです。

さて、こうしてネガティブな気持ちになってもらったところで、ブリノールは参加者を2つに分けました。

ひとつは、ゴミ処理条件。こちらは、自分が先ほど書いた紙をビリビリに破ってからゴミ箱に捨てるように求めました。

もうひとつはコントロール条件で、自分の書いた紙をもう一度読み直して、スペルチェックをするという意味のないことをしてもらいました。

そのあとで、自分の体のセルフイメージについて、好き嫌いや魅力的だと思うかどうかを尋ねてみました。

すると、書いた紙をビリビリに破った人たちのほうが、書いた紙を読み直してスペルチェックをした人たちよりも、セルフイメージがよくなることがわかったのです。

■紙に書いて丸めて「ネガティブ思考が消えた」と自分に言い聞かす

ですから、ネガティブな思考が頭に浮かんだら、まずはそれを紙に書いてみましょう。十分に書き出したところで、その紙をグシャグシャに丸めたり、あるいは細かくちぎったりするのです。

そういう行動をすることで、「はい、これでネガティブ思考が消えた!」と自分に言い聞かせるのです。単に「ネガティブ思考をやめよう」というより、行動的に処理したほうが、ネガティブ思考は消えやすくなります。

【図表】ネガティブ思考を処分する方法
出典=『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』

言うまでもなく、私たちの思考というものは物質ではないので目に見えませんが、紙に書き出すことで、まるでゴミを処分するように消すことができます。

ネガティブなことばかり考えてしまう人は、ぜひこの方法を試してみてください。ネガティブ思考を消すための「儀式」として、ものすごく役に立つ方法ですし、科学的にもその有効性が確認されているので、安心して活用いただけますよ。

■仕事を終えたら、ひと汗かいてから帰宅する

最近は、24時間営業のスポーツジムが増えました。もし帰宅途中にスポーツジムがあるのなら、ぜひ会員登録をして、毎日ひと汗かいてから帰宅するようにしましょう。

仕事でどんなにストレスを感じたとしても、仕事あがりにスポーツをすれば、勤務時間中に溜まりに溜まったストレスをスッキリ解消してから帰宅できます。24時間営業のジムであれば、残業で遅くなっても通うことができるのもありがたいですね。

イギリスにあるサリー大学のジョン・ルークは、石油会社とIT企業の社員46名(平均35歳)への調査によって、仕事の後にスポーツをすると、疲労が消えてスッキリした気持ちになり、元気ややる気も復活することを確認しました。ストレスというものは、汗と一緒に追い払うことができるようですね。

フットサルやバレーボールなどのサークルに入ってみるのもおすすめです。とにかくスポーツをして身体を動かすのはよいことですから。

仕事で疲労困ぱいしているわけですから、さっさと自宅に戻って横になりたいという気持ちはわからなくもありませんが、疲労困ぱいしたままで自宅に戻っても、疲労はなくなりません。自宅に戻る前に、汗と一緒にストレスも吹き飛ばしておくのが正解です。

■ストレスを抱えているのは運動不足の可能性

いったん家に帰ってからスポーツジムに行こうとするのはあまりおすすめしません。

なぜかというと、自宅に戻ってから再び外に出るのはとても億劫に感じてしまうからです。たいていの人は、「今日はジムに行かなくていいや」と自分を甘やかしてサボってしまいます。

【図表】ストレスは帰宅前に解消してしまう
出典=『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』

ですから、どんなに疲れていても、帰宅する前にさっさと運動をして汗を流してしまったほうがいいのです。

とにかく汗をかけばよいので、スポーツジムでなくともかまいません。自宅のそばにスイミングスクールがあるのなら、そこで泳ぐのもよいでしょうし、空手や剣道の道場が帰宅途中にあるのなら、そちらを選んでもよいでしょう。

たいていストレスを抱えているのは、運動不足の人。

メンタルが弱くなっているのも、やはり運動不足の人です。

できれば毎日、最低でも週3日から4日は運動をしていれば、そんなに心が病むこともありません。運動していれば、ストレスはきれいに解消できるものだからです。

スポーツをすると、身体を動かすので健康にもよいですし、ストレスもなくなるので肌もツヤツヤになっていきます。

さらに肥満予防にもなり、その結果として異性にモテるということもありますし、一石二鳥どころか、一石三鳥、一石四鳥くらいの効果が見込めるのです。

■クラシックを聴いて心を癒す

音楽を聴いていると心が休まります。優れた音楽には、癒しの効果があるからです。とはいえ、「具体的には、どんなジャンルの音楽を聴けばいいの?」と疑問に思う人もいると思いますので、その答えをお教えしましょう。

癒し効果の高いジャンルは、心理学的にいうと「クラシック」です。

カリフォルニア大学のスカイ・チャフィンは、まず参加者に2397という数字から13ずつ引き算をさせることで、実験的にストレスを引き起こしました。

2397、2384、2371と暗算で答えていくのはかなり頭を使います。しかも30秒ごとに、実験者は「もっと速く!」と焦らされるのです。これは、かなりのストレスです。

さて、十分にストレスを感じさせたところで、次の4つのグループに分けました。

①音楽を聴かず、ただ静かに待つグループ
②クラシック(パッヘルベルの「カノン」とヴィヴァルディの「四季」からの第一楽章「春」)を聴くグループ
③ジャズ(マイルス・デイヴィスの「フラメンコスケッチ」など)を聴くグループ
④ポップス(サラ・マクラクランの「エンジェル」など)を聴くグループ

音楽を聴いてもらったあとでストレス回復効果を調べてみると、クラシックを聴いた参加者だけが、血圧がはるかに早く正常に戻りました。

ジャズやポップスはというと、残念ながら音楽を聴かずにただ静かに待っていた場合と同じくらいの効果しかありませんでした。

この実験ひとつだけで結論を出すのはかなり強引だと思いますが、心を癒すために音楽を聴くなら、一応のところ、クラシックがよいとアドバイスしたいと思います。

どんなジャンルの音楽を聴けばいいのか迷ったら、この話を思い出してください。

■ガムを噛んでいるとストレスを感じにくくなる

少し品のない方法なので、お話しするかどうか迷ってしまうのですが、ストレス解消法のひとつとして「ガムを噛むとよい」という話に触れておきましょう。

メジャーリーガーは、打席に立つときに、くちゃくちゃとガムを噛んでいます。

「なんだか品がないな」と感じる人もいると思うのですが、ガムを噛むことにはちゃんとした理由があります。

バッターは、心を落ち着かせるためにガムを噛んでいるのであって、別にふざけているわけではありません。

日本の場合、勤務時間中にガムを噛んでいたら、生意気だとか、不真面目だなどと上司に怒られそうですが、休憩時間などにちょっとガムを噛むくらいなら許してもらえるでしょう。

もし職場の雰囲気として問題ないようでしたら、ぜひガムを噛んでください。そうすれば、ストレスも吹き飛ばせます。

オーストラリアにあるスウィンバーン工科大学のアンドリュー・スコーレイは、40名の実験参加者にガムを噛みながら作業をさせると、ネガティブな気分になりにくく、ストレスが減り(だ液中のコルチゾールで測定)、注意力も減らず、作業のパフォーマンスが向上するという結果を得ました。

ガムを噛みながら仕事をしていれば、そんなにストレスも感じないのです。

■歯を噛みしめるよりガムを噛む

リモートで働く人は、自宅で仕事ができますから、気兼ねなくガムを噛むこともできます。多くの人にとって、これはありがたいことでしょう。リモートワークが普及したことには、こういう恩恵もあるわけです。

内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)
内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)

なぜガムを噛んでいるとストレスを感じにくくなるのかというと、噛むという動作には、身体の活力を引き出す効果があるからです。

「歯を食いしばって頑張る」という表現もありますが、ぎゅっと歯を噛みしめると、身体にはパワーがみなぎり、エネルギッシュな人間になれるのです。

実際のところ、ガムを噛まなくとも、歯を噛みしめるだけで身体には活力が満ちあふれてくるのですが、そうすると歯をこすり合わせなければならず、どんどんすり減ってしまうので、歯を傷めないようにガムを噛むのです。

手元にガムを持っておらず、とはいえどうしても全力を出したいというときには、ぎゅっと奥歯を噛みしめてみましょう。一気に身体に力が満ちてくるはずです。

ただし、ずっとこれをやろうとすると歯を傷めてしまうので、本当に「ここぞ」というタイミングだけに限るのがよいでしょう。

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内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。著書に『いちいち気にしない心が手に入る本:何があっても「受け流せる」心理学』(三笠書房)、『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『世界最先端の研究が教える新事実心理学BEST100』(総合法令出版)、『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(明日香出版社)、『羨んだり、妬んだりしなくてよくなる アドラー心理の言葉』(ぱる出版)など多数。その数は250冊を超える。

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(心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長 内藤 誼人)

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