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これを食べれば記憶力が向上しメンタルが強くなる…調理せずすぐに食べられ日持ちもする"無敵の食材"

プレジデントオンライン / 2024年3月23日 15時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ozgurdonmaz

ストレス耐性を高める食事は何か。心理学者の内藤誼人さんは「『野菜と果物をたっぷりと食べ、お肉ではなく魚にして、なるべく砂糖をとらない』という地中海式ダイエットは、肥満を予防できるだけでなく心の健康も向上させる。たくさんの研究があり、うつが大幅に改善されたり、認知機能が高まる、記憶力が向上する、アルツハイマーを予防できるといったさまざまな効果が得られている。生の魚は傷みやすいので、おすすめはサバの缶詰をたくさん買っておくことだ」という――。(第6回/全8回)

※本稿は、内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)の一部を再編集したものです。

■ムシャクシャしたときほど、食事に注意

私たちは、ストレスを感じるとジャンクフードを食べたくなります。高脂肪で砂糖たっぷりのお菓子を食べると、一時的に幸せな気持ちになれるからです。てっとり早くストレス解消ができるので、多くの人がそうしてしまいがちです。

しかし、高カロリーのジャンクフードばかり食べていたら、だれでも肥満になってしまいます。そして肥満になると、自分の姿に自信が持てなくなり、自己嫌悪に陥ります。そのため、さらにストレスが高まってしまう、という悪循環にはまってしまうのです。

テキサス大学のジャクリーン・ハースは、5つのクリニックで相談を受けている3181名の女性に、どれくらいストレスを感じているかを尋ねる一方で、「この一週間で、マクドナルドやバーガーキングなどのファストフードを何回くらい食べましたか?」「コーラやペプシのような炭酸飲料をどれくらい飲みますか?」という質問をしてみました。

すると、ストレスを感じている人ほど、ファストフードや炭酸飲料をたくさん消費していることがわかりました。

■おいしいものでも食べすぎればストレスの悪循環

同じような結果は、イギリスにあるリーズ大学のダリル・オコナーによっても報告されています。

オコナーは、平均40.32歳の女性422名に、1カ月間、食べたものとストレスについての記録をとるようにお願いしました。

その結果を分析したところ、仕事でストレスを感じた日、つまり、だれかに批判されたり、無視されたり、あるいは大勢の前でプレゼンをしなければならなかった日ほど、高脂肪で砂糖たっぷりのスナック菓子の消費が増えることが明らかにされたのです。

もちろん、甘いものや高カロリーなものは一切禁止、とまでは言いません。私だって、ストレスを感じたときには、チョコレートやバニラアイスをたくさん食べてしまうタイプですから。

ただし、食べすぎには気をつけてください。毎日、職場でストレスを感じるからといって、毎日、甘いものを食べる習慣ができているような人は要注意です。

おいしいものを食べて、一時的に気分がよくなるように思っても、そのうち肥満になると、余計に疲れやすくなり、ストレスを感じやすくなるので気をつけなければなりません。

1週間のうち、2回とか3回くらい甘いものを食べるのであれば問題はないと思いますので、適度にとどめておきましょう。

【図表】ストレスの悪循環
出典=『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』

■地中海式の食事は心の健康にも効く

地中海式ダイエットというものがあります。ギリシャやイタリアの国々の人たちが食べているような食事を参考にしたダイエットです。

地中海式ダイエットといっても、何か特別な食材を用意する必要はありません。野菜と果物をたっぷりと食べ、お肉ではなく魚にして、なるべく砂糖をとらない、という食事をすればいいのです。

そういう食生活をしていれば、肥満になりにくくなります。

そして、この食事によって、肥満を予防できるだけでなく、なんと心の健康も向上させることができるのです。

オーストラリアにあるモナシュ大学のエイドリアン・オニールは、176名のうつの症状がある人たちに、地中海式の食生活をしてもらいました。

するとどうでしょう、3カ月後と半年後に追跡調査をしてみると、うつが大幅に改善されたのです。食生活を改めると、心も健康になっていくのですよ。

【図表】地中海式の食生活
出典=『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』

地中海式の食事については、他にもたくさんの研究があります。

同じくオーストラリアにあるスウィンバーン工科大学のロイ・ハードマンは、地中海式の食事に関する18個の研究を総合的に分析し、地中海式の食事をとるようにすると、

① 認知機能が高まる
② 記憶力が向上する
③ アルツハイマーを予防できる

といったさまざまな効果が得られることがわかりました。

他ならぬ自分自身の健康のためにも、ぜひ食生活にもっと気を配るようにしたいものです。

■陽気でいられ、メンタルを強くする食事の中身

では、地中海式の食事ではなく、和食はどうなのでしょう。

実をいうと、和食も捨てたものではありません。

和食では、味噌、醤油、納豆などの発酵食品がたくさんありますが、ハーバード・メディカル・スクールのエヴァ・セルハブによると、発酵食品は、身体の健康だけでなく、なんとメンタルにも好ましい効果をもたらしてくれるというではありませんか。

昔ながらの和食を食べるようにして、なるべくファストフードを食べないようにしていれば、心も健康でいられるといってよいでしょう。

私は栄養学者ではありませんが、どんなものが心の健康によく効くのかは知っています。

じつは、うつ病を予防・軽減してくれるありがたい栄養素があります。オランダにあるアムステルダム大学のロエル・モッキングは、「オメガ3脂肪酸」であるEPA(エイコサペンタエン酸)と、DHA(ドコサヘキサエン酸)などのサプリメントを摂取すると、うつ病になりにくくなるという研究結果を報告しています。

したがって、うつ病になりたくないのなら、オメガ3脂肪酸をたくさん摂取すればいいわけです。

オメガ3脂肪酸のEPAやDHAは、魚介類に豊富に含まれている成分。だから魚を食べるように意識していれば、そんなに気分が落ち込んだりしなくなるのです。

「魚があまり好きではない」という人もいるでしょうが、自分のメンタルを強くするためにもたくさん食べましょう。

ストレスを感じにくい体質になりたいのなら、食べ物の好き嫌いを言っている場合ではありません。

先ほど「地中海式の食事がよい」というお話をしましたが、地中海式の食事では、肉ではなく、魚を中心としています。魚をたくさん食べているから、うつを感じにくくなり、陽気でいられるのかもしれませんね。

■ストレスを感じやすいのは食生活の欧米化も一因か

魚に含まれるEPAやDHAは、血管を柔らかくし、血液をサラサラにする効果もあります。つまり、動脈硬化や心臓病のリスクまで減らせるので、メンタルだけでなく身体にもいいのです。

内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)
内藤誼人『イライラ・不安・ストレスがおどろくほど軽くなる本』(明日香出版社)

生の魚は傷みやすかったりしますので、おすすめはサバの缶詰をたくさん買っておくこと。缶詰なら日持ちしますから、毎日買い物に行く手間も省けます。

考えてみると、日本は海に囲まれた島国なので、日本人は昔から肉よりも魚をよく食べていました。昔の日本人は、肉よりも魚をよく食べていたからこそ、元気でいられたのかもしれません。

食生活が欧米化されるにつれて、最近の日本人は魚よりも肉を食べる人のほうが圧倒的に多くなり、それによってストレスを感じやすい人も増えたのではないかと推論できます。

魚を食べるのではなく、もっとお手軽にEPAやDHAを摂りたいなら、サプリメントでもよいかもしれません。市販のサプリメントでEPAを毎日摂取するようにすれば、あまりストレスを感じなくなりますよ。

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内藤 誼人(ないとう・よしひと)
心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長
慶應義塾大学社会学研究科博士課程修了。社会心理学の知見をベースに、ビジネスを中心とした実践的分野への応用に力を注ぐ心理学系アクティビスト。趣味は釣りとガーデニング。著書に『いちいち気にしない心が手に入る本:何があっても「受け流せる」心理学』(三笠書房)、『「人たらし」のブラック心理術』(大和書房)、『世界最先端の研究が教える新事実心理学BEST100』(総合法令出版)、『気にしない習慣 よけいな気疲れが消えていく61のヒント』(明日香出版社)、『羨んだり、妬んだりしなくてよくなる アドラー心理の言葉』(ぱる出版)など多数。その数は250冊を超える。

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(心理学者、立正大学客員教授、有限会社アンギルド代表取締役社長 内藤 誼人)

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