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これを続けていると小5後半から低空飛行が確定…中学受験で「成績が思うように伸びない子」の特徴10

プレジデントオンライン / 2024年4月3日 18時15分

※写真はイメージです - 写真=iStock.com/ikuyan

親は子供の成績を伸ばすために何をすればいいか。中学受験カウンセラーの安浪京子さんは「正しい勉強の仕方を知らないと、知らず知らず『字が雑』『すぐに答えを見る』といった伸びにくい子の特徴に当てはまる取り組み方をしてしまう。今は“伸びにくい子の特徴”に当てはまる項目が何個もあっても、できるところから『答えを見る前に自分で考える』『読める字で書く』といった“伸びる子の特徴”に切り替えていけばいい。伸びる子の特徴とは『面倒くさいことリスト』でもあるので、親が『地道に』『泥臭く』『根気よく』という気持ちで伴走することが大切だ」という――。

※本稿は、安浪京子『勉強とメンタルの悩みを解決! 【決定版】中学受験をするきみへ』(大和書房)の一部を再編集したものです。

■覚える勉強では、5年生以降に成績が急降下する

子供からの相談 暗記だけで、なんとかなりませんか?

勉強には、2通りの方法があるって知ってる?

実はこれ、とても大切なことなの。だから今、ここでこっそり教えるよ。

勉強には「覚える(暗記)」ものと「考える(理解)」ものの2種類があります。

● 覚える

国語の漢字や語彙(ごい)、理科の生物・地学分野や社会など。「北海道の県庁所在地=札幌」というのは、決まっているから覚えるしかない。

つまり、考える必要がない問題です。だから、忘れたらまた覚え直す……と繰り返して定着させていきます。

● 考える

算数や国語の読解、理科の化学・物理分野など。考えないと答えが出ない問題なので、常に「なぜそうなるのか」を理解して解き、定着させていきます。

「考える」勉強は、慣れるまでけっこう大変だし、時間もかかるの。だから勉強をできるだけ早く終わらせたい、でも復習テストで良い点数は取りたい……となると、どうしても手っ取り早い「覚える」勉強法になりがち。

だって、わからない問題でも解説をチャチャッと写して解き方や答えを覚えれば、復習テストではそこそこ点数が取れちゃうからね。

でも残念ながら、「覚える」勉強法ではいつまでたっても算数の力が身につきません。

算数は、その問題を解くための根本的な意味を理解していないと、少し問題の見た目が変わっただけでお手上げになっちゃう。そもそも、テキストとまったく同じ問題は出ないし、覚えきれる量でもないよね。

学年が下のうちは覚える勉強でも何とかなるけれど、その勉強法では5年生以降に成績が急下降していきます。

「今、『覚える勉強法』になっちゃってるかな?」と不安に感じたら、解いた問題を友達やおうちの人に解説してみよう。

うまく説明できなかったり、「どうしてそうなるの?」と聞かれて答えられなかったら、そこは理解できていないところ。つまり、その部分こそが伸びしろだよ!

■「理解」した上で「演習」を積むというプロセスを

親御さんへのアドバイス

塾に入ると、テキストや宿題が配られ、授業が始まりますが「勉強の仕方」「ノートの取り方」といった勉強の根幹となる部分は教えてもらえません。

つまり、子どもたちは勉強の仕方を知らないままに、受験勉強に突入するのです。

よって、正しい勉強の仕方を教えてあげる必要があります。

勉強する親と娘
写真=iStock.com/miya227
※写真はイメージです - 写真=iStock.com/miya227

勉強には「知識を入れる」と「考えて理解する」の2通りがあり、算数は基本的に「考えて理解する」科目です。

もちろん、計算ルールや九九、円周率など覚えるものもありますが、それらはツール。算数はそれらのツールを使って、より複雑な問題を考えて解くことになります。

では、算数はどのように取り組めば良いでしょうか。算数で大切なのは、「理解」した上で「演習」を積むというプロセスです。

「理解」をすっ飛ばして宿題を何巡もすると、子どもは解き方を暗記してしまいます。

そして怖いのが、5年生の夏前頃までは、暗記でもそれなりに点数が取れてしまうという点です。

■「理解」できているか否かは、考え方を子どもに口で説明させる

しかし、次第に暗記型勉強では太刀打ちできなくなってきます。その理由は2つ。

● 暗記でしのげるほど単純な内容ではなくなる

→学年が進むにつれて「割合」「速さ」といった抽象概念を扱うため、根本理解が必要となる。他分野も思考の階層が深まり、手順が複雑化して覚えきれなくなる。

● 何巡もする余裕がなくなる

→4年生で扱う「量」と「難度」を1とすると、5年生はその2倍、6年生はさらに2倍となり、何巡もする時間的余裕がなくなる。

宿題を何巡もすることが悪いわけではなく、その前に「理解」を経ないことが問題なのです。

「理解」できているか否かは、考え方を子どもに口で説明させることで判断がつきます。

このとき、「子ども自身の言葉で説明できているか」がポイント。説明がたどたどしい、適切な算数用語が出てこないのが、小学生らしい説明です。エクセレントな解説は「解説そのものを暗記している」可能性もあります。

その場合は、その解説にもっと突っこんだ質問をしてみてください。それでも説明ができるか否かが見極めのポイントです。

■「成績が伸びる子、伸びない子」のチェックリスト20

子供からの相談 「成績爆上がりのコツ」ってありますか?

たくさんの受験生を指導していると、成績がグングン伸びる子、思うように伸びない子に分かれるなぁ、と実感します。その違いはどこにあると思う?

伸びる子と伸びない子のチェックリストを作ってみました。

【伸びる子の特徴】
①読める字で書いている
②図や式を書いて解く
③毎日のルーティン(計算など)に取り組んでいる
④塾の板書を元に問題を解く
⑤答えを見る前に自分で考える
⑥答え合わせ・間違い直しをする
⑦間違えた場所を探す習慣がついている
⑧自分がどう解いたかを説明できる
⑨わかったフリをしない
⑩テストで点数を取りたい気持ちが強い
【伸びにくい子の特徴】
①字が雑
②図や式を書かない
③毎日のルーティン(計算など)をしない、あるいはときどきしかしない
④板書を取らず、何でも自己流で解く
⑤すぐに答えを見る
⑥答え合わせ、間違い直しをしない
⑦間違えた問題は一から解き直す
⑧自分がどう解いたか説明できない
⑨わかったフリをする
⑩テストが早く終わることばかり考えている

どちらに何個当てはまったかな(笑)?

もちろん、最初から“伸びる子の特徴”に全部当てはまる子なんてめったにいません。というより、正しい勉強の仕方を知らないと、知らずしらず“伸びにくい子の特徴”に当てはまる取り組み方をしてしまいがちです。

4、5年生の間はとにかく字が雑で、何度言っても式も図も書かなかったけれど、6年生になって「これじゃヤバい!」と、読める字で図や式を書くようになった子もたくさんいます。

今は“伸びにくい子の特徴”に当てはまる項目が何個もあっても、できるところから“伸びる子の特徴”に切り替えていけばいいだけのこと。

ぜひ、このチェックリストを机の前に貼って、1つでも増やしてみてね!

■受験算数爆上がりの第一歩

親御さんへのアドバイス

学問に王道はありません。中でも受験算数はそれが顕著です。

読書好きでナチュラルに国語の点数を取れる子はいます。歴史好きで、軽やかに歴史の点数を取る子もいます。

安浪京子『勉強とメンタルの悩みを解決!【決定版】中学受験をするきみへ』(大和書房)
安浪京子『勉強とメンタルの悩みを解決!【決定版】中学受験をするきみへ』(大和書房)

しかし“受験算数”に関しては、日常生活の中で数字や算数に興味を持っていたとしても、素養的に算数が得意であっても、さきほどのリストにどこまで泥臭く取り組めるかが、成績を左右します。

子どもに限らず、人は自分が興味のあること以外は、基本的に面倒を嫌います。

前出のリストはいわば「面倒くさいことリスト」であり、ここには自分を律する力が関わってきます。

とはいえ、さまざまな小学生を見ていると、これらを求めるのは正直、酷だなと思うことも多々あります。でも、そんなこと言っていられないというお気持ちもわかるので、親御さんにできることを挙げてみます。

・見本を見せる
・少しでもできたら思いきり褒める
・できたことを常に求めない&求めすぎない
・成長を待つ

これ、よく見ると“トイレトレーニング”に似ていませんか?

「トイレではこうやっておしっこをするんだよ」と見本を見せてあげた方もいると思います。リストの項目を習得していくのも少しずつ、一歩ずつ。子どもに「こうしなさい」ではなく、親こそが「地道に」「泥臭く」「根気よく」という気持ちで伴走することが大切です。

リストの内容を無理矢理やらせる「義務」になると、親子共に辛くなるので、まずは「どれならできそう?」と一緒に選び、それを義務ではなく「習慣化する」。これこそが、受験算数爆上がりの第一歩です。

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安浪 京子(やすなみ・きょうこ)
算数教育家・中学受験専門カウンセラー
株式会社アートオブエデュケーション代表取締役。関西、関東の中学受験専門大手進学塾で算数講師を担当。プロ家庭教師歴約20年。中学受験のプロ家庭教師として、きめ細かい算数指導とメンタルフォローをモットーに、毎年多数の合格者を輩出している。中学受験親向けのセミナーも多数開催。新著に『中学受験 男の子を伸ばす親の習慣』『中学受験 女の子を伸ばす親の習慣』(共に青春出版社)

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(算数教育家・中学受験専門カウンセラー 安浪 京子)

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