マヨネーズの「口どけ」の定量化に成功。感性に頼らない客観的評価で、商品開発・メニュー開発を後押し。
PR TIMES / 2020年10月9日 13時45分
マヨネーズの「口どけ」の定義付けと定量化の取り組み
キユーピー株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役 社長執行役員:長南 収、以下キユーピー)は、これまで測定する人の感性に頼ることの多かったマヨネーズ※の「口どけ」に関する評価について、その定義付けと定量化に取り組み、「口どけ」を機器測定で可視化することに成功しました。
※日本農林規格(JAS規格)では「マヨネーズ」に分類されない、その他のマヨネーズ類(半固体状ドレッシング)を含む。
なぜ必要?マヨネーズの「口どけ」の定量化
キユーピーは、スーパー等で販売する市販用のマヨネーズと、中食・外食向けの業務用マヨネーズを製造しています。業務用マヨネーズは、各社が手掛ける弁当や惣菜、製菓・製パン、冷凍食品、各種調理ソース、外食メニューなどに加工されるため、耐冷性・耐熱性・吸水耐性など、さまざまな機能を持ったアイテムを取り揃えています。各社が開発する商品・メニューに対して、どのアイテムが最も適しているのかを判断する際、これまではマヨネーズの「口どけ」に関する明確な定義や定量化の仕組みがなく、評価する人の感覚に左右されることが多いのが実情でした。これを客観的に判断することができれば、中食・外食の商品開発、メニュー開発をスピーディかつ的確に後押しすることができます。
[画像1: https://prtimes.jp/i/44559/98/resize/d44559-98-979068-0.jpg ]
そもそもマヨネーズの「口どけ」とは?ポイントは「食感の持続時間」
マヨネーズの「口どけ」が定義付けされる以前は、人によって「口どけが良い」と感じるポイントはさまざまでした。例えば、口どけの良さの要因として、「粘度の低さ」を挙げる人がいたり、「酸味の強さ」「口の中に残る時間の短さ」を挙げる人がいたりしました。そこで、それらの評価のポイントを分析し、官能評価の評価軸を「1.口に入れた時の初発の粘度」「2.口の中に残る味の時間」「3.口の中に残る食感の時間」の3つに絞り、「口どけ総合評価(人が感じる口どけ感)」に対する寄与率を統計的に算出しました。すると、評価軸3.の「口の中に残る食感の時間」の寄与率が95-97%と非常に高かったことから(資料1参照)、「口の中に残る食感の持続時間」をマヨネーズの「口どけ」の定義としました。
[画像2: https://prtimes.jp/i/44559/98/resize/d44559-98-802975-1.jpg ]
そして、その食感の持続時間を左右する要素として、〈物性〉と〈唾液による洗い流し〉が大きく関与することから測定方法を検討しました。〈物性〉としての計測には「回転式粘度計(+羽根型スピンドル)」を用い、その測定結果の「最大値」「最終値」「最大値に達した時間」から得られた値と、〈唾液誘発〉の観点からは「総酸値」などを用いることにしました(資料2参照)。それらを踏まえて導き出した回帰式から、「口どけ点数」を求めることが可能となり、簡便かつ高精度に口どけを測定することができるようになりました(グラフ参照/測定方法は特許出願中)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/44559/98/resize/d44559-98-741262-2.jpg ]
[画像4: https://prtimes.jp/i/44559/98/resize/d44559-98-861657-3.jpg ]
キユーピーは、1925年に国内で初めて、マヨネーズの製造・販売を開始して以来、国内のマヨネーズ市場をけん引してきました。今後もマヨネーズのトップメーカーとして、市販用・業務用を問わず、美味しさの追求はもとより、さまざまな研究を通じて、お客様に価値ある商品・メニューをお届けします。
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