超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート製造機を正式発注
PR TIMES / 2025年1月10日 14時15分
株式会社エフピコ(代表取締役会長 佐藤守正、以下「当社」)は、2024年4月30日に公表した
超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシート(以下「新OPPシート」)の製造装置であるLISIMをBrückner Maschinenbau GmbH(ブルックナーマシネンバウ社、以下「Brückner社」)に正式発注しました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/81943/166/81943-166-fd56d8c28e8f32dbdf440147279649e5-1321x892.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
当社が発注したLISIMのイメージ図
新OPPシートの開発に当たっては、当社は過去10年に亘り、ドイツに有るBrückner社の試験機で大規模な研究とテストを実施してきました。このパートナーシップの下、当社の素材技術とBrückner社の同時延伸技術であるLISIMの最適な組合せが新OPPシート開発の成功として結実しました。
一般的に2軸延伸ポリプロピレンフィルムは、主に食品用軟包装資材用途として厚さ30ミクロンから50ミクロンで使用されております。今回当社が開発した新OPPシートは、150ミクロンから300ミクロンであり、2軸延伸ポリプロピレンフィルムの5倍から6倍の厚さとなります。この新OPPシートは、食品容器用シートとして、優れた透明性、耐熱性、耐寒性や耐油性のみならず、極低温から高温まで幅広い温度域における剛性と耐衝撃性の高い物性バランスを発現しています。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/81943/166/81943-166-4524f013ef0a93bb505bdb5109e21807-1376x843.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
これらの特徴を活用することで、これまでにない食品容器の開発が可能になるとともに、食品容器以外の様々な産業分野での利用の可能性も広がりました。
例えばインモールドラベル成形(以下「IML成形」)に於いて、従来の複合素材からなる加飾シートを新OPPへ置換した上で射出樹脂にポリプロピレン(以下「PP」)を使用することにより、これまでのIML成形と比較して同程度の機械強度を維持しつつ成形品に使われる樹脂量を約20%程度減少(当社試算)させ、プラスチック使用量の削減や成形品の軽量化に寄与することなど、大きな可能性が広がる製品となります。
環境面においてもPPが主素材である新OPPシートは、モノマテリアル化の実現によりリサイクル性が大きく向上すること、また従来のPPシートよりも高い透明性が得られることから印刷による塗装工程の省略に貢献することで、VOC規制※1対応も可能となるため、環境適性の優れた製品となります。
更に、新OPPシートを熱融着し、1ミリから3ミリ程度の積層シートにすることで、高い剛性と耐衝撃性、高靱性に富み、従来のPPシートより高い透明性を保持できることから加飾性に優れ、またアルミ並みの線膨張係数により、鉄鋼板、アルミ鋼板、FRP※2、ポリカーボネートシート、CFRP※3の一部代替としての用途展開の可能性が広がりました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/81943/166/81943-166-9277d6593a40f1b386c0cb763fb45eeb-1516x656.jpg?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
以上の通り、新OPPシートは食品容器のみならず、自動車、住設、建設、太陽電池、物流資材等の幅広い産業分野などに於いて高い評価を頂いており、幅広い分野での用途展開の可能性を期待されております。
当社グループは、2027年の後半にLISIMの稼働開始を目標に、茨城県坂東市に新工場建設を検討しております。新OPPシートの幅広い分野での事業展開を進めていくために、関連産業とのアライアンスを含めたマーケティングを検討しており、具体的な事業計画、投資内容につきましては、決定次第改めてお知らせいたします。
【当社ホームページ関連リンク】
・世界初の超高剛性2軸延伸ポリプロピレンシートの開発に成功
https://www.fpco.jp/dcms_media/other/press_keieikikaku_20240430_4.pdf
【Brückner社ホームページ(英語)】
https://www.brueckner-maschinenbau.com/en
■補足情報
◇Brückner Maschinenbau社について
Brückner Maschinenbau GmbH(ブルックナー・マシネンバウ社)は、ドイツのジークスドルフに本社を構える企業で、プラスチックフィルムの延伸技術における世界的なリーダーです。同社は、1960年の創業以来、包装用フィルムや技術用途向けのフィルム製造装置を提供しており、最高水準の品質と革新性を追求しています。 グループ全体で約2,900人の従業員を擁し、各社がそれぞれの分野で市場と技術のリーダーシップを発揮しています。
同社の製品は、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリアミド(PA)など、さまざまなポリマーの単1軸および2軸延伸(逐次延伸、同時2軸延伸)技術に対応しており、包装フィルムや特殊フィルムの製造に広く利用されています。また、革新的な技術開発やサービス提供にも注力し、顧客の多様なニーズに応えています。 さらに、持続可能性とリサイクル性の向上にも取り組んでおり、環境に配慮した製品開発を推進しています。同社の取り組みは、業界内外で高く評価されています。
◇LISIMについて
2軸同時延伸ラインは、フィルムを同時に両方向に延伸します。Brückner社のLISIMテクノロジー(リニアモーター・サイマルテニアス・ストレッチング)は、機械的な接続なしにクリップを駆動するリニアモーターを使用しています。これは、高速でフレキシブルな生産(特に機械方向の延伸比が可変であるため)と同時に、摩耗部品が少なく、メンテナンスが容易であることを意味します。1996年以来、
LISIMの生産ラインは順調に稼動しています。
「LISIM」はBrückner社の登録商標です。
※1 VOC規制:大気中に排出される揮発性有機化合物(VOC)を規制する法律や規定
※2 FRP:繊維強化プラスチック
※3 CFRP:炭素繊維複合材料
【本リリースに対するお問い合わせ先】
■株式会社エフピコ 経営企画室 TEL:03-5325-7756
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