原発事故被災者・避難者への生活支援の継続を――生活クラブ生協連合会が復興庁に意見を提出

PR TIMES / 2015年8月28日 14時11分

生活クラブ生協連合会は、復興庁による「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)」への意見募集(パブリック・コメント 受付期間7月10日~8月8日)に対して、以下のとおり意見を提出しました。
<意見の概要>
 ・支援法本来の主旨に基づいた施策を講ずること。
 ・支援対象地域を年間1mSvとすること。
 ・福島県以外でも甲状腺検診や医療費の補助を行なうこと。
 ・自主避難者を含む、住宅支援制度を確立すること。
 ・多くの被災者から意見を聞く公聴会を全国各地で実施し、方針に反映させた上で改定を行なうこと。



<提出意見>
「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針の改定(案)」に対する意見
生活クラブ事業連合生活協同組合連合会

「被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針」(以下、「基本方針」)は、「子ども・被災者支援法」(以下「法」)にもとづくものです。法の第2条には、被災者の居住地の選択の意思への支援、外部被ばく、内部被ばくに伴う健康上の不安の解決が謳われているにもかかわらず、今回の方針で支援策が後退する恐れが否めません。法の基本理念に従い、今回の基本方針の改定案を見直すことを求めます。

【対象部分】II支援対象地域に関する事項 3ページ下から6行目から最後の行までの6行。

《意見》
削除を求めます。その上で、4ページパラグラフ4行目を「支援対象地域等の縮小又は撤廃はしない」と修正すべきです。

《理由》
法の基本理念である「被災者一人一人が他の地域への移動および移動前の地域への帰還についての選択を自らの意思によって行なうことができるよう、被災者がいずれを選択した場合であっても適切に支援するものでなければならない」とあるにもかかわらず、「避難指示区域以外の地域からの避難する状況にない」とするのは支援の切り捨てにつながります。
外部被ばく線量が「生活圏として既に年間1~20mSv線量域の下方部分であり」、個人被ばく線量で既に「年間1mSv以下」という根拠になるデータとして、地域ごとの平均値があげられていますが、現状では避難指示区域以外にもいわゆるホットスポットが広範に存在し、除染が行き届いていない状況にあります。また、個人被ばく線量推計における不確かさ」という問題について、環境省の専門家会議の中間とりまとめも指摘しています。

【対象部分】4ページ中段の専門家会議の中段

《意見》
削除を求めます。

《理由》
「専門家会議」の中間とりまとめの後の福島県の県民健康調査会議の2015年3月の報告では、甲状腺がんで悪性の確定者は103人と報告がありました。
事故との因果関係については明らかにされていませんが、多発の事実について認めざるを得ず、中間とりまとめの記述の中にも、今後がんの調査研究をすすめることになっています。この方針に「がんの羅漢率に統計的優位差を持って変化が検出できる可能性は低いと考える」という文章を「避難する状況にない」という文章の後に、掲載するのは不適切です。

【対象部分】II支援対象地域に関する事項

《意見》
支援対象地域を年間1mSvの地域および福島全域にすることを求めます。

《理由》
ICRPで勧告では、汚染地域内に居住する人々の防護のため最適化の参考レベルとして1~20mSvの下方部分から選択すべきであり、過去の経験では長期事故後の状況における最適化プロセスの代表的な値は1msVであることを提示しています。また、国連人権理事会のアナンドグローバー報告でも、長期的には年間で1mSvを下回ることとしています。放射能汚染についての支援基準を年間1mSvとして、福島県以外の汚染地域にも支援を広げ、福島全域に対して線を引くことなく支援対象地域としていくことを求めます。

【対象部分】III被災者生活支援等施策に関する基本的な事項

《意見》
福島県以外でも甲状腺検診や医療費の減免、甲状腺以外のがんやがん以外の疾患の検査を行なうことを求めます。

《理由》
放射能汚染に県境はなく、福島県に限定した甲状腺検診や医療費の減免は、被災者の支援に対する根拠なき線引きと言われてもしかたがありません。低線量被ばくの健康に対する影響が解明できていない状況の中では幅広い支援が必要です。また、チェルノブイリ事故後には甲状腺疾患だけではなく心血疾患や白内障などの症例の多発も報告されています。がんに特化せず、遺伝性影響や、た、健康管理の構築に向けての広範で長期的な把握をすすめてください。

【対象部分】III被災者生活支援等施策に関する基本的な事項、5ページ6行目

《意見》
自主避難者を含む、避難者への住宅支援を継続することを求めます。

《理由》
現在の住宅支援は、避難指示区域外の避難者に対する応急仮設住宅の供与期間を2017年3月末までとしていますが、依然として除染が行き届かない地域が多くあることやホットスポットがある中で、多くの人が避難の継続を希望しています。避難先での生活再建のために住宅の支援は必須です。「定住支援に重点を置く」という基本方針を堅持すべきです。

【対象部分】全体

《意見》
多くの被災者の意見を聞く公聴会を全国各地で実施し、改定案に反映してください。

《理由》
東京電力福島第一原子力発電所の事故は、チェルノブイリ事故以来の深刻な事故であり、未だ収束をしておらず環境中の放射線量が事故前のレベルまでに戻るのは長期間を要します。放射線が人の健康に及ぼす危険について科学的に十分解明されていない中で、「子ども・被災者支援法」が成立しました。第5条の3にあるとおり、基本方針の策定には、事故の影響を受けた地域の住民、避難している人の意見を反映させるための公聴会をきめ細かく開催し、反映させることが必要です。

以上

【参考】
被災者生活支援等施策の推進に関する基本的な方針(改定案)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000130406
(e-govのサイト PDFファイルで掲載)

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