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歯みがき時に、歯間清掃具、殺菌剤CPC配合液体製剤を併用した際の効果を報告

PR TIMES / 2018年8月3日 12時1分

~日本口腔衛生学会・総会と国際歯科研究学会議で発表~

 サンスターグループ オーラルケアカンパニー(以下サンスター)は、歯周病の初期症状である歯肉炎の方を対象に1日2回、4週間、1.歯みがき(ハミガキペーストとハブラシによるブラッシング)のみ実施した場合、2.歯みがき+歯間清掃(歯間ブラシ及びデンタルフロス)を実施した場合、3.歯みがき+歯間清掃+液体製剤による口ゆすぎを実施した場合における、プラーク(歯垢)付着指数および歯肉炎指数を比較しました。その結果、3.で歯間清掃と液体製剤を併用した際、1.の歯みがきだけの場合と比べて、臼歯部(奥歯)の裏側の歯と歯の間(歯間部)のプラーク付着の有意な減少が認められました。この結果を、第67回日本口腔衛生学会・総会(2018年5月18日(金)~20日(日)、於:札幌市教育文化会館)で発表*1しました。



 さらに、上記の試験において、臼歯部の歯間部から採取した歯肉縁上(歯肉の上に露出した歯面の)プラーク中の細菌叢*2の変化を調べたところ、2.で歯間清掃具を併用した群と、3.で歯間清掃具と液体製剤を併用した群において、4週間後のプラーク内に、健全なヒトの歯肉縁上プラークから検出される数種類の細菌種が増加し、かつ歯肉炎患者の歯肉縁上プラークから検出される細菌種が減少していることが確認されました。この結果を、「IADR 2018/第96回国際歯科研究学会議」(2018年7月25日(水)~28日(土)、於:英国・ロンドン)にて発表*3しました。

【研究の背景・目的】
 これまでも、通常の歯みがきに加え、歯間清掃具を併用した際に歯間部のプラーク除去効果が高まるという報告はありました。しかし、液体製剤を併用し、継続的に使用した場合の効用については報告例が少なかったため、この度、歯肉炎患者を対象に、歯みがきに加え、歯間清掃具による清掃、さらに殺菌剤・抗炎症剤配合液体製剤による口ゆすぎを4週間行った際のプラーク付着指数、歯肉炎指数、歯肉縁上プラーク中の細菌叢の変化を調べました。

【研究の方法】
 臼歯部に軽度歯肉炎部位を2箇所以上持つ33名(男性:10名、女性:23名、年齢:47.2±8.1歳)を、試験開始時のプラークの付着状態、歯肉の炎症状態が均一となるように1.歯みがきのみを実施する群、2.歯みがきに歯間清掃を併用する群(2種併用群)、3.歯みがき、歯間清掃、殺菌剤(塩化セチルピリジニウム:CPC)および抗炎症剤(グリチルリチン酸ジカリニウム)を配合した液体製剤による口ゆすぎを併用する群(3種併用群)にランダムに割り付け、1日2回、4週間継続使用させました。試験開始時、試験開始2週間後、4週間後にプラーク付着指数(QHI)、歯肉炎指数(MGI)を測定し、解析を行いました。また、試験開始時と、試験開始4週間後に採取した臼歯部歯間部の歯肉縁上プラーク中の細菌叢を解析しました。

【研究結果および考察】
 3種併用群は歯みがきのみの群に比べて試験開始後2週間で臼歯部の裏側の歯間部のプラーク付着指数が有意に減少しました。一方、2種併用群と比べると、有意差はなかったものの、平均値としては低い指数が確認されました(図1)。また、同部位の歯肉炎指数は、いずれの群間や試験開始時との比較でも有意差はみられませんでしたが、3種併用群では、臼歯部の歯間部から採取した歯肉縁上プラークの質が試験開始から4週間で変化していることが確認できました。歯肉縁上プラークは時間経過と共に、厚みと面積を増し、多数の異なる細菌が検出されるようになります。また、プラークの蓄積に伴い、細菌種の構成比も変化することが報告されています。今回、試験開始時と比較して、3種併用群の細菌叢ではHeamophilus parainfluenzaなど健全なヒトの歯肉縁上プラークから検出される数種類の細菌種の割合が増加し、かつSelenomonas sputigenaなど歯肉炎患者の歯肉縁上プラークから検出される細菌種の割合が減少することが確認されました(図2)。さらに、試験開始時と比較して、歯肉縁上プラークを構成する細菌の種類が顕著に減少することも確認されました(図3)。
 今回の実験においては、ハブラシが届きにくい奥歯の裏側の歯間部で、歯間清掃によってプラークが除去された歯面に、液体製剤に含まれる殺菌剤CPCが直接的に作用することでプラークの再付着を抑制するという、3種併用による相乗効果が示されたと考えられます。この効果は、臨床指標の減少だけでなく、歯肉縁上プラークから検出される細菌種の変化、構成する細菌の種類の減少からも裏付けられました。

[画像1: https://prtimes.jp/i/5120/192/resize/d5120-192-683567-3.jpg ]



[画像2: https://prtimes.jp/i/5120/192/resize/d5120-192-873913-4.jpg ]



[画像3: https://prtimes.jp/i/5120/192/resize/d5120-192-171551-5.jpg ]





注釈
*1)2018年5月20日(日)発表
 演題:塩化セチルピリジニウム配合洗口液を併用したプラークコントロールの効果
*2)細菌叢=多種の細菌の集合体のこと
*3)2018年7月26日(木)発表
 演題:Changes of oral microbiome by interdental cleaning and mouth rinsing
*4)出典:Dental plaque development on a hydroxyapatite disk in young adults observed by
     using a barcoded pyrosequencing approach
     (Takeshita et al. Sci Rep. 2015 Jan 30;5:8136 )
     Microbiota-based Signature of Gingivitis Treatments: A Randomized Study
     (Huang S et al .Sci Rep. 2016 Apr 20;6:24705)


【サンスターグループ オーラルケアカンパニーについて】
サンスターグループは、持株会社サンスターSA(スイス・エトワ)を中心に、事業分野毎に全世界の研究・マーケティング・製造・販売を統括する、オーラルケアカンパニー、ヘルス&ビューティーカンパニー、SEカンパニー(接着剤、シーリング材等、モーターサイクル部品の事業を担当)の3事業カンパニーと、全世界のガバナンス、管理機能を統括する経営本部で構成、グローバルな事業運営を行っています。オーラルケアカンパニーは、歯周病菌とたたかう「G・U・M」、くちもとBeautyの「Ora2(オーラツー)」、歯科関係者や患者様のニーズに応える「BUTLER(バトラー)」などのオーラルケア製品を製造・販売しています。

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