ロヒンギャ危機ミャンマーの教育カリキュラムを試験的導入将来を見据えた教育の拡充へ【プレスリリース】
PR TIMES / 2022年5月2日 18時15分
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【2022年5月1日 コックスバザール(バングラデシュ)発】
バングラデシュのコックスバザール難民キャンプで暮らすロヒンギャ難民の子どものうち、まず1万人が、母国ミャンマーの国家カリキュラムに基づいた教育を受けられるようにするという取り組みが進んでいます。この重要な節目は、今月中に達成される予定です。
2021年11月にユニセフ(国連児童基金)とパートナーが開始した「ミャンマー・カリキュラム試験版」は、ロヒンギャ難民の子どもたちが、教育を受ける基本的な権利を確実に享受するための重要な一歩となるものです。また、子どもたちがミャンマーに帰還する際の助けにもなるでしょう。
ユニセフ・バングラデシュ事務所代表のシェルドン・イェットは、「ロヒンギャ難民の子どもの教育ニーズは極めて高く、ユニセフはパートナーと連携して、難民キャンプにおいて、ニーズに対応しています」と述べました。
バングラデシュの難民キャンプには、学齢期のロヒンギャの子どもが40万人以上おり、このうち約30万人が学習センターに通っています。国内にある複数のキャンプに合計3,400の学習センターがあり、そのうち2,800カ所はユニセフの支援を受けています。
これまで、ロヒンギャ難民の子どもの多くは、主に4歳から14歳の子どもを対象としたレベル1~4から成る[SS1] 学習能力枠組みアプローチ(LCFA)を通じて、学習を進めてきました。LCFAは、彼らへの緊急対策として作られた非公式の学習システムです。今回試験的に導入されているカリキュラムは、ミャンマーの国家カリキュラムに基づいており、ロヒンギャ難民の子どもに公式かつ標準的な教育を提供するものです。さらに、同カリキュラムは、中等教育における深刻な学習進度の格差を埋め、これまで十分に教育を受けることができなかった年長の子どもたちにも学校教育を提供します。
ミャンマー・カリキュラム・試験版は、最初は、6年生から9年生までの1万人の子どもを対象としています。通常では、6年生から9年生とは、11歳から14歳の子どもを指します。しかし、ロヒンギャ難民の子どもの多くは学習進度が遅れているため、6年生から9年生に在籍する子どもの多くは、14歳から16歳となっています。ユニセフは、2023年までに、学齢期にいるすべてのロヒンギャの子どもが、ミャンマーのカリキュラムで教育を受けられるよう、段階的に規模を拡大することを目指しています。
多くの進展があったにもかかわらず、約10万人の学齢期にいるロヒンギャ難民の子どもが学校に通えていません。ユニセフとパートナーは、こうした子どもが学校に行けるよう、様々な課題を解決するために活動しています。また、男の子女の子両方のニーズを満たし、適切に管理された民間のコミュニティベースの学習施設もあり、教育サービスを提供する役割を果たすことができると期待されています。ユニセフは、ロヒンギャ難民の子どもたちが標準的な教育を公平かつ包括的に受けられるように活動している、すべての関係者と連携しています。
「私たちは、この子どもたちに希望を与え、教育を提供し、ミャンマー帰還後の将来に備えるため、できる限りのことをする必要があります。ユニセフは、すべての難民の子どもたちに質の高い教育が行き届くまで、ロヒンギャ難民のコミュニティ、バングラデシュ政府、パートナーと連携していきます」(イエット)
* * *
■ ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在約190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する33の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています
■ 日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国33の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)
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