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1000万回再生「忍者女子高生」が世界一へ。泉ひかりがパルクールに取り憑かれた“リアル”とは

REAL SPORTS / 2021年4月3日 8時33分

昨今ちまたで話題のパルクールをご存じだろうか? フランス発祥の軍事トレーニングが始まりで、壁を駆け上がったり、障害物を飛び越えたりと、ストリートや建物でまるでアクション映画のようなアクロバットな移動動作を繰り広げるNEWスポーツだ。

2019年に開催されたFIGパルクールワールドカップのスピードラン部門1位、フリースタイル部門2位に輝いたトップパルクーラーであり、1000万回以上の再生回数を誇るWebCMで「忍者女子高生」として話題となった泉ひかりが、知られざるパルクールの“リアル”を明かす――。

(文=篠幸彦、写真提供=InterFM897)

“勝つためにこれをしなさい”というのが好きではなかった

4月3日(土)より、Webメディア「REAL SPORTS」が新たにラジオ番組をスタートする。本稿では番組スタートを記念し、初回放送の内容を抜粋してお届けする。

パーソナリティは元プロ野球選手でヤクルトやソフトバンク、メジャーリーグでも活躍した五十嵐亮太氏、そして元ソフトバンク監督・秋山幸二氏の娘で自身もジュニア時代はプロゴルファーを目指し現在はスポーツキャスターとして活動する秋山真凜氏の二人。

初回のゲストはパルクールのトップ選手、泉ひかり。パルクールとはフランス発祥で軍事トレーニングが発展して生まれた、壁を駆け上がったり、登ったり、障害物を飛び越えたりと、ストリートや建物でまるでアクション映画のようなアクロバットな移動動作、またはそれを通したトレーニングのことである。

そのパルクールを競技化した「スポーツパルクール」にはスピードラン、フリースタイル、スキル、タグの4種目があり、泉氏は2019年のFIGパルクールワールドカップのスピードラン部門1位、フリースタイル部門2位に輝いたトップパルクーラーだ。そんな泉氏がパルクールを始めたきっかけの元となるのは、小学生時代からのさまざまなスポーツ体験だという。

:もともと体を動かすこと好きで、いろんなスポーツをやっていました。ただ、純粋に体を動かしたいだけなのに部活動や習い事でスポーツをやると、どうしても「勝つためにはこれをしなさい」とか、「まずは絶対にこれをしなければいけない」とかがあって3、4年もすると、したかったことと違うなと思うようになりました。

勝つことを突き詰めていくことで次第に楽しめなくなっていくことに違和感を覚えていったという。そんな泉氏が高校生の頃に出会ったのがパルクールだった。

:中学は卓球部で、高校は硬式テニス部で、途中でパルクールを知って始めました。いろんなスポーツを通じて“勝つためにこのトレーニングをしなさい”となるのが好きじゃないことに気がつきました。パルクールのいつでも、どこでもできるその自由さが自分にぴったりだなと思って、しっくりきてずっと続けています。

バイト代はすべてパルクールにつぎ込んでいたアマチュア時代

中学や高校時代の途中までは卓球やテニスをやっていたという泉がまったく競技性の異なるパルクールを始めたことに驚く五十嵐氏。さらに泉は小学生時代にジャッキー・チェンに憧れて始めた習い事が生かされていたと続ける。

五十嵐:卓球やテニスをやっていて、今はぐるぐる回っているわけですよね。バク転とか側転とか、もともと運動神経はよかったんですか?

:小学生の時にもともとアクションをしていて。ジャッキー・チェンに憧れてスタントマンになりたかったんです。

五十嵐:「アクションをしていて」というのはプライベートでアクションをやるわけではなく、習い事ということで?

:習い事でショー・コスギ塾というアクション教室があって、そこに1年間通っていました。そこが閉校することになったんですけど、そこまででアクロバットとかワイヤーアクション、殺陣などベースはありました。

そして話はパルクールを続ける選手としての活動環境が話題に。マイナースポーツゆえに移動費などの資金面はどの競技でも苦労するところである。

五十嵐:雨の日にはやらないとかはあるんですか?

:パルクールにはシーズンがあるわけではないんですけど、外でやるので滑ったりすると危ないため雨の多い梅雨などは全然練習ができないんですよね。梅雨のない海外に行ってしまえばずっと練習ができるので、梅雨の時期は海外に行ったりします。

五十嵐:そうなると移動のお金とかは大変だと思うんですけど、どうやりくりしているんですか?

:日本はパルクールがマイナーでできる場所がないので海外のパルクール・ジムやイベントを狙って行く時は基本的に自腹で、自分が行きたいからお金を貯めて行っていました。

五十嵐:スポンサーがついているわけではなく?

:今でこそJALさんがスポンサーについてくれているので、移動の時は飛行機を取ってもらっていてすごく助かっています。パルクールを始めたての当時は、ファッションとかはやりものとかに興味がなかったので貯めたバイト代を全部パルクールの移動費につぎ込んでいました。パルクールは自分の趣味でやっていたので、全然苦ではなくて、むしろそのために頑張って働いていました。

いろんな状況に適応していくのがパルクールの本質

3月7日に淡路島でパルクールの大会「PARKOUR TOP OF JAPAN IN AWAJI 2021 presented by Xperia」が開催された。そもそもパルクールの大会がどのように競うものなのか泉に解説してもらった。

五十嵐:大会だからもちろん優勝や準優勝とつくわけですよね。ポイント制で優勝が決まったりするんですか?

:メインの大会というのが2種類あって、スピードランとフリースタイルとあるんですけど。自分が得意なのは「スピードラン」といって、スタートとゴールが決まっていて、その間にある障害物をどんな方法でもいいので乗り越えながらタイムを競うという(ルールが)簡単な種目が一つ。あと「フリースタイル」といって今回の淡路島の大会もそうだったんですけど、コース内で自分がどんな動きをするかを見せて、それに得点をつけるという種目です。

スピードランとフリースタイルという2つの主な種目の中で、淡路島ではフリースタイルでの大会となった。

:体操競技だとフィールドが同じで、そこで技によって得点がつくじゃないですか。パルクールはいろんな障害物があって、同じ技でも、どこでするか、どのタイミングでするかとか、前後にどんな技をつなげるかとか、いろんな要素が組み合わさった上で得点をつける必要があります。採点方法には技の正確さ、技の滑らかさ(フロー)、技の難易度、クリエイティビティなどがあって、自分が何ができるかは前日の練習の時に初めて触ってわかります。

五十嵐:じゃあイメージしていたけど実際に触ってみたら「ここが違う」というのはあり得るということですか?

:めちゃくちゃありますね。でもそれはパルクールの本質的なところで、いろんな状況、環境に適応するというところが試されているわけですごく楽しいです。

秋山:楽しいと言えるところがカッコいいですよね。

五十嵐:僕なんかはイメージと違ったらテンパってしまいそうです。

4月はスペインで開催されるレッドブルの大会に出場するという泉は、次週も登場。今回話し切れなかったパルクール界のリアルについて語っていく。

<了>


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InterFM897「REAL SPORTS」(毎週土曜 AM9:00~10:00)
パーソナリティー:五十嵐亮太、秋山真凜

2019年にスタートしたWebメディア「REAL SPORTS」がInterFMとタッグを組み、4月3日よりラジオ番組をスタート。
Webメディアと同様にスポーツ界やアスリートのリアルを発信することをコンセプトとし、ラジオならではのより生身の温度を感じられる“声”によってさらなるリアルをリスナーへ届ける。
放送から1週間は、radikoにアーカイブされるため、タイムフリー機能を使ってスマホやPCからも聴取可能だ。

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