EVよりも安い?BYDがガソリン車の価格戦を巻き起こす
Record China / 2024年3月14日 7時0分
BYDがガソリン車の価格戦を巻き起こしている。写真は秦PLUS DM-i。
中国の電気自動車(EV)最大手BYD(比亜迪)の秦PLUS DM-iが2023年2月10日に正規価格の9万9800元(約200万円)で発売され、「EVはICE(内燃機関)と同価格」の第1弾が打たれ、BYDの値下げイヤーが始まった。
「EVはICEと同価格」とは、同クラスのガソリン車の価格でより良い体験のハイブリッドモデルの車を購入できるということだ。これまでハイブリッド車の販売価格はガソリン車より高い傾向があった。
BYDは秦PLUS DM-iの販売価格を初めてAクラスのガソリン車と同じ範囲に引き下げ、「EVはICEと同価格」を実現した。秦PLUS DM-iのライバルとなる主力モデルには東風日産のシルフィ(軒逸)、上汽フォルクスワーゲンのラヴィーダ(朗逸)、一汽トヨタのカローラなどがある。
値下げを受け、秦PLUS DM-iの2023年の販売台数は前年比63%増の30万台となった。一方で、シルフィの販売台数は同クラスで依然としてトップではあるが、22年の42万台から38万台に減少した。
Aクラス車市場は中国で最も販売台数が多く、ガソリン車が主体の市場でもある。23年の中国のAクラス車の販売台数は958万台で、うち新エネ車は226万台、新エネ車のシェアは23.59%で、業界平均水準の35.7%よりも低い。
新エネ車以外のAクラス車のシェアはほぼ外資系ガソリン車が占めている。シルフィは38万台、ラヴィーダは35万台、カローラは18万台を販売した。
業界リーダーのBYDが新エネ車のシェアを高めるにはどこから拡大できるか。それは必然的にガソリン車市場で特に外資系メーカーからシェアを奪う必要がある。
BYDは24年2月19日に秦 PLUS DM-iの栄耀エディションを発売した。販売価格は7万9800元(約160万円)から。昨年のチャンピオンエディションから2万元(約40万円)引き下げ、「EVはICEよりも安い」というスローガンを掲げた。「EVはICEよりも安い」とは、新エネ車の販売価格がガソリン車よりも低いことを意味する。
新型の秦PLUSプラグインハイブリッドが発売された日、五菱「星光」、長安「啓源A05」、吉利「帝豪L Hi・P」、北京現代「新エラントラ」などの競合車種もすぐに値下げを発表した。
テスラは1日、「3月末までにModel 3/Yを最大で3万4600元(約70万円)値下げする」と発表した。
-
- 1
- 2
この記事に関連するニュース
-
フォルクスワーゲンが中国に4000億円を追加投資、EV事業を加速
Record China / 2024年4月25日 18時30分
-
中国の自動車メーカーが「PHV強化」を急ぐ背景 EVの減速を尻目に販売好調、競争激化は必至か
東洋経済オンライン / 2024年4月19日 18時0分
-
中国BYD、「垂直統合モデル」が生む圧倒的競争力 EV・PHVの価格を下げても、2023年決算で8割増益
東洋経済オンライン / 2024年4月15日 15時0分
-
日中自動車産業、「中国」「東南アジア」「欧州」3大決戦の行方は混沌
Record China / 2024年4月10日 7時30分
-
"EV失速"の手のひら返しで自動車業界が見る悪夢…テスラも「販売台数減少」の市場で"今起きていること"
プレジデントオンライン / 2024年4月5日 8時15分
ランキング
-
1祝日という"官製のみんな一斉休日"が日本人を苦しめる…精神科医警鐘「連休でストレスが増強される」本末転倒
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 8時15分
-
2山梨でブドウなら「1日2時間労働で年収450万円」が可能…私が実践している「農FIRE」のススメ
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 10時15分
-
3なぜホンダ初の量産EV「ホンダe」はたった3年で生産終了になったのか…「欧州ジャーナリストの絶賛」の裏側
プレジデントオンライン / 2024年4月27日 10時15分
-
4GW初日 大規模な混雑はじまる! 東名・新東名では午前中から夕方まで渋滞【4月27日の渋滞予測】
乗りものニュース / 2024年4月27日 7時12分
-
5NY市場、円安加速158円台 対ユーロも最安値に迫る
共同通信 / 2024年4月27日 17時42分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください