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新型エネルギー貯蔵技術の「ナショナルチーム」―中国

Record China / 2024年3月15日 6時30分

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新エネルギーを順調に系統接続させ、電力を無駄にしないためには、エネルギー貯蔵がカギを握る。写真は雅礱江の水力発電所。

従来的な火力発電の時代では、電力は定量的で、均一的で、安定的に制御を受けながら供給されていた。一方で、今日の風力発電と太陽光発電は天候に左右される。不規則な変動は電力網の安全を脅かすと同時に、発電した電力を活用できず、余った電力を貯蔵できなければ、新エネルギーによる電力は無駄になりやすい。

新エネルギーを順調に系統接続させ、電力を無駄にしないためには、エネルギー貯蔵がカギを握る。

最大の「モバイルバッテリー」、草原のバッテリーコンパートメント


内モンゴル自治区通遼市「火力・風力・太陽光・貯蔵・製造・研究」一体化モデルプロジェクト第1期工事が3年前、通遼市開魯県で着工した。700日間で223基の風力発電機の設置がすべて完了した。

風力と太陽光は気象条件に大きく左右される。風がなければ電力は生まれない。太陽光も同じで、曇りの日と夜間は日差しがなく発電できない。晴れて日差しが強すぎても、発電した電力をすべて使用できない可能性がある。この不安定性は電力網の調整を困難なものにし、発電された電力も無駄になりやすい。

新型エネルギー貯蔵の役割を十分に発揮すればこれらの問題を解決できる。電気エネルギーを他のエネルギーに変換して貯蔵すれば、無駄を減らす上、電力網の圧力も軽減できる。

通遼では第2弾となるエネルギー貯蔵ステーションの設置が完了した。40のバッテリーコンパートメントと20のパワーコンディショナにより5万5000kWのエネルギー貯蔵容量を提供する。

2番目の「モバイルバッテリー」、水力発電所のスーパーエネルギー貯蔵能力


雅礱江のある水力発電所に、「揚水発電所」というもう一つの肩書が加わっていた。これもスーパーエネルギー貯蔵形式だ。

揚水発電所を分かりやすく説明すれば、上部と下部の二つの貯水池を持つことだ。その仕組みはこうだ。上部の貯水池と下部の貯水池の高低差を利用し、電力消費量が少ない時間帯に余った電力を使い下部の水を汲み上げておく。つまり電気エネルギーを水の位置エネルギーに変えて、それを貯蔵し、電力消費量のピーク時に水を落として発電する。

雅礱江中部には2カ所の水力発電所がある。川上の方は両河口水力発電所で、川下の方は牙根一級水力発電所だ。この2カ所の水力発電所の貯水池を利用すれば、揚水発電所に変えることができる。

混合エネルギー貯蔵プロジェクトと牙根一級水力発電所は5年後に完成し、両河口水力発電所と一体化し、世界最大の混合型揚水発電所になる。年間発電量は人口1000万人都市の年間電力を賄える。

3番目の「モバイルバッテリー」、100mの穴が秘める大きなエネルギー


塩の採掘により残された穴を処理するにはかつて、一般的には、放水や空気注入などにより埋め戻し、崩落を防止する必要があった。塩の採掘のみならず、各種鉱物の採掘でも似たような穴が残る。科学者は今や圧縮空気エネルギー貯蔵という新たなエネルギー貯蔵手段を模索している。これは巨大な「空気電池」のようだ。

その仕組みはシンプルだ。電力消費量が少ない時に、発電所は自転車のタイヤに空気を入れるように、余った電力で空気を圧縮する。圧縮された空気は大型施設で貯蔵される。圧縮空気エネルギー貯蔵の設置先の選定は揚水発電所よりも柔軟で、建設期間もより短い。

かつて捨てられた塩の穴を再利用することで、空気を圧縮する天然の貯蔵タンクになる。江蘇省常州市の空気圧縮「モバイルバッテリー」は毎日8時間充電し、5時間放電することで、電力網に30万kWhの電力を提供できる。(提供/人民網日本語版・編集/YF)

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