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韓国医学部定員拡大、医科大学教授が集団辞職する事態に―中国メディア

Record China / 2024年3月20日 19時0分

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19日、中国メディア・半島都市報は、大学医学部の定員拡大を柱とする韓国政府の医療改革で、医科大学の教授が集団辞職する事態に至っていることを報じた。写真はソウル大学医学部。

2024年3月19日、中国メディア・半島都市報は、大学医学部の定員拡大を柱とする韓国政府の医療改革で、医科大学の教授が集団辞職する事態に至っていることを報じた。

記事は、政府が2月17日に医師不足解消などのため25学年度から大学医学部の定員を2000人増やす方針を打ち出したことに反発し、ソウル市内にある5大病院の研修医や医師が同20日にストライキを開始してから1カ月が経過するも解消の兆しが見られない中、名門のソウル大医学部教授が今月18日に集団で辞表を提出し、国内20大学からなる「全国医科大学緊急対策委員会」も同15日に会議を行い、25日に辞表を集団提出することを決定したと伝えた。

その上で、医師側が強く反発している背景として、韓国では医師が最も安定的で高収入な職業だと考えられていることを指摘。韓国政府や経済協力開発機構(OECD)による統計では20年の韓国における医師の平均年収が19万5400ドル(約3000万円)で、OECD加盟国の平均値10万8400ドル(約1600万円)を大きく上回っており、医師は医学生定員拡充によって将来的に医師が増え、自らの収入が減少することを憂慮しているとの見方を示した。

そして、上海対外経貿大学朝鮮半島研究センターの詹徳斌(ジャン・ダービン)氏が「尹錫悦(ユン・ソニョル)大統領は医師の供給不足こそが高収入という医師の特権を生じさせており、政府としてこの現象を解消しなければならないと考えている。韓国の歴史上何度も医療改革に失敗してきたのは、政府が最後の大事なところで萎縮してしまうことが原因だというのが尹大統領の考え。今回は世論調査で多くの国民が医学部定員拡充を支持しており、尹政権は強気の姿勢を崩していない。4月には国政選挙が控えており、医療改革を貫徹して国民の満足を得られれば自ずと支持率の上昇にもつながる」と解説したことを伝えた。

記事によると、詹氏はその一方で「韩国政府が2月末に現場に戻るよう通達を出したものの、現場を離れる医師の数はさらに増えており、脅しでは医師らが帰ってこないことが示された。政府が強硬姿勢を取り続けて問題が長期化すれば、国民の医療アクセス自体がますます困難になってしまい、政権の安定にとってはマイナスだ。また、医療改革に反抗する教授らを処罰すれば次世代の医師を育てる環境が失われることになり、政府としては本末転倒になる。政府は重圧の中で妥協案を探らざるを得ないだろう」との見方も示している。

記事は、医学生や医師の大量ストライキによって患者が速やかに治療を受けられない可能性があるほか、全国各地の病院で毎日大きな赤字が出ており、政府に対して低利息融資の拡大を求める声が続々と出ている状況を合わせて紹介した。(翻訳・編集/川尻)

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