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「日本全国さがしても積算書は存在しない」 町長が断言した文書か 県庁で発見 実態見えない公共工事

RKB毎日放送 / 2024年4月15日 16時57分

町がこれまで存在しないと断言していた工事費などの詳細を記した「積算資料」と見られる文書の一部が福岡県への情報公開で出てきました。

一体どういうことなのでしょうか?

これまでも問題視されてきた大任町の情報公開に対する姿勢が改めて問われています。

「血税投入事業の実態隠した責任重い」議員らが会見

田川市議会 佐藤俊一議員
「400億円を超える血税が投入されるこの事業の実態を隠してきた責任は重く、大任町の永原町長には田川郡東部環境衛生施設組合の組合長を辞任していただくよう求めておきたいと思います」

4月5日、福岡県東部・田川地区の自治体の議員13人が、大任町の永原譲二町長に対し田川郡東部環境衛生施設組合の組合長を辞任するように求めました。

田川地区の8市町村は共同で「し尿処理施設」「ごみ処理施設」「最終処分場」の3つの施設を建設していて、このうち「し尿処理施設」は既に完成しています。

3つの施設の建設はいずれも大任町に委託していますが、工事費などが不透明だとして費用の内訳が書かれた積算書などを出すよう議員達は繰り返し求めてきました。

田川市議会 佐藤俊一議員
「大任町が(積算書を)作ろうが作るまいが、こういったものがないと工事ができないわけです。受託した業者であろうが、大任町が作ろうが、私達が求めているのはこの積算書なんです。どこかにあるはずです。ないとできないですよ」

情報公開に「非公開」「不存在」と回答した大任町

去年、田川市と川崎町、糸田町の議会は相次いで大任町に情報公開を求める決議を可決。

議員らの情報公開請求に対し、大任町は今年2月し尿処理施設については「非公開」ごみ処理施設と最終処分場については「不存在」と回答しました。

資料はないのか、またなぜ非公開となったのか、大任町の議員が3月の議会で永原町長に質問しました。

宮地篤 大任町議
「内訳が公開資料では全て黒塗りになっていて、詳細が全く分かりません。三大共同事業に関わる詳細な内容を積極的に公開していくべきではないかと考えます」

これに対し、永原町長は事前に通告が無かったことを理由に質問には答えませんでした。
大任町 永原譲二町長
「通告のないものを答えられません」「通告書のないものを質問されても困りますので、今後は具体的にこれとこれを質問したいということを言ってください」

宮地篤 大任町議
「ごみ処理施設と埋め立て処分場に関して詳細な資料がないということで、本当にないのか質問したんですけど回答は全く得られなかった」「見積書を取っても全て黒塗り。これでは説明責任は全く果たしていないとは思います」

「日本全国探しても積算書は存在していない」町長が断言

3つの施設の建設工事の積算資料について、永原町長は、去年田川市議会などで繰り返し「存在しない」と断言しています。

大任町 永原譲二町長
「ここにいう特殊のプラントについては、市町村、大任町には積算書が存在していないんですよ」「この方式を採って入札した場合については、日本全国探しても積算書は存在していないんですよ」

一方で、この時永原町長は工事の費用を大幅に値引きさせたと主張しました。

大任町 永原譲二町長
「最終的に決まったのが、ネゴ交渉行いました、220億円。ここだけ見てもいくらまけてます、予算から。28億円ですね。最終的にし尿処理場で20億円減額させました」「大任町、ものすごく頑張ったんです。それがなぜ、大任町が悪者になるんですかね」

大任町は一部の価格のみが見える黒塗りの文書を開示しましたが町長が成果として誇る価格交渉の過程は不明です。

福岡県庁に残されていた文書

RKB今林隆史記者
「大任町から出てこなかった文書は福岡県庁にはないか、情報公開請求してみました。これから受け取りに行ってきます」

RKBは、3月福岡県に情報公開請求を行ない、一部の資料が開示されました。

福岡県の担当者
「こちらの方の施設が会計検査の対象になりまして、その関係でたまたまうちの方で町の方から提供いただいた」

し尿処理施設に関し、国の会計検査院は対象でない施設についても交付金を受け取っていたとして大任町に3600万円を返還させました。

開示されたのは過大に請求した交付金を返還したことを報告するため、大任町が福岡県に提出した資料でした。

RKB今林隆史記者
「公開された文書には工事に関する詳細な金額が記されています」

福岡県によると残りの2つの施設は建設中で会計検査の対象になっていないため県に文書はないということです。

この文書は田川地区の議員らが入手したのと同じものでした。

「ない」と回答した理由 大任町の説明は

これは大任町が「存在しない」と主張してきた積算書なのか?

RKBの取材に対し、大任町は「『工事の積算書がない』というのは、『行政が作成した積算書はない』という意味で、業者が作成した積算書は提出を受けている」と説明しました。

これに対し田川市議は大任町に何度も求めてきたのは「行政が作成した積算書」に限定していないとしたうえで、「何を隠そうとしているのか、知られるとやばいことがあるのか疑念を抱かざるを得ない」と反論しています。

国は「透明性」と「公表」求めている

環境省がごみ処理施設の建設工事に関してまとめた「手引き」では、「透明性の確保」が「不可欠」としたうえで、「積算内訳などの事項は契約を締結した後遅滞なく公表する」としています。

ごみ処理施設建設の談合問題について追及してきた市民団体の代表は…

オンブズマン 児嶋研二代表幹事
「環境省が指針・手引きの中で、徹底して情報公開をしなさいと、住民に対する説明責任を果たしなさいということを繰り返し言ってきています。他の自治体でも、これまでの談合問題を教訓にして、やっぱり徹底して情報公開をしようという形で情報公開をしてきているわけですから。そういう意味で今回の大任町の対応姿勢というのは許されないことだと思います」

議員達は残る2つの施設についても引き続き情報公開を求めています。

永原町長の任期はあと1年。

今後、どのような情報が明らかになっていくのか、注目されます。

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