「2024年問題」で路線バス大幅減便、千葉県と市が緊急実態調査開始
産経ニュース / 2024年4月18日 20時23分
運転手不足や残業規制などで路線バスの大幅減便が相次ぐなか、千葉県は運行状況を把握する緊急実態調査に乗り出した。「バスは日常生活に必要不可欠な移動手段だ。県民生活への影響が大きい」(熊谷俊人知事)ことから、調査結果を踏まえ、行政サイドとして必要な対応を急ぐ。
調査対象は、高速バスを除く路線バスなどを運行する県内の事業者35社。減便状況や理由のほか、今後の運行見通しなどを照会している。回答期限は4月末。並行して事業者への聞き取り調査も実施しており、18日には小湊鉄道(市原市)から運行状況をヒアリングした。
調査のきっかけは同社が8日に行ったダイヤ改正に伴う、路線バスの大幅減便だった。同社は千葉市や市原市を中心に運行する。
同社によると、塩田営業所(千葉市中央区)の管内では改正後、平日で1日当たり748本と、改正前から145本減った。土休日では1日当たり322本に。改正前に比べて221本減少した。
たとえば、「千葉駅-イオンタウンおゆみ野」の路線バスは平日4本(改正前は54本)となり、39本あった土休日は全て運行を取りやめた。「鎌取駅-イオンタウンおゆみ野」も同様に土休日は運行をやめた。
千葉市を中心に運行する千葉中央バス(千葉市緑区)も昨年8月以降、路線バスの便数を減らしている。
相次ぐ減便は、採算悪化や慢性的な運転手不足に加え、時間外労働規制が導入された「2024年問題」が背景にある。小湊鉄道の担当者は「運転手の確保に尽力しているが、新規採用数よりも退職者が上回っている」と話す。
熊谷知事は18日の定例記者会見で、大幅減便について「(一般ドライバーが有償で客を送迎する)ライドシェアも含め、多様な移動手段を用意するしかない。国、県、市町村でやるべきことを整理し、国にも働きかけていきたい」と述べた。
◇
千葉市も17日から市内で路線バスを運行する10社を対象に、減便理由や運行状況などに関する実態調査を始めた。
特に、大幅減便に踏み切った小湊鉄道については、運転手やバス利用者の推移のほか、今後のダイヤ改正方針などについて資料の提出を求めている。
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