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「宇宙の色は何色?」そんな疑問に対する一つの回答

sorae.jp / 2020年12月31日 20時13分

活発に星を形成している渦巻銀河「NGC 1792」。青い領域は若く高温の星が豊富であることを示している(Credit: ESA/Hubble & NASA, J. Lee)

みなさんは「宇宙の色」は何色だろうかと考えてみたことはあるでしょうか。真っ暗な背景に星が散りばめられた夜空からは黒が思い浮かぶかもしれませんが、もしもさまざまな色の光を放つ星々の輝きで空が埋め尽くされたとしたら、それは何色に見えるのでしょうか。

そんな疑問に対する一つの回答は「ベージュ」。ウェブカラー(ウェブサイトで用いられるカラーコード)での表記は「#FFF8E7」で、研究者が開催した命名コンテストの結果「Cosmic Latte」(コズミックラテ、宇宙のラテ)と名付けられています。

2dF銀河赤方偏移サーベイの観測データから算出された銀河の平均色「Cosmic Latte」(Color Credit: Karl Glazebrook & Ivan Baldry (JHU))

この色は、オーストラリアのサイディング・スプリング天文台で1997年から2002年にかけて実施された「2dF銀河赤方偏移サーベイ」の観測対象となった、地球から20億~30億光年以内にある20万以上の銀河の観測データをもとに2002年に算出されました。銀河の観測結果がもとになっているので、「宇宙の色」というよりも「銀河の平均的な色」と表現するのがより正確でしょう。

ただし、この色は現在の地球から銀河を観測した結果から得られたもので、銀河の平均色は時代によって変化するとみられています。星の色は表面温度や年齢と関係があり、若くて高温の星は青色に、古くて低温の星は赤色に見えます。銀河の色はここ100億年ほどの間に若い星に由来する青色が少なくなり、銀河の平均色は古い星の赤色がより一般的になっていることを示しているといいます。

楕円銀河「M87」。古い星が多いために黄色っぽい色合いをしている(Credit: NASA, ESA and the Hubble Heritage Team (STScI/AURA); Acknowledgment: P. Cote (Herzberg Institute of Astrophysics) and E. Baltz (Stanford University))

コズミックラテはジョンズ・ホプキンス大学のKarl Glazebrook氏とIvan Baldry氏らの研究グループによって算出され、Astronomy Picture of the Dayに「Cosmic Latte: The Average Color of the Universe」のタイトルで2020年12月27日付で再掲載されています。

 

Color Credit: Karl Glazebrook & Ivan Baldry (JHU)
Source: APOD
文/松村武宏

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