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タマホームとアイダ設計で分かれた明暗。「注文住宅」が“激減”しても好調を維持できる理由

日刊SPA! / 2024年2月29日 8時53分

◆8期連続の増収増益を達成できるか?

 タマホームは2024年5月期の売上高を2570億円、営業利益を141億円と予想しています。予想通りに着地をすると、8期連続の増収営業増益を達成します。

 ただし、市況の悪化を受けているのは間違いなく、上半期の売上高は前年同期間比10.0%減の1127億円、営業利益は同55.5%減の30億700万円でした。2桁の減収減益で折り返しています。

 タマホームはSNSの投稿者に対して、損害賠償請求や法的措置をちらつかせるなど、投稿内容に猛抗議をしたことで世間を騒がせました。住宅展示場でネジが出ている箇所を発見して投稿し、炎上したのです。

 会社側が強硬な手段に出たのも、市況が悪化する中でブランドも毀損し、集客力を失うことへの強烈な危機感があったからでしょう。

◆「注文住宅事業」は大打撃を受けているが…

 タマホームの注文住宅事業、2024年5月上半期の引渡額は前年同期間比12.5%減の769億円でした。引渡棟数に至っては、18.6%も減少して3514棟となっています。

 見ての通り、注文住宅事業は大打撃を受けています。その一方で、戸建分譲事業は堅調そのもの。上半期の引渡金額は226億円で、前年同期間比2.7%の増加でした。引渡棟数も3.0%増加の755棟でした。

 戸建分譲事業は、2023年5月期の引渡実績が前期比3割も増加していました。棟数は1247となり、過去3期で初めて1000棟を突破しました。今期はそこから更に金額、棟数を積み増しているのです。

◆「10区画未満の分譲地開発」に乗り出す

 タマホームは2018年から分譲住宅の強化に努めています。

 建売住宅は立地が命。都市部にアクセスしやすい沿線の駅近物件に人気が集中します。土地の仕入を行う営業マンは、あの手この手で優良物件を仕入れます。

 タマホームはこの仕入れを強化しました。10区画未満の狭小地を積極的に購入するようになったのです。これによって資金回転率を高めた上、販売棟数を伸ばすことができるようになりました。それまでのタマホームの建売住宅は郊外の大型分譲が中心で、子育て世代を中心に販売していました。その方針を改めたのです。

 タマホームにおいて分譲住宅は、注文住宅の販売減による減収を押しとどめる主要因になっています。

◆注文住宅事業が赤字のアイダ設計

 ローコスト住宅で苦戦しているのが、アイダ設計。555万円で家が建てられるという美川憲一さんのテレビCMが、記憶に残っている人が多いかもしれません。2010年ごろから宣伝に力を入れ、分かりやすい低価格路線を押し出したローコスト住宅の代表的な会社の一つです。

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