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「これじゃあ高校野球じゃねえかよ!」選手たちからの猛反発を受けながらも、広岡達朗が“管理野球”を貫いた理由

日刊SPA! / 2024年3月9日 15時52分

しかし、ベテランの田淵や山崎が厳しいトレーニングと徹底した食事管理によって体質改善を果たして見事復調。二年連続で日本一に輝くと、広岡の考えは途端に持ち上げられるようになる。

「例えば病気にかかったときは、現在の食事、睡眠を含めた生活習慣が間違っていること を病気が教えてくれているということ。野球も同じで、結果が出ないときはどこかやり方 が違うよと成績が教えてくれているだけ。そういう考え方をすれば強くなる」

広岡は、すべて真理に基づいて行動している。食事管理にしても、こうした考えから「やるべきことをやっているだけ」に過ぎなかった。それを周りが面白がって騒ぎ、結果が出れば手のひらを返す。つくづく日本人の国民性には呆れたものだ。

就任一年目から二年連続の日本一に輝いた広岡率いる西武ライオンズだったが、八四年シーズンからは田淵、山崎、大田といったベテラン勢に頼ることなく、若手主体のチームへと舵を切った。ここから、広岡が本当にやりたかった野球の集大成となる新生ライオンズが始動する。

(次回に続く)

※工藤公康も出場する西武ライオンズ初のOB戦「LIONS CHRONICLE 西武ライオンズ LEGEND GAME 2024」が3月16日(土)にベルーナドームにて開催予定。

【松永多佳倫】
1968年生まれ。岐阜県出身。琉球大学卒。出版社勤務を経て2009年8月より沖縄在住。最新刊は『92歳、広岡達朗の正体』。著書に『確執と信念 スジを通した男たち』(扶桑社)、『第二の人生で勝ち組になる 前職:プロ野球選手』(KADOKAWA)、『まかちょーけ 興南 甲子園優勝春夏連覇のその後』、『偏差値70の甲子園 ―僕たちは文武両道で東大を目指す―』、映画化にもなった『沖縄を変えた男 栽弘義 ―高校野球に捧げた生涯』、『偏差値70からの甲子園 ―僕たちは野球も学業も頂点を目指す―』、(ともに集英社文庫)、『善と悪 江夏豊ラストメッセージ』、『最後の黄金世代 遠藤保仁』、『史上最速の甲子園 創志学園野球部の奇跡』『沖縄のおさんぽ』(ともにKADOKAWA)、『マウンドに散った天才投手』(講談社+α文庫)、『永遠の一球 ―甲子園優勝投手のその後―』(河出書房新社)などがある。

―[92歳、広岡達朗の正体]―

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