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いきなりステーキ、特許の「オーダーカット制」廃止を招いた逆風。老舗チェーンと分かれた明暗も

日刊SPA! / 2024年5月20日 8時53分

 顧客の囲い込みと再来店を促す仕掛けも徹底強化している。顧客にアプリのダウンロードを促し、そのアプリには来店金額に応じたポイントを付与し、貯めて使う楽しみを顧客に提供している。また会計の際に人数分の特典付きのスクラッチ券を配布し、再来店の動機づくりをしている。

 こういった販促が功を奏し、筆者の地元では営業開始時間前に早く行って並ばないと、入店に時間を要するといったイメージが定着しており、必ず営業時間前の早い時間に行っていた。

 これは決算書を見ても一目瞭然で、客数の推移をみると、コロナが収束して客数が回復していた前年に対しても、今年の第一四半期は、110%と2桁成長で著しく増えている。

◆ビッグボーイの巻き返し!

 一方で、昔から馴染みある「ビックボーイ」も人気である。ビッグボーイは1932年にアメリカで創業し、日本での経営権は2002年12月にダイエーからゼンショーグループに譲渡された。

 ビッグボーイもブロンコビリーとほぼ同時期の1978年にスタートしたステーキハンバーグをメインにしたファミリーレストランである。こちらもアメリカ風の店舗に、調理場が客席から見えるオープンキッチンで手こねハンバーグやステーキ類などを焼き上げる工程を楽しむことができる。

 ゼンショーグループは外食売上ランキング首位で、牛丼(すき家)、親子丼(なか卯)、ステーキ&ハンバーグ(ココス・ビッグボーイ)、回転寿司(はま寿司)、スパゲティ(ジョリーパスタ)など、多種多様な業態を傘下に持つ外食最大手である。

 M&Aを駆使した成長戦略で、連結売上7799億円、総店舗数1万283店舗、傘下に19ブランド(2023年3月末時点)を保有する規模を誇っている。収益性は営業利益217億円、営業利益率は2.8%と、他業態を展開してリスク分散を図っているが、リターンも分散しているようである。

◆ロードサイドを中心に約200店舗を展開

 ちなみに、単一業態に事業を集中する外食売上ランキング2位のマクドナルドは、売上は首位ゼンショーの半分以下の3819億円だが、営業利益は408億円で10.7%と2桁以上の高収益率である。

 財務状態を見ても、自己資本比率が28.2%のゼンショーに対して72.8%と高いマクドナルドでは、資本の安定性に大きな開きがあり、両社の戦略の差が如実に数字に表れている。

 その外食最大手企業のゼンショーの傘下で、再起を図ろうとする株式会社ビッグボーイジャパンの店舗数は、207店舗で、店舗別内訳はビッグボーイ179店舗、ヴィクトリアステーション28店舗である(2022年8月時点)。郊外型のロードサイド店舗を中心に出店し、フードバー(スープ・サラダ・カレー)がセットされ食べ放題が堪能できる。特にカレーバーは人気を博しており、メイン料理の前にたらふく食べる強者も存在し、圧倒される。

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