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いきなりステーキ、特許の「オーダーカット制」廃止を招いた逆風。老舗チェーンと分かれた明暗も

日刊SPA! / 2024年5月20日 8時53分

◆店舗を訪れて心配していたことは…

 キッズ特典が多く来店ごとの特典を楽しみにするなどお子さんにも人気が高い店で、親御さんが週末に連れて行くというパターンの店である。筆者も昔からなじみがあるので、定期的によく通っていた。ただ、各店けっこう老朽化が進み、複数個所の修繕が必要なのに放置されており、心配したものだった。なぜ資本力のある外食最大手企業の傘下になったのに、この状態を放置しているのかが不思議だった(たまたま筆者の周りの店舗がそうだっただけかもしれないが)。

 多くの業態を傘下に有するゼンショーのブランド・ポートフォリオ戦略(各ブランドの勝ち負けを定量的・定性的に分析し、自社の企業価値を高めるために、ブランドの入れ替えをして、持続的な成長を達成すること)の中で、収益性や成長性の観点から、経営資源を配分する価値がないと評価されているのかなと心配していた。

 ビッグボーイの魅力はスープバー(コーンスープや中華スープ)とカレーバーだと思う。一時期、カレーバーのある店が増えたが、今は少なくなっている。カレーの味も安定的に美味しくこれだけでも価値があると思う。

◆外食版DXを推進するビッグボーイ

 筆者の体感ではあるが、昔は、メインであるステーキやハンバーグ料理の提供が遅く、待っている間にお客さんは何度も、サラダやスープのお替りをして、メイン料理が来た時はすでにお腹がいっぱいになったという例も多かった。お客さんが何度もスープバーやサラダバーに向かう姿を見て、料理提供が早かったら原価がもっと低く低減させられるのではと思ったものだが、今は改善されている。

 ビッグボーイはブロンコビリーと違い、人手不足の中でロボットなど外食版DXを推進し、省力化投資に力を入れている。元気ある従業員の接客から生み出す活気ある店内雰囲気のブロンコビリーとは真逆の路線のようだ。

 店に入って案内もロボット、オーダーもタッチパネル、料理提供は配膳ロボット、会計はセルフレジと人とは接しない非接触型の運営となっている。若干、寂しい感じもするが、今はこういうレストランの形態に慣れてしまったお客さんも多く、特に違和感がなく食事を満喫されているようだ。

◆運営スタイルは真逆だった両チェーン

 ビッグボーイは客席案内~水・お絞りの提供~注文~料理提供~レジ会計(人の応援あり)までの一連のプロセスがデジタル機器などを使ったセルフサービスで行っている。一方、ブロンコビリーは人によるフルサービスである。

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