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日本人の「お金マインド」に変化。証券マンが教える4つのトレンドとは?

LIMO / 2019年12月1日 20時40分

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日本人の「お金マインド」に変化。証券マンが教える4つのトレンドとは?

最近では「ポイント投資」や「クレジットカードでの投信積み立て」、「米国発の取引手数料ゼロ化」など、証券業界に新しい動きが次々と出てきています。それは、生活者の投資に対する価値観や関心が変わってきたことの表れでしょう。そこで今回は、最近の個人投資家動向について証券会社社員に聞いてみました。

投資はネットへ。安い手数料も人気の理由

とある対面証券で働くAさんは、「最近ではネット証券が人気。そのため対面証券はどこもオンライン取引に力を入れている」と話します。

国内の証券会社は、対面証券とネット証券に大別されますが、対面証券と比較してネット証券のほうが取引手数料は安くなっています。対面証券は営業マンがいて、金融商品やマーケットなどの投資情報を提供してくれたり、資産運用をサポートしてくれたりするのが特徴です。しかし、その分手数料は割高になっています。

Aさんは「今までは比較的、若者などの小口の顧客はネット証券で、高齢の大口客は対面証券で取引をしている傾向にあったけれど、最近では対面で取引していた顧客もネットに移りつつある。その危機感は対面証券ならどこでも同じでは?」と語ります。

また、最近ではネット証券と連携している独立系ファイナンシャルアドバイザー「IFA」の人気もじわじわと高まってきているのだそう。

さらに、「対面証券もウェブ上でオウンドメディアを作ったり、オンライン取引用の手数料コースを拡充したりしてネットを利用する顧客を獲得しようとしている」と分析していました。

Aさん曰く、「動画でも音楽でも、無料の世の中になってきて、手数料を払うことに対して抵抗感が出てきた。世の中で手数料を取るビジネスをしている人は、証券会社でなくても苦しいはず。米国でも証券会社の取引手数料ゼロ化が始まっていて、この先経営が難しくなる」と言います。

とはいえ、「引受などは、まだ対面証券が圧倒的に強い」と語っており、個人投資家に人気のIPO(新規上場銘柄)やTOB(公開買い付け)などでは現在も対面証券が優位とのことでした。

小口化が進行、「貯蓄から投資へ」の流れが強まる

一方、ネット証券勤務のBさんは、「最近は小口化が進行している」と語ります。「これまでずっと貯蓄から投資への流れがうまくいっていないと感じていたが、最近になってようやく国民の投資に対する興味が強まってきたように感じる」とのこと。

ネット証券では小口化が進み、これまで客層として少数派だった「女性」や「20代~30代の若者」が増えてきたと言います。

「貯蓄から投資へ」と言われてはきたものの、「貯金」が大好きな日本人にはなかなか投資がなじまず、いまだに国民の多くは投資より貯金に関心がある状況。しかし、一部の若者や女性は投資に興味が向いてきたのではとBさん。

最近では女性向けのセミナーを開催しても毎回満員だそうで、参加者の中には友達連れの20代と思われる若い参加者が増えているようです。

「年金がもらえないかも、と思う危機感がある。その中でiDeCoやNISAなど日本人が大好きな『節税対策になる』というキーワードをフックにして投資に振り向かせる施策が功を奏しているのではないか」と話してくれました。

Tポイント、楽天ポイントなど…ポイントに注目が集まる

最近のトレンドの一つとして、Tポイントや楽天ポイント、pontaポイントやクレディセゾンの永久不滅ポイントなどのポイントで投資ができる「ポイント投資」に注目が集まっているようです。

ポイントは買い物をしたり、クレジットカードを利用したりすることで貯まるもの。自分の現金ではないので、より気軽に投資ができるのだと言います。

対面証券に勤めるのCさんは、「ポイント投資については小口の集客策の一つなのであまり気にしていない。当社の客層とも違う」と話すものの、「あと20年先、30年先になればネット証券世代が余裕資金を持ち出す。そうなったときに、対面証券を使う習慣がない人たちをどう獲得するかはわからない」と言います。

「もっとも、その頃にはビジネスモデルが変わっている可能性もあるが」と前置きしたうえで、「この先、対面証券の多くは収益を得る別の方法を模索していく必要がある」と言っていました。

米国株式人気が強まり、投資はよりグローバルに

最近では、投資もよりグローバルになっているのだそう。ネット証券で働くDさんは「最近は米国株の人気が高まっている」と話してくれました。

「手数料の引き下げ競争があった影響もあると思うが、米国株式にはアマゾンやマイクロソフト、アップル、コカ・コーラなど自分たちの生活と切っても切り離せないほど密着している銘柄が多い」と言います。

また、「日本株の中で知っている銘柄があっても、トヨタやソニーなどは気軽には買いにくい株価水準になっている。初心者にとっては、日本株よりも米国株のほうが買いやすいのでは」とのこと。

日本株は100株が1単元。たとえば、日本で有名なトヨタの株価はここ最近7,000円台をキープしていることもあって、100株購入するのに70万円超の資金が必要になります。

それに比べて米国株は1株から買えるため、アマゾンやアップルなどの有名企業の株でも数千円台から購入できることが多いのです。また、「米国株のほうが夢がある」とDさん。

「テンバガー銘柄(株価が10倍ほどまで跳ね上がるような銘柄)どころか、数年~十数年で100倍、1,000倍になる銘柄もある。そういう株は今の日本にはないし、今後の可能性も薄い。停滞感がある日本株より米国株を魅力に感じる人のほうが多いのは当然のこと」と分析します。

いまは米国株も気軽に買える時代になりました。投資先の幅が広がることはいいことですね。興味がある人は、米国株投資を検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

今回は対面証券とネット証券、全部で4社の証券会社社員に話を聞くことができました。それぞれ違うビジネスモデルで異なる立場の話が聞けたのも、非常に有意義でした。個人投資家の人たちのトレンドが移り変わる中、私たちもおいて行かれないようにしたいものですね。

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