私立中学校に通わせるには親の「課金」次第!?受験費用と世帯年収はいくら必要?
LIMO / 2020年11月30日 18時15分

私立中学校に通わせるには親の「課金」次第!?受験費用と世帯年収はいくら必要?
中学受験のリアルを描き、累計65万部の大ヒットとなっている漫画『二月の勝者』。その第2巻でテーマとなった「中学受験は課金ゲーム」というワードは、同世代の子どもを持つ保護者のなかでも話題となりました。
株式会社ファルボが中学受験性の保護者410名を対象に学習塾費用比較を独自調査した『中学受験は本当に課金ゲームなのか?「中学受験にかかる費用」実態調査レポート(https://eduzukan.jp/jhs/484/article/9635)』(2020年10月22日発表)をみると、中学受験の実態がつかめてきます。今回は、そんな私立中学校の受験にまつわるお金の問題についてみていきましょう。
私立中学に通わせる世帯の年収は800万円を越える傾向
私立中学校への受験を考える際、気になるのはその学費。文部科学省「子供の学習費調査(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」で確認してみると、私立中学校の学習費総額は140万6,433円。公立中学校の48万8,397円と比較すると、約3倍のお金がかかることが分かります。また、私立の学費は近年増加傾向にあるようです。
「私立中学なんて、世帯年収1,000万円くらいないと無理でしょ?塾だけで100万円以上かかるイメージ」(37歳・小学2年生のママ)
「できることなら、中学から私立に行かせたいけれど……ママ友に言ったら、リッチすぎ!と驚かれてしまって。そんなにお金かかるものなの?」(29歳・幼稚園年中のママ)
『中学受験は本当に課金ゲームなのか?「中学受験にかかる費用」実態調査レポート』によると、私立中学校に通わせる世帯のおよそ7割が年収800万円を越えているのだそうです。さらに、全体の5割以上が年収1,000万円を越え、多くを高年収世帯が占めていることが分かります。厚生労働省「国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf)」によると、「児童のいる世帯」の平均年収は745万9千円。平均よりもゆとりのある世帯が、私立中学を選択する傾向にあるようですね。
「課金」は小学校4年生から本格化
しかし、問題は学費だけではありません。多くの学習塾では「受験に向けたカリキュラム」を小学4年生からスタートするのです。中学受験を目指す多くの家庭も、この頃には個別指導塾や家庭教師、通信講座といったさまざまな学習スタイルを選択することになります。
そして、受験に向けた「課金(補助学習費)」も年収によって差が出ています。一例として、集団学習塾を小学4年生から6年生まで継続した場合、年収400万円以上の家庭は合計206.4万円、年収600万円以上は245.3万円、年収800万円以上になると279.0万円ほどかけるようです。学習塾では通常の授業のほか模擬試験・季節講習・特別対策講座などオプションも多岐にわたり、年収が上がるほど負担も高額になっていることが分かります。また、学習塾と並行して家庭教師や個人指導などをプラスするケースも多く、講師のレベルによっては学習塾の倍以上の出費となることもあるそうです。
受験のためにかかる費用も約100万円!
そして受験には、塾などの補助学習費以外にもお金がかかります。それは、入試時期にかかる受験料などです。平均的な受験料は2万5千円ですが、平均5~7校受験するため、受験だけで12万5千円~17万5千円必要になります。また、前日泊を検討する場合は宿泊料、併願校の入学金を抑えとして支払うケースなど、1~2月の入試時期だけで多いときは100万円近い出費となることもあるそうです。
先述した「子供の学習費調査」のデータによると、小学4~6年生の補助学習費は私立小146.1万円、公立小は33.1万円。しかし私立中学の受験を検討している家庭では、およそ400万円前後はみておいたほうがよさそうです。もちろんさらにお金がかかるケースも多く、中学受験を選択する世帯としない世帯では、教育費にかなりの金額差が出ることが分かりますね。
「課金ゲーム」が子どもの生涯賃金にも影響する?
どうしてそこまで、子どもに教育費をかけるのでしょうか。厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査(学歴別)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/03.pdf)」によると、大卒・大学院卒(男性)の年収は400万5千円、高校卒だと年収292万9千円。教育は生涯賃金にも影響するのです。もちろん、少しでもよい学歴を得るため、今から課金をするという親の気持ちも理解できますよね。
一方で「課金ゲーム化」する教育に、格差社会の拡大を懸念する声もきかれます。しかし、やはり教育費で家計を圧迫してしまうのは考えもの。近頃はインターネットを通じて安価で学習できるツールなども多数登場しています。自分の世帯に合った教育費のかけ方で、できる限り子どものやりたいことに寄り添っていけたらいいですね。
【参照】
株式会社ファルボ「中学受験は本当に課金ゲームなのか?「中学受験にかかる費用(https://eduzukan.jp/jhs/484/article/9635)」実態調査レポート
文部科学省「子供の学習費調査(https://www.mext.go.jp/content/20191212-mxt_chousa01-000003123_01.pdf)」
厚生労働省「国民生活基礎調査(各種世帯の所得等の状況)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa19/dl/03.pdf)」
厚生労働省「令和元年賃金構造基本統計調査(学歴別)(https://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/roudou/chingin/kouzou/z2019/dl/03.pdf)」
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