電子ペーパー大手の台湾イー・インクが生産能力増強、電子棚札や教育用途を拡大
LIMO / 2021年4月14日 20時5分
電子ペーパー大手の台湾イー・インクが生産能力増強、電子棚札や教育用途を拡大
20年は過去最高業績を記録
電子ペーパーディスプレー(Electric Paper Display=EPD)の最大手、イー・インクホールディングス(台湾新竹市)は、2023年までにFPL(Front Panel Laminate)の生産能力を現有の5倍近くに引き上げる。台湾で新たに4ラインを順次立ち上げる予定で、カラー電子書籍端末や電子棚札(Electronic Shelf Label=ESL)向けの旺盛な需要に対応していく。
新ライン4本を整備へ
同社は現在、台湾の林口と米ボストンにFPLラインを有しているが、20年12月にH1とH2、21年3月にH3とH4という新ラインを新竹に建設することを取締役会で決議した。H1とH2は21年末、H3とH4は22年末からそれぞれ稼働させる予定だ。
これに伴って設備投資も増額する。20年は前年比37%増の7.56億台湾ドルを投資したが、21年は14億~16億台湾ドルに増やす予定だ。「現有の生産ラインは稼働率がきわめてタイトなため増設を決めた。新設するラインではマイクロカップ、マイクロカプセルの両方式を需要に応じて切り替えて生産できるようにする」と説明した。
20年業績は過去7年で最高
先ごろ発表した20年の通年業績は、売上高が前年比13%増の153.6億台湾ドル、営業利益は同3.3倍の18.5億台湾ドル、純利益は同16%増の36.7億台湾ドルと増収増益になり、いずれも過去7年で最高だった。電子書籍、電子ノート、サイネージ、ESLいずれの用途でも需要が高かった。
21年の事業見通しについては「上期は需要拡大が継続するとみているが、ドライバーICなどの部材不足の影響を一定程度受ける。教育用途を拡大し、カラー化や大型化でアップグレート需要を開拓したい。ESLの採用比率は世界でまだ5%にとどまっており、今後もさらなる需要拡大が期待できる」と語った。
教育用途に向けては、ペンタブレットメーカーの㈱ワコム、電子ノートを開発するLinfinyと共同で、次世代電子ノートソリューションを開発した。21年夏に商品化する予定。10.3インチと13.3インチのイー・インク製EPD「Carta 1250」を搭載し、素早いページめくりやペンの書き込み速度向上を実現。重量と厚さは、10.3インチが261gで5.85mm、13.3インチが368gで5.7mm。1回の充電で最大3週間使用できるバッテリー寿命を備える。ちなみに、Linfinyは17年10月にイー・インクとソニーセミコンダクタソリューションズが設立した合弁会社。
カラーEPDの新製品を拡充
新製品として、16階調のグレースケールと4096色のカラー表示が可能な6~7.8インチ対応の「Kaleid Plus(カレイドプラス)」を発売し、すでにPocketBookが「InkPad Color」とONYX Internatinalの「BOOX Nova3 Color」に採用された。印刷で形成したカラーフィルターアレイとインク層を組み合わせたカレイドの次世代品で、アニメーションやビデオの表示速度を高めるなど高性能化した。
また、ESLや小売り用サイネージ向けに4色のインクを用いたEPD「Spectra 3100」も開発した。同社は13年に白黒に赤色または黄色を加えた3色インクのパネルを発表し、現在多くのESLに使用されているが、新製品は白、黒、赤、黄の4色の電子インクを採用し、より色の豊富なコンテンツを表現・表示することができる。従来のパネルに比べて表示の更新速度を高め、赤と黄色の動作温度範囲を拡張した。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
サムスン電子、半導体部門が5四半期ぶりに黒字転換(韓国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月1日 11時35分
-
LGエレクトロニクス、第1四半期として過去最高の売上高達成(韓国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月1日 9時55分
-
高画質と高生産性を兼ね備えた76インチ昇華転写プリンター新発売
PR TIMES / 2024年4月26日 18時40分
-
高値から20%下落したNVIDIA株、それでも半導体関連投信が “強い”と言えるこれだけの理由
Finasee / 2024年4月26日 17時0分
-
Kobo 初のカラー電子書籍リーダー、「Libra Colour」「Clara Colour」発表
マイナビニュース / 2024年4月11日 10時4分
ランキング
-
1「わらび餅」に外国人殺到! とろ~り伸びる進化形も、海外では専門店オープン【Nスタ解説】
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年5月2日 21時50分
-
2黒田東彦・日銀前総裁「円安は一時的」…NYの講演で見解、マイナス金利解除・利上げは「当然のこと」
読売新聞 / 2024年5月3日 17時45分
-
3東京で「舟通勤」は定着するか? ノー渋滞で快適も、課題は山積み
ITmedia ビジネスオンライン / 2024年5月3日 8時35分
-
4インフレ・金利上昇、マンション購入は急ぐべき? 長期では、マンション所有は3つのリスクの塊
東洋経済オンライン / 2024年5月3日 11時10分
-
5円上昇、一時152円台 3週間ぶり高値、介入警戒
共同通信 / 2024年5月3日 11時36分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください