年末年始こそチャンス「親の要介護サインを見逃さない!」帰省時の実家で確認しておきたい5つのこと
LIMO / 2023年12月31日 7時5分

年末年始こそチャンス「親の要介護サインを見逃さない!」帰省時の実家で確認しておきたい5つのこと
この年末年始、新型コロナウイルス感染症が5類へ移行し、ようやく数年ぶりに実家への帰省がかなうという方も多いでしょう。
久しぶりに親と会えるのは喜ばしいことです。しかし一方で歳を重ねた親の変化を目の当たりにして介護サービスや施設への入居を検討する人が多い、という事実を皆さんは知っていますか。
株式会社LIFULL seniorの調査リリースによると、老人ホームを探す人が1年間でもっとも増えるのは1月というデータも。
親とじっくり顔を合わせることのできる機会だからこそ、気をつけて親の様子を確認することが大切です。
今回は株式会社LIFULL seniorが公表した調査結果を見ながら、帰省した際、親の様子を知るためにどんなことに気をつけたらよいのかを考えていきます。
※編集部注:外部配信先では図表などの画像を全部閲覧できない場合があります。その際はLIMO内でご確認ください。
親の資産や持ち物の整理など「親の介護の準備をしていますか?」

出所:LIFULL 介護、年末の帰省シーズンに向けて「親とのコミュニケーション」に関する調査を実施(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000049958.html)
家族や親族で話し合っている:26.6%
介護について情報収集している:26.6%
介護の相談先を把握している:23.4%
親の資産、経済状況を把握している:21.1%
親の持ち物を整理している:11.9%
その他:8.3%
エンディングノートを書いてもらう:4.6%
介護の準備はしていない:44.5%
介護について、半数近くの44.5%が「準備していない」と回答していますが、 「家族や親族で話し合っている」「情報収集をしている」と回答をした人もそれぞれ26.6%となりました。
具体的な行動は起こしていなくても、やはり大切な親のこと。頭の片隅で気にはなっている状況であろうことがうかがえます。
面と向かってなかなか話しにくいという場合には、「エンディングノートを書いてもらう」(4.6%)という方法も。親の資産状況から持ち物、交友関係など様々な情報が整理できます。
親だけに任せっぱなしにするのではなく、交換日記のようにしながら子世代が一緒に書くのもおすすめです。文字にすることでお互いの気持ちのすれ違い防止、そして何より思い出作りにもなるでしょう。
年末年始の帰省時に確認しておきたい5つのこと
ここからは、LIFULL 介護編集長の小菅秀樹さんが紹介してくださった「帰省の際に実家で確認しておきたいもの5選」を、筆者の経験も交えながらご紹介していきたいと思います。
【帰省時に確認したいこと 1】車の運転
車の運転席側に傷がついていないか

Animaflora/istockphoto.com
「近所のスーパーまで連れてって」などと一緒に乗って、安全運転かどうか確認できればベストかもしれませんね。
もし運転席側に傷がついていたら、どうしたのかさりげなく聞いてみましょう。視力や認知機能が衰え、危険な運転になっているのかもしれません。
ドライブレコーダーの導入、明るい時間の運転などを提案し、免許返納についてどう考えているかも無理のない範囲で聞いてみましょう。
【帰省時に確認したいこと 2】台所や冷蔵庫
冷蔵庫の中に賞味期限切れのものが多くないか
親の認知症に気づく代表的なきっかけとして、賞味期限切れの食品の溜め込みがあります。 期限に気づかないままになっていたり、同じ食品をたくさん買ってしまったりするのです。
冷蔵庫の中はもちろん、ストックとしては多すぎる量の食品はないか、気をつけて見てみましょう。
認知機能が衰えると、同じ食品をたくさん買ってきてしまう、または賞味期限切れに気付けないことがあるのですあります。
【帰省時に確認したいこと 3】交友関係
自宅で一人で過ごす時間が増えていないか
親が多くの時間を自宅で一人過ごしているようなことはないでしょうか。認知機能が衰えると自信がなくなったり面倒くさいと思ったり、知人とのコミュニケーションを避けてしまう傾向があります。
人との交流の減少は、フレイル(健康な状態と要介護状態の間)のリスクを高める要素としても知られています。外出の頻度やご近所さんなどとのお付き合いについても把握しておきましょう。
【帰省時に確認したいこと 4】メンタリティ
日常の生活についてたずねる

polkadot_photo/shutterstock.com
親は、子に心配をかけたくないため本音を隠しがちです。「困ったことはない?」と漠然と聞いても「大丈夫だから」と返されてしまうことが往々にしてあります。
何気ない会話の中で「重い物を買う時は大変じゃない?」「薬はちゃんと飲めてる?」などと具体的な問いかけをし、親の気持ちを引き出していけたら理想的ですね。
お米や洗剤など重い物が持てなければ定期配送での注文、薬の飲み忘れが不安なら薬局に相談して錠剤薬を一包化する方法があるから安心してと伝えましょう。
筆者自身、問い詰めるのではなくどんなことでも気軽に言えるような雰囲気づくりが、生活上の心配や不安をなくしていくための大前提になると感じています。
【帰省時に確認したいこと 5】身体状況
一緒に外出してみる
親と近所を散歩して様子を見てみましょう。階段を登るのに手すりがなくても苦労していないか、ちょっとした段差でつまずくようなことはないか。
下肢筋力が低下すると転倒リスクが高まります。一度の転倒が大ケガに繋がり要介護状態を引き起こすことにもなりかねません。
家の中の動線も危険がないか確認してあげられると良いですね。ケガ予防の対応が介護の準備にもなってきます。
まとめにかえて
「まだまだ元気」と思っていた気持ちと裏腹に、現実の親の姿ときちんと向き合うことで老いを実感させられ愕然とするかもしれません。
でも、長く元気でいてもらうためにも、貴重な帰省の機会には優しく注意深い眼差しを親に向け、今後何に気をつけて生活したらいいのか、介護の必要性も含め考えるきっかけしていけたら理想的ですね。
ゆっくり時間がとれる年末年始は、親の変化に気づける好機。
「これってもしや要介護のサイン?」そんな場面をキャッチしておくことで、もしものときに適切な医療や介護に繋げていくことも可能です。
「親とのコミュニケーション」に関するアンケート調査 調査概要
調査期間:2023年11月28日〜12月7日
調査対象:対象期間にLIFULL 介護運営メディア「tayorini」に来訪したユーザー 278名
調査手法:WEBアンケート
調査主体:LIFULL senior
参考資料
LIFULL senior「LIFULL 介護、年末の帰省シーズンに向けて「親とのコミュニケーション」に関する調査を実施」(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000046.000049958.html)
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