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「株主優待」が魅力的な好配当利回り株

トウシル / 2018年2月22日 7時45分

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「株主優待」が魅力的な好配当利回り株

 本日は3月決算で、株主優待が魅力的、かつ配当利回りが魅力的な銘柄をご紹介します。

株主優待の魅力だけで銘柄を選択すべきではない

 日本には「株主優待制度」という、世界でも珍しい制度があります。上場企業が株主に感謝して贈り物をする制度ですが、本来、株主への利益還元は配当金を支払うのが筋です。

 ところが、日本の個人株主の一部に、お金(配当金)をもらう以上に贈り物(株主優待)を喜ぶ風潮があることから、株主優待という制度が存続しています。小売・外食・食品業では、個人株主がそのままお客さま(会社製品の購入者)になることもあるので、広報宣伝活動の一環として、優待品に自社製品を積極活用する企業が多数あります。

 とても魅力的な制度なので、積極的に活用したら良いと思います。ただし、株主優待だけに注目して銘柄を選ぶのは、個人株主にとって合理的な投資とは言えません。

 そこで、優待投資で失敗しないため、いくつかの観点をお伝えします。

優待投資で失敗しないための「5つ」のチェックポイント

(1)配当利回りも考慮して、総合的に有利な銘柄を選ぶ

 次のA社、B社、どちらがより魅力的か、考えてみてください。
 ※A社、B社とも条件は同様で、株価は1,000円で、100株買うのに10万円必要とします。

・A社 → 無配(配当金なし)。
      株主優待あり(100株保有で毎年2,000円分の食品詰め合わせを贈呈)。

・B社 → 配当利回り3.5%(100株保有で、年3,500円<税引き前>)。
      株主優待なし。

 A社は10万円投資して、1年に2,000円の食品詰め合わせしか得られません。一方、B社は10万円投資して、1年に3,500円(税引き前)の配当金が得られます。

 比較すれば、B社のほうが魅力的なのは明らかです。

(2)業績や財務の良くない銘柄は避ける

 株式投資である以上、業績や財務の良いものを選んだほうがいいのは、当たり前です。株主優待に目がくらみ、業績、財務、株価をまったく見ないで、銘柄を選ぶべきではありません。

(3)短期的に株価急騰の場合は、避けたほうが無難

 短期的に株価が急騰しているタイミングで、買うべきではありません。

 人気の優待銘柄は、権利付き最終日に向けて、権利取りの買いで大きく上昇することがあります。その場合、権利落ち日に株価が大きく下がる可能性が高くなります。配当金や株主優待の価値以上に、株価が大きく下がっては意味がありません。権利付き最終日直前に株価が大きく上がっている銘柄の買いは見送ったほうがいいと思います。

 一般的に、次の5つの条件を備えた銘柄は、権利付き最終日直前に、株価が大きく上がることがあります。

  • 株主優待や配当金を、年1回(本決算のとき)しか出さない
  • 小型株。流動性が低い
  • 優待利回りが高い(優待利回りの算出法=優待を相当額換算し、投資額で割って算出)
  • 使いやすい(誰もが必要とする日用品中心に幅広い選択肢がある)
  • マネー誌などで、人気の優待注目銘柄として紹介されている

 では、短期的に株価が急騰している銘柄で、ぜひとも優待が受けたいという場合は、どうすべきでしょうか。

 株主優待を得たいが株価下落で損をしたくない人は、信用取引を使う方法があります。「株式現物買い+つなぎ売り」という方法です。これは、また別の機会に詳しく説明します。

(4)株主優待が魅力的な銘柄に、最小投資額ずつ、なるべくたくさん投資するのが効率的

 株主優待は、個人株主数を増やすために導入されています。そのため、最小単位(原則100株)で投資すると、もっとも効率的に優待を獲得できます。

(5)自分でぜひ使いたいと思う製品やサービスを、提供している企業に優待投資する

 優待券には、原則、有効期限があります。有効期限内に使わないと優待権利を失効します。使いたいと思うもので、使いやすい(近くに優待券を使える店舗がある、日常的に使っているものである)ものを選んだほうが、失効させるリスクが低くなります。

 使うあてのない優待券は、インターネットのチケットショップやフリマサイトなどで売却できることもあります。ただし、売却で得られる代金は、自分で使う場合に得られる経済メリットよりも小さくなります。

 たとえば、500円の株主優待食事券を売却しようとしても、1枚300~400円でしか売れないこともあります。使うのが難しい優待券や、有効期限が迫っている優待券は、買い手がいない(売れない)こともあります。

株主優待と配当利回りが、ともに魅力的な「3月決算の銘柄」

 ありそうで、あまりないのが、「株主優待と配当利回りが両方とも魅力的な銘柄」です。配当利回りの高い会社には、「株主への利益還元は、配当金でやるべき」という考えを持っていて、株主優待を行わない企業が多いからです。

 ただし中には、優待も配当も魅力という銘柄もあります。以下に、投資の参考銘柄を挙げます。

株主優待と配当利回りが、ともに魅力的な「3月決算の銘柄」 

コード 銘柄名 配当
利回り
株価 年間
配当金
(a)+(b)
中間
配当金
(a)
期末
配当金
(b)
1379 ホクト 2.9% 2,084.0 60 10 50
8591 オリックス 3.2% 1,919.5 62 27 35
9142 JR九州 2.3% 3,355.0 78 39 39
9201 JAL 2.6% 4,031.0 105 52.5 52.5
9433 KDDI 3.4% 2,623.5 90 45 45

注:株価、配当利回りは2018年2月21日時点。期末配当金(予想)は、2018年3月期末基準、オリックスは楽天証券予想、その他は会社予想。中間配当金は、2017年9月末基準(実績)
出所:楽天証券経済研究所が作成

なお、ホクトは、2018年3月期は、きのこ製品の販売価格が想定以下で業績不振ですが、来期以降に回復を予想しています。

 株主優待の内容は変更になることもあるので、常に最新の情報を確認してください。

 現時点での優待内容は、以下からご覧になれます。

ホクト(1379)
オリックス(8591)
JR九州(9142)
JAL(9201)
KDDI(9433)
 

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