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「5G」の勢力図を揺さぶる、アップルとクアルコムの和解

トウシル / 2019年4月19日 13時56分

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「5G」の勢力図を揺さぶる、アップルとクアルコムの和解

アップルと和解したクアルコムは、20%を超える急騰!

クアルコム(QCOM)

出所:トムソン・ロイター(現地4月16日まで過去3カ月間)

 アップルは半導体大手のクアルコムに対し、特許使用料が「非常に高額」で違法だと主張する一方で、クアルコムはアップルが特許を侵害していると訴え、両社はこれまで2年以上にわたり、法廷闘争を繰り広げてきました。

 訴訟が続く中、アップルはiPhoneに搭載する「モデムチップ」をインテルから調達する動きを見せ、そうした動きはこれまでクアルコムの株価の重しとなっていました。しかし現地時間16日、両者が係争中のすべての訴訟を取り下げることを決定すると、クアルコムの株価は20%を超える急上昇となりました。

 確かにこの決定はクアルコムにとって大きな勝利であると言え、今後iPhone向けに「5G」関連の半導体を含め、大きな販路を確保できたと言えるかもしれません。実際クアルコムは今回の合意を受け、EPS(1株当たり利益)が2ドル押し上げられる見込みであるとコメントしています。

 

インテルは5G半導体から撤退 

 CPU市場で圧倒的なシェアを誇る、世界最大級の半導体メーカーのインテルは、アップルとクアルコムの電撃的な和解の後、これまで多額の投資を行い取り組んできた「5G」のモデム事業から撤退すると発表しました。

 同社のモデム半導体事業の顧客はアップルのみであり、そのアップルがクアルコムと和解したことで、半導体モデム事業で市場シェアを獲得していくことが難しくなったと考えたようです。正直この動きは完全に予想外で、今後業界の勢力図が大きく変わっていくのではないかと感じました。

5G関連が熱を帯びる中、ザイリンクスは史上最高値を更新

ザイリンクス(XLNX)

出所:トムソン・ロイター(現地4月16日まで過去10年間)

 今回アップルがクアルコムと和解した背景には、中国や韓国のスマートフォンメーカーが5G対応製品を次々に発表する中で、iPhoneがいつ5Gに対応するのか具体的なスケジュールを示すことができず、同社が5G対応で遅れを取ることを懸念したことがあるようです。

 4月初めに米通信大手のベライゾン・コミュニケーションズと韓国の通信会社が「世界初の5G商用サービス開始」宣言を巡り、サービス開始時期を前倒しするなどして争ったということは記憶に新しいですが、いよいよ5G関連も熱を帯びてきた印象を受けます。そうした中、マーケットの中で5G関連銘柄の本命の1つと目されている半導体大手のザイリンクスは連日(現地4月16日時点)史上最高値を更新し、年初来でも58%上昇しています。やや過熱感も感じられますが、アップルとクアルコムの和解で各社の勢力図が大きく変わる可能性がある中、今後も5G関連銘柄には目が離せない状況が続きそうです。

今回の記事で言及した銘柄

ティッカー 銘柄名 関連するテーマ
AAPL アップル スマートフォン、エンターテインメント
QCOM クアルコム スマートフォン、5G
INTC インテル PC、クラウド、eスポーツ、自動運転
XLNX ザイリンクス 5G、AI(人工知能)、クラウド
VZ ベライゾン・コミュニケーションズ 通信サービス、5G

(楽天証券 外国株式チーム)

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