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2020年相場のスタートは波乱含み?「押し目買い」の見極めポイントはどこか

トウシル / 2020年1月6日 12時51分

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2020年相場のスタートは波乱含み?「押し目買い」の見極めポイントはどこか

年始のNYダウは慌ただしい値動き

 皆さま、明けましておめでとうございます。2020年相場が始まりました。

 ね年の相場格言は「繁栄」とされ、上昇することが多いと言われていますが、前回のね年(2008年)はリーマンショックだったこともあって前年末比で大幅に下落、その前のね年(1996年)も下落しており、ここ最近は格言通りになっていません。

 今年こそは飛躍の年にしたいところですが、昨年末の大納会の日経平均株価終値が2万3,656円だったのに対して、日本が年始で休場だった1月3日(金)の日経平均先物(CME/シカゴ)が2万3,270円となっており、ギャップダウンが生じています。そのため、2020年相場の幕開けは株価水準を切り下げてしまいそうです。

 最初は日本が休場中の米国株市場の動きから観察していきます。

■(図1)米NYダウ(日足)の動きとMACD(2020年1月3日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 あらためて、上の図1でNYダウ平均株価の状況を振り返ってみますと、年初となる1月2日(木)は前年末比で330ドル高の大幅上昇を見せ、史上最高値を更新する幸先の良いスタートとなりましたが、翌3日(金)は233ドル安の下落に転じるなど、慌ただしい値動きとなっています。

 この動きに株価材料を組み合わせると、2日(木)は米中協議のいわゆる「第1段階合意」の署名が1月15日に行われると米国側が発表したことによる米中関係の改善期待と、中国人民銀行が預金準備率の引き下げを発表し、中国景気の持ち直し期待が株価を押し上げました。翌3日(金)は、イラクの空港でイラン関係の要人が米国の空爆で死亡したことで地政学的リスクが高まったことや、米国の経済指標(12月のISM製造業景況感指数)の結果がさえないものとなったことが株価を下落させました。

 とはいえ、2日(木)・3日(金)のローソク足がともに陽線で売りが一巡した後に買いが入っていたことがうかがえる他、株価自体も5日移動平均線を維持しているため、値動きが荒っぽかった割には相場のムードが崩れた印象にはなっていません。下段に注目してもMACDがシグナルより上をキープしています。

 さらに、ボリンジャーバンドで見ても一応「バンドウォーク」が継続中ですので、上昇基調は維持されています。(下の図2)

■(図2)NYダウ(日足)のボリンジャーバンド(2020年1月3日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 しかし、合意の署名については今のところ中国側からの発表がない他、イランによる米国への報復も警戒されるため、株価材料の不透明要素が強まっていることには注意が必要です。

日経平均は下方向の意識が強い

 同様に、先ほどのボリンジャーバンドを昨年末時点の日経平均で捉えてみると、大納会のローソク足がプラス1σ(シグマ)を下抜けています。確かに、日経平均は昨年12月半ばにはプラス2σを超える場面がありましたが、明確なバンドウォークが形成される前に崩れてしまった印象です(下の図3)。

■(図3)日経平均(日足)のボリンジャーバンド(2019年12月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 そのため、短期的には下方向への意識が強く、今週は下げ止まりを探りにいくような動きになりそうです。

■(図4)日経平均(日足)の動き(2019年12月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 また、上の図4は日経平均の日足チャートです。

 昨年の夏以降の日経平均は25日移動平均線を下回ったところで反発する場面が多くなっており、昨年末時点の25日移動平均線は2万3,615円です。

 先ほども触れた通り、1月3日(金)の日経平均先物(CME)が2万3,270円のため、今週は25日移動平均線を下回る可能性が濃厚ですが、早い段階で回復できるかが焦点になります。仮に、戻せなかった場合には25日移動平均線が上値の抵抗になる他、75日移動平均線が次のサポートとして意識され始めることになります。

押し目買いのリターンの期待値は高くない?

 最後に、日経平均のボリンジャーバンドを週足でも見ていきます。

■(図5)日経平均(週足)のボリンジャーバンド(2019年12月30日取引終了時点)

出所:MARKETSPEEDⅡを元に筆者作成

 先ほどの図3の日足ではバンドウォークが崩れている点を指摘しましたが、週足ではバンドウォークが継続しており、上昇基調が維持されています。昨年末時点でのプラス1σは2万3,362円ですので、この株価水準辺りで下げ渋ることができれば、株価の戻りを狙った買いを入れるポイントと考えることができます。

 ただし、以前のレポートでも触れた通り、日経平均が下げ止まらなければ、その後の調整が大きくなりそうであることは認識しておくべきですし、昨年末にかけての日経平均は連日で最高値を更新する米国株の動きについていけず、あまり上昇しなかったことにも留意する必要があります。そのため、足元の相場環境は押し目買いによるリターンの期待値は高いとは言い難く、「休むも相場」に徹するか、押し目狙いでも早めの手じまいを心がけるなど、取引の機動力が試される週になりそうです。

(土信田 雅之)

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