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楽天DI 2021年2月「株主優待投資で失敗したことありますか?」

トウシル / 2021年3月5日 13時19分

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楽天DI 2021年2月「株主優待投資で失敗したことありますか?」

はじめに

 今回のアンケート調査は2021年2月22日(月)~2月24日(水)の期間で行われました。

 2月末の日経平均は2万8,966円で取引を終えました。月足ベースでは4カ月連続で上昇し、前月(1月)末終値(2万7,663円)からは1,303円の上げ幅となりましたが、月間の値幅(高値と安値の差)は3,065円と大きくなったほか、月末にかけての急落によって節目の3万円台や2万9,000円台も下回っていて、荒っぽい展開でした。

 あらためて、月間の値動きを振り返ってみると、米個人投資家による一部の投機的な動きによる、いわゆる「ゲームストップ株の乱」で下落した前月末から反発する格好で上昇基調を強めていきました。脱コロナの経済・社会活動再開に伴う正常化期待や金融緩和といった、これまでの見方に加えて、ワクチン接種の進展や想定よりも堅調な企業決算、米追加経済政策への期待なども追い風となり、日経平均は約30年ぶりに3万円台に乗せ、一時3万714円まで値を伸ばす場面も見られました。

 その後は上値が重たいながらも3万円台を維持する動きがしばらく続いていましたが、米長期金利の急ピッチな上昇をきっかけに米株市場が急落、日本株もその流れを受ける格好で売りに押される展開へと転じていきました。

 このような中で行われた今回のアンケートですが、6,300名を超える個人投資家からの回答を頂きました。日経平均と米ドル/円の見通しDIは、それぞれ「株高・円安」の結果となり、月末の急落局面が反映されていないとはいえ、ポジティブなムードが優勢の見方が続いています。

 次回もぜひ、本アンケートにご協力をお願いいたします。

日経平均の見通し

楽天証券経済研究所 シニアマーケットアナリスト 土信田 雅之

「強気の見通し強まるが、慎重な見方も」

 今回調査における日経平均の見通しDIの結果は、1カ月先がプラス29.16、3カ月先はプラス12.68となりました。

 前回調査がそれぞれプラス16.51、6.87でしたので、ともにDIの値がさらに強気に傾いた格好です。回答の内訳グラフを細かく見てみても、1カ月先の強気派の割合が40%を超えていることが分かります。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成
出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成

 ちなみに、1カ月先の強気派が40%を超えるのは2018年9月調査以来になります。当時の日経平均は、数カ月間繰り返してきた2万2,000円~2万3,000円台でのもみ合いから上放れして2万4,000円台に乗せたタイミングでした。ただし、その後は下落に転じ、年末の12月には2万円台割れの水準まで値を下げています。

 そのため、3万円台に乗せた今回の日経平均も下がって行くというわけではありません。実際に、今回の調査で反映されていない2月月末にかけての急落についても、3月1日の取引では大きく反発して始まっており、いったんは落ち着きを見せています。とはいえ、2018年9月調査時の状況を振り返ると、株価ともに米10年債利回りも上昇しており、米金利上昇への警戒感が強まっていたことなどの共通点があるため、一応は意識しておいた方が良いかもしれません。

 さらに、当時の日経平均は、その後の米中対立への懸念が拍車をかける格好で株価水準を切り下げていきましたが、足元でも、3月5日から開幕する中国の全人代(全国人民代表大会)を前に、米バイデン政権が中国依存からの脱却を視野に、半導体や電池、医薬品、レアアースの分野で供給網を100日内に見直す方針を打ち出しました。恐らく、全人代のタイミングで放たれた米国側からの政治的な「ジャブ」と思われます。

 その全人代では、香港の民主派を排除するため、選挙制度の見直しが議論されるほか、政治・経済、外交面などの長期スタンスが示される見込みとなっています。以前は、バイデン政権が誕生すれば米中関係の修復が進むという期待もありましたが、今のところ、バイデン政権の対中姿勢はトランプ政権時のものを多く踏襲しており、関係改善よりも対立を意識させる動きの方が目立っている印象です。香港問題は対立の論点のひとつであるため、米中関係に対する懸念がくすぶっているという点も2018年の時と似ていると言えます。

 また、株価急落の要因となった米国の長期金利上昇については、コロナ禍からの正常化に伴う景気回復の強さの表れであれば、ある程度の金利上昇は許容範囲で、金融緩和の両立は可能というこれまでの見方が、米10年債の利回りの早い上昇ピッチをきっかけに、「思ったよりもFRB(米連邦準備制度理事会)の引き締めが早くなるかもしれない」、「金利上昇の要因が期待インフレではなく、実施金利の上昇によるところが大きく、悪い金利上昇への警戒が強まったかもしれない」、「まもなく成立が見込まれる米追加経済対策の財源として、国債の増発が想定されるため、債券市場が不安定化しそう」などの思惑が一斉に絡んできたため、株式市場が消化不良を起こして、「とりあえず売っておこう」となった状況で、消化が進み、次の方向感が出てくるまでにはしばらく時間がかかる可能性があります。

 そのため、中期的な株高見通しシナリオに変化が生じたと判断するのはまだ早いと思われますが、金融緩和縮小の気配を感じただけで売られやすくなっている相場地合いであることには注意しておく必要がありそうです。

今月の質問「株主優待投資で失敗したことはありますか?」

楽天証券経済研究所 根岸 美知代

【今月の質問1】 株主優待を目的に株を買ったことはありますか?

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

【今月の質問2】 株主優待品(サービス)をもらったら、どうしていますか? (複数回答可)

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

 株主優待を目的に株を買ったことが「ある」方が約6割、「ない」方が約4割でした。

 もらった株主優待品(サービス)は、「自分で使う」が75.52%と最も多く、続いて「家族にプレゼントする」が42.33%、そして、「友人など(家族以外)にプレゼントする」9.45%、「ネットやチケットショップで売却する」8.91%、「使わないうちに期限切れとなる」7.23%でした。

【今月の質問3】 株主優待投資で、失敗したことはありますか?もっとも当てはまると思うものを、1つだけ選んでください。その他を選ぶ方は、その内容を30字以内でお書きいただくことができます。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

「優待投資で特に失敗したと思ったことはない」という方は、34.26%、なんらかの失敗を回答していただいた方が65.74%。失敗の内訳は、「株価が大きく下がってしまった」36.16%、「株主優待が廃止(または改悪)されてしまった」13.21%、「贈られてきた優待品が期待以下のものだった」4.41%、「優待割引券を使うために無駄な買い物をしてしまった」3.68%、「その他」8.28%でした。 

「その他」として、以下のコメントをいただいております。

・3年サイクルで同じ品(ビデオやおもちゃ)が届いて残念だった。
・住所変更が間に合わず、優待品を受取れなかった。
・調べてなくて株主優待の目的で購入したら、優待はなかった。
・近くに優待を使える店舗がなかった。
・お米が目的で買ったら、別の商品に格下げになった。
・株主優待目的で購入したら、近隣の店舗が閉店した。
・保有期間有りで貸株にしたため、優待が取れなかった。
・権利落ち日を間違えて売ってしまった。
・優待内容ばかりみて、配当金が出ていないことを確認しなかった。
・クロス取引で、逆日歩を取られた。

 など、たくさんの体験談をいただきました。ありがとうございます。

【今月の質問4】 おすすめの株主優待の銘柄名をひとつだけ教えてください。

 皆様からいただいたおすすめ株主優待銘柄の発表です。

順位 銘柄コード 銘柄名 投票数
1 8591 オリックス 576
2 8267 イオン 357
3 2914 JT 140
4 9861 吉野家ホールディングス 106
5 2702 日本マクドナルドホールディングス 90
6 9433 KDDI 89
7 3197 すかいらーくホールディングス 83
8 9202 ANAホールディングス 77
9 9831 ヤマダホールディングス 59
10 3048 ビックカメラ 51
11 7616 コロワイド 46
12 3397 トリドールホールディングス 42
12 9201 JAL 42
14 4661 オリエンタルランド 39
15 4755 楽天 33
16 3543 コメダホールディングス 28
17 3387 クリエイト・レストランツ・ホールディングス 25
18 7412 アトム 20
19 2811 カゴメ 17
19 7867 タカラトミー 17
(注)上記はアンケート結果集計で、楽天証券の推奨ではありません

 今回もたくさんのご意見をありがとうございました。

為替DI:3月のドル/円、個人投資家の予想は?

楽天証券FXディーリング部 荒地 潤

 楽天DIとは、ドル/円、ユーロ/円、豪ドル/円それぞれの、今後1カ月の相場見通しを指数化したものです。DIがプラスの時は「円安」見通し、マイナスの時は「円高」見通しで、プラス幅(マイナス幅)が大きいほど、円安(円高)見通しが強いことを示しています。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

「3月のドル/円は、円安、円高のどちらへ動くと予想しますか?」

 楽天証券が先月末に実施した相場アンケート調査によると、回答を頂いた個人投資家6,331人のうち39%(2,443人)が、今月のドル/円は「ドル高/円安」に動くと予想。前回は25%が円安を予想していました。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

 反対に最も少なかったのは「ドル安/円高」に動くで、25%(1,613人)。残りの36%(2,275人)は「動かない(わからない)」でした。

 円安が円高見通しを上回ったのは、昨年2月以来。今回11カ月ぶりに円安サイドに転換したのは、米長期金利の急上昇が理由と考えられます。

 

FRB「金利上昇、それが何か?」

 米国の長期金利が急上昇しています。しかしFRBは、「米国の景気見通しに対する自然な反応」である金利上昇を抑える必要はないと考えています。長期金利は「ありのままに(Let it Go)」というのがFRBのスタンス。

 インフレ見通しに関して、パウエル議長をはじめFRBのメンバーは、統一した見解を繰り返し発信しています。それは「インフレは放置する」。今年の春から夏にかけてのインフレは、一過性の現象か、あるいは単に統計上の理由(コロナで大きく落ち込んだ1年前のデータとの比較)と考えられるため、FRBはそれら一切をスルー(無視)する。ワクチン普及と移動制限解除による夏場の物価上昇も、インフレに構造的な改善があったとFRBが信じる理由にはならないということです。

 パウエルFRB議長に言わせると、インフレのダイナミクス(力学)は、「10セント硬貨の上でくるりと回るよう(に素早く転換する)ものではない」。言い換えるなら、インフレに大きな変化をもたらすには、単発の景気刺激策による一過性の需要以上のものが必要だということです。

 しかし、なぜFRBはこれほどまでに慎重なのか?

 はっきりと認めたことはありませんが、FRBはインフレ政策に関して失敗を積み重ねてきた苦い過去があります。過去10年間一貫してインフレ目標を達成できていないという事実は、FRB自身が一番よく認識しているはずです。

 経済データを信じて一過性のインフレ上昇に飛びつくと、過去の失敗を繰り返してしまう。特に、長期間低迷を続けたあとのインフレは「お化粧」をしている可能性がある。FRBが求めているのは、(一過性の現象ではなく)インフレ・ダイナミクスの真の改善です。長期金利の上昇を「放置」しているように見えるのは、これが理由です。

 FRBは今回こそ失敗できない。インフレを醸成する能力があることを証明してみせる必要がある。そしてその先には、完全雇用を実現し経済を完全に健全な状態に戻すという、より高い目標を達成する責務があります。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

 楽天証券の相場アンケート調査によると、26%の個人投資家が今月のユーロ/円は「ユーロ高/円安」に動くと予想。前回は18%がユーロ高を予想していました。

ユーロ安/円高」に動くは、最も少なく22%。最も多かった回答は「動かない(わからない)」の 53%。

 

 楽天証券の相場アンケート調査によると、28%の個人投資家が今月の豪ドル/円は「豪ドル高/円安」に動くと予想。2月は19%が豪ドル高を予想していました。

出所:楽天DIのデータより楽天証券経済研究所作成 

豪ドル安/円高」に動くは、19%。最も多かった回答は相変わらずの「動かない(分からない)」で53%でした。

 

 

今後、投資してみたい金融商品・国(地域)

楽天証券経済研究所 コモディティアナリスト 吉田 哲

 今回は、毎月実施している質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「アメリカ」と「日本」を選択したお客様の年齢に注目します。

 当該質問は複数回答可で、選択肢は、日本、アメリカ、ユーロ圏、オセアニア、中国、ブラジル、ロシア、インド、東南アジア、中南米(ブラジル除く)、東欧、アフリカ、特になし、の13個です。

図:質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「アメリカ」、「日本」を選択したお客様の年齢比
※「アメリカ」のみ、「日本」のみを選択した合計2,083名のデータを参照。

出所:楽天DIのデータをもとに筆者作成

 上記のグラフは、質問「今後、投資してみたい国(地域)」で、「アメリカ」のみを選択したお客様の年齢の比率と、「日本」のみを選択したお客様の年齢の比率を示しています。

 灰色の点線は、全回答者の年齢の比率です。全回答者では、50代が最も比率が高いことがわかります。40代、60代、と50代から離れれば離れるほど、比率が低下します。

 回答者全体としては、年齢層の頂点(ピーク)は50代ですが、「アメリカ」のみ、「日本」のみを選択したお客様における年齢比率のピークは、異なります。「アメリカ」が40代、次点で50代、「日本」が50代、次点で60代です。

 傾向を映しやすくするため、本分析では、「アメリカ」のみ、「日本」のみ、というように、複数回答をしていないお客様のデータを参照(合計2,083名)しています。

「アメリカ」もしくは「日本」以外を選択されなかったこと、“特になし”を選択されなかったことを考えれば、アメリカもしくは日本以外を「今後、投資してみたい国(地域)」と感じていない、あるいはアメリカもしくは日本こそ、「今後、投資してみたい国(地域)」と感じている、と推測できます。

 そのようなお客様の年齢比率において、「アメリカ」は40代がピークで50代が次点、「日本」は50代がピークで60代が次点だったことを考えれば、個人投資家の皆様全体における一般論として、年代ごとに投資の指向性に差が生じている、と言えると思います。

 これまで、本欄では回答者の比率の推移を着目してきましたが、今回は回答いただいたお客様の年齢を加味して考察しました。“投資指向”と“年代”は今後、注目される研究対象だと筆者は考えています。

 引き続き、「今後、投資してみたい国(地域)」における、各選択肢の年代に注目していきたいと、思います。

表:今後、投資してみたい金融商品 2021年2月調査時点(複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成

表:今後、投資してみたい国(地域) 2021年2月調査時点(複数回答可)

出所:楽天DIのデータより筆者作成

(楽天証券経済研究所)

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