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電話に出ない若手と「自分ばかり出る人」の深い溝 「なぜ私ばかりが電話に出なくちゃいけないんですか」

東洋経済オンライン / 2023年11月16日 7時20分

なぜ「職場で電話を取らない人がいる」のでしょうか(写真:kou/PIXTA)

毎朝のことだ。営業部のベテランTさんは、自分のデスクで1日のスケジュールを立てていた。新製品の企画書に最終的な手を加えようとしている。そんな時だった。

【図表で見る】どのくらいの人が電話に苦手意識を持っている?

またしても会社の固定電話が鳴りはじめた。目の前に座る若手社員のS君はスマートフォンに向かって指を滑らせているだけで、電話には一向に手を伸ばさない。

「仕方がない……」

Tさんが企画書を机の上に置き、電話に出るために立ち上がった。

「お電話ありがとうございます。ABC商事のTでございます」

Tさんが電話に出ている間、彼の本来の仕事は中断された。しかも大事な朝の時間にである!

「電話に出ない部下」は厄介な存在?

昨今このような場面が、いろいろな企業で見受けられるようになった。

昔は「電話にすぐ出ない部下」が話題になったが、最近はもっとヒドイ。「電話にまったく出ない部下」が増えているようだ。

「働かないおじさん」も困るが「電話に出ない部下」も、組織にとっては厄介な存在である。

なぜ「電話に出ない部下」は増えているのか。どう解決していったらいいのか。

今回は「電話に出ない部下」の実態と、その原因、対策について解説する。実際にそのような部下を持っている方は、ぜひ最後まで読んでいただきたい。

なぜ「電話に出ない」のか? 2つの理由

冒頭、「電話に出ない部下」は厄介だ、と書いた。しかし何を隠そう。私(54歳)も実は、電話には出たくないタイプだ。

お客様や部下とのコミュニケーションは、もっぱらテキストベース。メールやチャットが主体であり、周りの人もそれを理解している。なので電話がかかってくるとビックリする。

「何かあったのか?」

と思うし、滅多に連絡をくれない相手なら、

「売り込みか? 厄介なお願いだったらどうしよう」

と勘繰ってしまう。

実際に、AI電話自動応答・取り次ぎサービスのソフツーの調査によると「電話が怖い」「電話に出たくない」と感じている人は多い。

とくに20代ではその割合が74.8%に上るそうだ。

世代が上がるにつれて苦手意識の割合は減るが、40代でも半数以上が苦手意識を持っているらしい。

職場では44.8%の人がオフィスで固定電話が鳴ることに不快感を示し、その主な理由は「集中力の途切れと業務効率の低下」だという。

20~30代の若者は「固定電話の使用経験の少なさ」を不安の一因として挙げているが、実際はそれだけではないようだ。

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