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電話に出ない若手と「自分ばかり出る人」の深い溝 「なぜ私ばかりが電話に出なくちゃいけないんですか」

東洋経済オンライン / 2023年11月16日 7時20分

「お客様と飲みにいくときもあると思う。そういうときは、ビールをつぐだけでなく、いろんな気遣いは必要だよ」

と言っても、

「古い考えですね」

と反論するのだった。

もちろん、例えば社内の親睦会で気を遣いすぎて楽しめないのはよくないし、自分のペースで飲みたい人もいるので、無理にビールをつぐ必要はない。

ただ、そのゼロかイチの柔軟性のない態度が引っかかり、彼は不合格となってしまった。

電話に出るかどうかも一緒だ。

大事なことは、相手の立場に立って物事を考えられるか、である。フリーランスで仕事をするのならいいかもしれない。自分の都合でお客様を絞り込むことができる。

だが、組織に属している以上、自分視点だけで考えていてはいけない。

私も電話は苦手とお伝えしたが、電話はまだメジャーなコミュニケーション手段だ。メールやチャットではなく、電話で話すことを好む人や取引先はまだ大勢ある。

いくら時代が変わってきたとはいえ、まだまだ広く一般的に慣習として残っているものを全面拒否するのは、本人の可能性を狭めることになってしまわないか。

それゆえ、職場に固定電話が残っているのであれば、かかってきた電話ぐらいは出るようにすべきだと考えている。

スマホを貸与、代表電話は当番制で起きた変化

ちなみに、当社は全員にスマホを渡し、社員一人ひとりが直接電話番号を持つようにした。啓蒙活動に1年近くを要したが、顧客からのコールに直接応答する体制を整えた。

これにより、他者宛の電話に出ることはなくなった。若手社員の電話応対スキルは自然と向上し、中堅社員の負担軽減にも繋がった。

代表電話への対応は当番制にすることで、負担が偏ることも防いだ。

確かに初期投資は必要だ。セキュリティ対策など、スマートフォンの管理には新たな手間も伴う。だが、それを補ってあまりある効果はあった。

「なんで私ばかりが電話に出なくちゃいけないんですか」

と言われることがゼロになったのだ。電話対応の悪さでお客様との関係を悪化させることも防げた。

そういう意味でも「電話に出ない部下」は放置してはいけない。どの職場でも抱える問題であろうから、継続的な啓蒙活動をし続けるべきだろう。

横山 信弘:経営コラムニスト

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